2009/2/9。満月。
眠る時間がおかしくなってしまっていて22:00に目が覚めた。23:00からの釣りとなる。
満潮は0:00頃。少し出遅れた感がある。
梅浦から下りるが昨日の様子から幽霊テトラ周辺は渋いと判断。
どーよさんのブログに書いてあった海沿いの迂回路を通り「岩壁の向こう」に向かう。
道口~織田に上がる道の最初の坂の途中に右に入る道がある。新しい道だ。
とても広い2車線の直線道路があり後半は曲がりくねった山道となり米ノ~武生線に出る。
非常に早い。元の海沿いの道より早いのではないか?とにかく飛ばせるのである。
どーよさん。ナイス情報をありがとう。
岩壁の向こうは風もなく波も無い。ほぼ天頂の位置にある満月が極めて明るい。
最近ここにはあまり入っていなかった。あまりにも釣れないのである。
苦労して岩を登り、風に吹かれ、はぁはぁ言いながら手練手管を駆使しても20cm3匹とか、そんな感じである。
しかし。
また来てしまった。
やはり引っ張られてしまう。ここには底知れない可能性が秘められているように感じる。
それは幽霊テトラのような数の可能性ではなくサイズに対する可能性である。
もはや僕は25cm100連発よりも尺1本の方を求めている。
サイズの可能性。
それを感じる理由。
それは、ぼんやりとした明かりや明暗のコントラスト、豊富な沈み根、水深、潮流、人の少なさなど
教科書通りの客観的な事実にも起因するのであるが、何より、あるひとつの光景が頭を離れないのである。
あるひとつの光景。
2008/10月のある日。僕はまだ明るい日中、この場所にエギングに入った。
何気なく、先端角の海中を偏光グラスでのぞき込んでその光景に息を飲んだ。
直径10mほどの巨大なメバルボール。海が赤く見える程だった。
そのボールを形成しているのは全て5cm程の稚メバルである。いったい何万匹いるんだろう。
この周辺の受胎力。その中心に着き場としてここがある事。それを感じさせる光景だ。
そして。それだけではなかった。
そのボールから少し離れた場所。
先端直下の根の横。約3mの青く澄みきった海中。
そこに。2匹。
巨大なメバルがサスペンドしていた。
水中の魚は大きく見えるとは言え、それは明らかに尺を越えた個体だった。
それは目尺だけではなく、顔形、肩あたりに漂う雰囲気でも分かる。老成した2匹だ。
バスのように稚魚を見守っているのだろうか?メバルがそんなことをするのだろうか?
持っていたワームを目の前に通したが全く無視された。微動だにしなかった。
虚しく何度も通してはみたが、そのうち迷惑そうに深場にゆっくりと沈んで行った。
その後ろ姿を見ながら「今シーズンはここだ」そう決心した。
そんな訳でこの日、僕はまたここに立っている。
まさかその2匹がまだここにいるなどとめでたい事は考えていないが
そのサイズの魚がこの場所を意識しているのは確かである。この場所を「知っている」のである。
まずいつものように先端手前でしゃがみ込み直下の沈み根を打つ。
まずルアーはこれを選んだ。ここでは良い記憶がある。
また進化した。「多い日夜用slimナミノハナアルミホロ」
立体的に貼られたアルミシートの上に薄く乗せられたグアニウム色素のようなホロ。その薄さがセンスだ。
沈み根の周囲をゆっくりと深さ早さ角度を変え、製図の線を引くように丁寧にトレースする。
風はなく思い通りのラインを描く事ができる。
しかし。反応はない。
オープンウォーターを流してみるがだめだ。ナミノハナはいないのである。
今日も渋い。満月の、満潮の、先端を潮が洗うこのタイミングなのだがやはり状況は良くない。
明かりの真ん中にGULPを流してみる。
足もとで反応が出る。
23cm。いつも同じような写真ばかりなので正面から撮ってみた。
深く流してみると
アカメバル20cm。これが何匹か続く。
は~。
結局こんな釣りになってしまう。
自己嫌悪に陥る。こんな事をしに来たのではない。こんな魚を釣りに来たわけではない。
狙うのは尺なのである。その為の釣りをしなければならない。
ジグヘッドを3.5gに替えMARS R32 2.2incパールレッドインを刺し防波堤の裏、暗い側に回る。
いくつか露出している根の、その馬の背の続きが海底に接しているであろう場所。
そこを狙って深く沈めた。30m沖。10mの水深。そのあたりは砂地のようで引っ掛かるものは何も無い。
シェイキングしながらリフト&フォールを繰り返す。
少し手前で岩礁を感じた。そこで止めて一点シェイクをする。
明るい月に照らされ、そのあたりの海面には潮がくっきりと帯のように流れているのが見える。
とても良い条件。他に何が必要だろう?何かが起こるはずだと考える。起きないとおかしいと感じる。
だがやはり。
何も起きない。海は沈黙を続ける。
なぜだろう?僕は間違った事をしているのだろうか?見当違いな事をしているのだろうか?
