旅の窓

平凡ながら列車の旅が好きで、その様子を紹介しています。
『閑雲野鶴日記』は日々の自由気ままな生活の記録。

普通列車で往復する東京の旅7~水戸駅からいわき駅まで

2014-12-28 03:46:29 | 普通列車の旅
 水戸からは、17時35分発いわき行き普通列車です。
 小山から乗ってきた電車が、17分に発車した後に同じホーム3番線に入ってくるので、少し時間がありました。
 そこで、水戸と言ったら、「水戸黄門」「偕楽園」「梅」「納豆」。今日の晩ご飯は、水戸駅の駅弁「印籠弁当」にするため弁当屋さんを探しました。
 弁当屋さんを見つけたものの、お目当ての弁当は売り切れ。残念。
 そこで買ったのが、「納豆弁当」。
納豆を白飯で包み高菜で巻いた納豆巻きが2つ、カレー風味と青海苔風味の揚げ納豆の軍艦巻きが各1つ、手まり寿司が1つ。それに、こんにゃくと漬物という内容でした。



さて、今回常磐線を通りたかった理由ですが、初めて東京に行った時に通ったのが常磐線でした。その常磐線で、確かめたいことがあるのです。
 昭和37年。小学校1年の夏休みでした。当時は、東北本線は勾配がきつく、距離も長いことから、青森から上野に行く列車のほとんどは、常磐線経由でした。これは、東北本線が青森まで複線・電化されるまで続きました。
 その時のことで覚えていることは、列車の座席を確保するために青森に出て、午後3時頃発車の夜行急行に乗ったこと。上野に朝9時過ぎに着いたこと。その年にあった三河島事故の茶色い電車が線路脇にあったこと。東京では上野動物園に行ったこと。
 そして、東京に行ったことを作文に書いたら、校内のお話大会に出て、町の大会までいったこと。
 お話大会のことで今でも覚えていることは、作文の内容では、「朝、目がさめたら左に大きな太平洋、右に水芭蕉が」という一節と、担任の先生に、大きな太平洋の所は、手を広げて大きさを表現するようにと指導されたこと。そして、町の大会の後、演台を前にして教頭先生に写真を撮ってもらったことです。
 ということで、今回常磐線を通りたかったのは、作文に書いた場所はいったいどこで、今はどうなっているのか見てみたいと思ったからです。
 海が見えるところなので、おそらく日立周辺ではないかと予想されるのですが…
 最初の計画では、水戸に泊まりたかったのですが、どこのホテルもシングルが満室ということで、足を伸ばしいわきに泊まることにしたので、水戸発17時35分常磐線普通列車いわき行きに乗ります。
 正面の行き先表示は。忘れているのか表示されていませんが、横にはいわきと表示された411系ロングシート8両編成。



 ここでも発車までは、冷房効率を高めるため真ん中のドアだけを開けて後は閉めていました。
 3番線からの発車で、発車メロディーは琴の音で短いリズムを繰り返していました。偕楽園をイメージしているのか、日本っぽい曲でした。
 水戸駅は、新宿・渋谷と並んでJR東日本として初めて発車メロディーを使った駅です。
 茨城県の三大名物「日立電気」「干しいも」「原子力」と言ったら叱られるかな。
 次の勝田から日立までは、日立の関連工場が並びます。途中には原子力の村、東海村。昔は干しいもの産地だった佐和もあります。
 時間帯も通勤時間と重なり、停車する毎に混んできました。
大甕は、日立の研究所もあるせいかスーツを着てカバンを持った研究者といった感じの人、いかにも技術者といった作業服を着た人など、多くの人が乗ってきました。
 日立を過ぎても、立っている人が多く、ロングシートのため車窓を楽しむことは出来ません。
 日立と次の小木津の間には、上野方面から来て初めてのトンネルを通りました。
 ここから鹿島に至るまでは、ほとんど駅毎に短いトンネルがつづくはずです。
 高萩までで多くの人が降りて、立っている人はいなくなりました。いわきまで約40分ですが、上野まで直通の電車が走っているのは、この高萩までです。
 おそらくこの車両も、運用次第では上野まで行くこともあるのでしょう、車内の路線図は首都圏のものでした。


 磯原は、野口雨情の生まれたところとあって、発車メロディーは「七つの子」でした。それにしても常磐線は、発車メロディーの流れる駅が多いです。
 またこの辺は、常磐炭田の中心炭鉱があったところですが、今はその面影を車窓からは見ることが出来ませんでした。
 磯原と大津港の間で、初めて海が迫ってくる景色を見ることが出来ました。これからが楽しみです。
 しかし、時刻は18時40分。曇りのせいで薄暗くなり、美しい景色を楽しむとはなりませんでした。
 大津港と次の勿来の間が、茨城県と福島県の県境。そして、白河(福島県)、念珠(山形県)と並ぶ奥州三関の一つ、勿来の関です。
 このあたりも、時々開けて海岸風景を見ることが出来ました。
 勿来、植田まで来ると車内は、座席の4分に1の乗客。辺りも暗くなり、ローカル線という雰囲気です。
 湯本は、常磐ハワイで有名になった、湯本温泉の玄関口。ここの発車メロディーは、「シャボン玉」でした。湯本を出ると間もなく終点のいわきに着きます。


 つづく



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