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ゆめと(ttm21)です。所感、エピソード等を気ままに綴ってみたいと思います

「はやぶさ」の加点法に学ぶ

2011年02月12日 | 人事労務管理
JAXA(宇宙航空研究開発機構)教授で「はやぶさ」プロジェクトマネジャーの川口先生の「はやぶさ式思考法ー日本を復活させる24の提言」を読みました。その第1の提言が「減点法を止めて、加点法にしよう」です。

 地球から3億km彼方の小惑星「イトカワ」に着陸し、サンプルを採取して地球に帰還するというミッションは、あのアメリカのNASA(航空宇宙局)も手を出さないようなハイリスクのものでした。ですから今回の快挙はまずこのミッションを設定するところから始まったといえましょう。

 米国は、日本以上に納税者へのアカウンタビリティが徹底しているので、NASAに代表されるような大宇宙機関であればあるほどハイリスクな計画には手を出さない傾向があります。実力ある者が手堅い、しかしアピールする計画を実行し、高い成功率を維持する・・・NASAはそういう方針で取り組み、すこしずつ成果を積み上げています。宇宙開発の基本姿勢としてはそれは正しい・・・ただし、それ一辺倒になると、イノベーションの種とリスクを同時に抱えたプロジェクトは出てこなくなってしまいます。「未来への投資」。これを怠ってはなりません。

 ハイリスク・ハイリターンな事業は、加点法で評価すべきです。そうしないと、100点満点からの減点法で評価されても大丈夫な事業、つまりはローリスク・ローリターンの計画ばかりになってしまう可能性があります。
 幸い「はやぶさ」プロジェクトに対して、政府系の委員会も川口先生の加点法の評価方式を認め、ハイリスク・ハイリターンという認識でゴーサインを出したのです。

 この加点法の具体的な内容を見てみましょう。
それは「はやぶさミッション達成度」として

・電気推進エンジン稼働開始(3台同時運転は世界初)・・・・・・・・・50点
・電気推進エンジンある期間(1000時間)稼働・・・・・・・・・・100点
・地球スイングバイ成功(電気推進によるスイングバイは世界初)・・・150点
・(自律航法に成功して)イトカワとランデブー成功・・・・・・・・・200点
・イトカワの科学的観測成功・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・250点
・イトカワにタッチダウンしてサンプル採取・・・・・・・・・・・・・275点
・カプセルが地球に帰還、大気圏に再突入して回収・・・・・・・・・・400点
・イトカワのサンプル入手・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・500点

どうですか・・・、目から鱗というか、これだけ見てもなんかワクワクしますね!
コメント
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