遠い海底の小さなジグヘッド。83deepとPEはその存在を明確に感じさせてくれる。
その周辺には何もいないのだろうか?時合ではないだけなのだろうか?
何か予感は感じるのである。尺はそこにいて、ルアーを見ている。間もなく食いつく。
何度も同じ事を繰り返す。
丁寧に時間をかける。
潮の流れは蛇行して様々に変わり、同じ場所でもいろんな状況を作ってくれている。
何かきっと「はまる」タイミングはあるはずなのである。
しかし。悲しい事に僕の予感は外れた。
2:30。あきらめる。
なぜ釣れないのだろう?
ロッドを手に持ったままぼんやりと立ち尽くす。
目の前に広がる「釣果」以外は全てが満たされた豪華絢爛な好ポイントを見つめる。
なぜなんだろう?
あ、そうかw。
なげやりに考える。
僕はとんでもないへたっぴぃなのかもしれない。そうに違いない。
迂回路を逆に走り幽霊テトラに入る。
丁度そのタイミングで満月は雲に隠れた。雲は水平線のそのまた向こうにまで厚く広がっている。
今日はもう月は出ない。漁火も水平線の向こうにぼんやりといくつかあるのみだ。
暗い気持ちで、暗いテトラに立ち、釣りを始めた。幾分薄気味悪くもある。
潮はやや落ちかけている。テトラの吃水線は海面の20cm上にある。
昨日の時合は0:00の満潮のタイミングだった。それはもう既に完全に外している。良い要素がまるでない。
しかしあるいは…。
何が起こるかは分からない。魚は見えていない。何を考えているのかも見えない。
その見えなさ具合が逆に希望にも繋がる。すがるような希望ではあるが。
「多い日夜用slimグリーンホロレッドヘッド」を流す。
このルアーのこのカラーを僕は完全に信頼している。
これで釣れなければその日は他のどのハードルアーでも釣れない。断言できる。
しかし釣れない。何も釣れない。テスター失格だな。完全に。
ついやはり手が伸びてGULPベビーサーディンに替える。
過去に覚えのあるおいしいラインを執拗に攻める。
やはり釣れない。何も釣れない。
全く渋い。生命反応がまるで感じられない。
そうこうしているうちに、ラインが竿に絡み始めた。全く理解のできない絡み方をする。
一瞬にしてPEラインがガイドにまとわりつき、結び玉を作り、固く締まってしまう。
僕は糸の絡みを直すのが得意である。時間をかければほとんどの絡みは直す自信がある。
だがこれは直せない。ラインの重なり方が理屈に合っていない。物理の法則に当てはまっていない。
なぜそれの下にこれが通るのか、本当に理解できない。
引っ張ったりほどいたりを繰り返すうちにPEがささくれ立ってきた。
そしてどうしてもほどけない小さな固い結び玉が発生する。だめだ。
仕方なく切る。FGを編み直す。FGを編むのは苦ではない。それが救いだ。
やや風が出てきて雨も降りだした。冷たく静かな雨だ。
釣りを始めるがまたすぐにラインは絡んだ。竿先を引き寄せLEDで照らす。
さっきと同じような絡み方をしている。
なんなのだ!!もう!!いらいらする。
雨が強くなってくる。帽子のつばからぽたぽたと水滴が滴る。
LEDに照らされた周囲数メートルの範囲には僕の心を癒すものは何もない。
濡れたテトラ。魚のいない海。複雑にラインの絡んだロッド。寒々しいものばかりだ。
PEと同じように心もささくれ立つ。荒んでくる。
ひとつ大きく深呼吸をし、気を取り直し、再びラインをほどく作業に集中する。
手もラインもロッドも雨に濡れて余計に作業ははかどらない。また切らなければならないのか…。
しかしどう考えてもこの糸絡みは不自然に感じる。いつもはこんな事は起きないのである。
ラインを絡ませないようなロッド捌きは自然に体が覚えている。
何年もこんな事を続けていると自然にそうなる。
絡んだとしてもすぐに直せるのだ。基本的に巻き付くだけなんだから。
しかし、この絡み方は納得がいかないのである。有り得ないのである。
ふと、心の中にある言葉が浮かぶ。やすやの店長さんが教えてくれた言葉だ。
背筋に寒けが走ったら唱えると良いですよ。と教えてくれた。
寒けはずっと一貫して感じているが、それが寒さからなのか、それ以外から来るのかは分からない。
ああそうか。そうなのか。
小さな確信があり、その言葉を心の中で唱えた。
「私はあなたのお役には全くたてませんよ。僕は役立たずで有名なんですよ。困ったもんなんですよ」
唱えながらラインの本線を引っ張った。
すると。
見る間に、夢のように、絡んだラインはぱらりとほどけた。
別の世界の出来事を、スローモーションで見るように、茫然とその光景を見ていた。
引っ張ったのは僕の手だがほどいたのは別の何かだ。
信じられなかった。そこには固い結び目があったのである。
しかし同時に、深く納得も感じる。ああやはり、そうなのかと。
ここはこういう場所なのである。
なぜか恐怖は感じなかった。親密な空気さえ感じた。僕は今、会話をしたのだ。
僕はこの場所に完全に馴染んでいる。逃げるよりもここにこのままいるべきだと思った。
…こんな事ばかり書いていると人間性を疑われそうだが
まあ、ろくな人間でない事は確かだが
しかしこれは本当の事だ。その場にいれば分かる。
そういう事は、あるのだ。朝飯を食う事ぐらい「普通」の事として。
ふ~、と座り込む。濡れたテトラに寄り掛かり少し休んだ。
疲れたな。
しかし帰ろうとは少しも考えなかった。
雨は容赦なく降り続く。
ダウンジャケットにはもう既に雨がしみ込み、下に着ているフリースを濡らしていた。
テトラに頭をもたれたまま、何となくヘッドランプを点け、何もない空中を照らす。
丸い光の範囲内だけで雨が降っていた。細く、足の長い雨だ。
手も足も投げ出してただぼんやりとその雨を見ていた。
じっと見ているとそれが雨以外のものに見えてくる。
ただの光の線だ。現象ではなく抽象的な何かに見えてくる。
僕は何をしているんだろう?こんなところで、雨に打たれて、何も釣れやしないのに。へたっぴぃのくせに。
遠くまで来たなぁ。なぜか唐突にそんなことを思う。それがどこからなのか、分からない。
幸せなあの日からなのか、苦しかったあの日からなのか。記憶のないある日からなのか。分からない。
今、ここが、ここである事しか分からない。
その時、明確な予感が心を占めた。確信に近いものだった。
「今日はもう一切何も釣れない。魚は何も、どこにも、いない」
それはこれ以上釣り続ける事の意味を失わせる予感だった。信じたくなかった。
しかし帰ろうとはやはり思わなかった。
釣れないとしても、魚がいないとしても
ロッドを振り続ける事。投げ続ける事。それなら出来るのだ。
だが悲しい事に、僕の予感はいつも外れる。そういう風にできている。
力なく立ち上がりロッドを手に取り何気なくキャストした。
普段なら「おいしい」はずのライン。今日も既に何度も通した。
深く海底まで沈めてスローにリトリーブする。何も希望は持っていなかった。
テトラを感じた。少しロッドをあおる。ゴゴッとジグヘッドはテトラから外れ水中を漂う。
突然、漂ったジグヘッドを何かがくわえそのまま移動した。
ティップがすーと入って行った。それが何を意味するのか理解できなかった。
だが自然に体が動く。強いあわせを入れた。一瞬重さを感じた。普通ではない重さだ。
しかし、ふっと軽くなった。外してしまう。
あぁ~~~~!!
なんて事だ。何かは分からないが大きかった。
あぁ~~~~!!
痛恨である。
ルアーを回収する、つもりだったが上がってきたのは何も付いていないラインだけだった。
切れたのか…。
ラインを確認する。それはさっきロッドに絡んだ部分だった。
チェックはした。少々のささくれはあったがOKと判断した。
しかしその判断は甘かったのだ。あわせも強く入れ過ぎた。落ち込んだ。何をやってるんだろう。
しばらくしゃがみ込み、のろのろと動きだし、またFGを編む。
なぜか心は折れなかった。
釣れないという予感は依然として明確だったが、朝、明るくなるまではここにいるつもりだった。
投げ続けるのだ。それはやらなければならないのだ。
なら、またラインシステムを組まなければならない。当然の事だ。
ラインの傷をチェックする。FGノットを強く引っ張り出来栄えを確認する。
よし。問題ない。100%の出来だ。美しく細く段もなく、よく引き締まった完璧なFGだ。
ジグヘッド2.6gに再びGULPを刺した。
さっきの魚が何か、何となく感じるものがあった。メバルではない。
それがいるのであればGULPである。これはえさなのだ。
しかし一度外した。もう来てはくれないだろう。そんなにたくさんいる魚でもない。
やはり予感は当たっている。結局釣れやしない。そう思った。
5:00。
さっきとは違うライン。ひとつだけぽつんと露出したテトラ。その沖側。
フルキャストしdeepな底を目指してラインを弛めた。おもむろにリトリーブを始める。
4mの底だ。時々テトラを感じながら引いてくる。
何度か同じ事を繰り返した。無為な行為である事を感じながら。
そして何度目かのリトリーブ。
ゴゴゴとまたテトラを感じる。さっきと同じように軽い根がかりを外した。
ジグヘッドはくんっと跳ね上がる。ロッドを保持しリーリングを止めカーブフォールさせた。
つん。
何かが触れた。ジグヘッドはそのまままた静かに横に移動する。ティップがお辞儀をした。
手首だけで小さくあわせる。
その何かは水底でうごめいた。
!!!。
スウィープに強くあわせを入れる。
ゴンゴンゴンゴン!!
えぇ!?来たぁぁ!
しっぽの一振り一振りがそのままの形になって手に伝わる。硬い感触の引き。
まだ姿は見えないがこれはメバルではない。
チヌだ。さっきのもそうだ。確信した。
2009/1/28には姿を見るまで分からなかった。しかしもう分かる。間違いない。チヌだ。
平べったい魚特有の重さ。横を向いて暴れると水の圧力がそのままロッドにのし掛かってくる。重い。
テトラにラインが触れる事を警戒したが幸運な事に沖に走ってくれた。
水面を照らす。10m沖で姿が見える。銀色がひらめく。体を翻し渦を作って潜ろうとする。
潜ろうとして沖に向かって走り、潜りきれず、ひっくり返るようにまた水面に姿を現す。繰り返す。
83deepはそれを余裕の顔で受けとめている。イグジストもタイムリーにドラグを鳴らす。
いつもは使用感を感じないほど静かな道具が、今は前面に出てしっかり仕事をこなしている。
極めて頼もしい道具だ。何も心配はいらない。「まかせて!」そう言っている。
ドラグを締め、強気のポンピングで一気に足もとまで魚を寄せた。
網は依然としてない。しかし今度こいつが来たらこうしてやろうと考えていた。
ここも水面まで下りられる。ラインを張ったまま僕は左手でバッカンをひっつかみテトラを滑り降りた。
波が洗い、海洋生物で覆われている水平のテトラ。その上に立った。
眼前の海面にいぶし銀の魚体が横たわる。
テトラにひざをつく。波がひざを洗った。どうせ雨でずぶぬれだ。かまわない。
バッカンを横にして半分を海中に沈めた。右手のロッドを高く掲げる。ヘラブナの取り込みみたいに。
1/28にはささくれ立って切れたリーダーも今日は全くフレッシュだ。ジグヘッドもしっかりと掛かっている。
「入れ、入れ、入れ」
声を出してチヌに言う。なかなか思うようにならない。なってくれない。
何度かの失敗の後、ようやく、チヌはヒラメのような横泳ぎで自らバッカンにゆっくりと泳ぎ込んできた。
ざぶりと水を汲むように引き上げる。バッカンの半分を占める海水が強烈に重い。
えええいっ!!。全身に力を込めてバッカンを持ち上げ、テトラの上にどさりと置いた。
ダダダダダッ!!
チヌが猛烈に暴れる。盛大にしぶきを浴びる。
うっしゃぁぁぁ~!!獲ったぁ~!!
こぶしを握る。
ひざをついたままバッカンをのぞき込む。その姿に見とれた。
同じ海水の中ではあるが
ついさっきまでいた場所とでは決定的に違うバッカンの中でチヌはゆっくりと呼吸をしていた。
側面をなでる。滑らかに固く太った体。充実にはち切れそうだ。
さっきまでの暗く冷たい海が、今はうそのように輝いている。
釣りにはこれがある。一瞬で更新される。何度も経験した事だが今回はひときわ鮮やかだ。
チヌ。43cm。嬉しい魚だ。
ちょっと遊んでみる。
まずはその体表をオーパ!の表紙風にw。
その目玉をオーパ,オーパ!の表紙風にww。
その後は気のない釣りをする。事あるごとにバッカンをのぞき込んでしまう。
そしてこの日もやはり、昨日と同じく朝まずめの時合はやって来なかった。
やれやれ。疲れた。
7:00。終了。
雨は上がっていた。ずぶぬれの帽子を取った。急に世界が明るくなった。髪をぐしゃぐしゃとかき回す。
空を見上げた。すっかり朝だ。朝はしらじらしい顔で世界を覆い尽くしている。
まるでさっきまで暗い夜だったなんて、うそみたいだ。
家に帰りチヌを捌く。この日は休みの嫁と昼ビールを決め込んだ。
松皮造り。熱湯をかけて氷水で〆る。
皮がこりこりして身の味が濃い。
海の香りが広がる。
でもわざわざ家でまでそんな香りを嗅がなくたってさっきまでしこたま嗅いでいたんだけどw
炭火を熾してかぶと焼き。こんな美味しいものがあるんだろうか。
半身は昆布〆にして近々来る予定のお客さんに備えた。
骨とひれはせんべいにしてかりかりと食べた。全て愛してやった。お礼だ。
おっと忘れてた。
さてさて、しかし。それにしても。
メバルはどこに行ったのだろう?
TACKLE DATA
ROD/Glamour Rock Fish TR83deep
REEL/EXIST2004
LINE/Daiwa Emeraldas SENSOR 0.5号+7lbフロロ
Moon DATA
fullmoon
眠る時間がおかしくなってしまっていて22:00に目が覚めた。23:00からの釣りとなる。
満潮は0:00頃。少し出遅れた感がある。
梅浦から下りるが昨日の様子から幽霊テトラ周辺は渋いと判断。
どーよさんのブログに書いてあった海沿いの迂回路を通り「岩壁の向こう」に向かう。
道口~織田に上がる道の最初の坂の途中に右に入る道がある。新しい道だ。
とても広い2車線の直線道路があり後半は曲がりくねった山道となり米ノ~武生線に出る。
非常に早い。元の海沿いの道より早いのではないか?とにかく飛ばせるのである。
どーよさん。ナイス情報をありがとう。
岩壁の向こうは風もなく波も無い。ほぼ天頂の位置にある満月が極めて明るい。
最近ここにはあまり入っていなかった。あまりにも釣れないのである。
苦労して岩を登り、風に吹かれ、はぁはぁ言いながら手練手管を駆使しても20cm3匹とか、そんな感じである。
しかし。
また来てしまった。
やはり引っ張られてしまう。ここには底知れない可能性が秘められているように感じる。
それは幽霊テトラのような数の可能性ではなくサイズに対する可能性である。
もはや僕は25cm100連発よりも尺1本の方を求めている。
サイズの可能性。
それを感じる理由。
それは、ぼんやりとした明かりや明暗のコントラスト、豊富な沈み根、水深、潮流、人の少なさなど
教科書通りの客観的な事実にも起因するのであるが、何より、あるひとつの光景が頭を離れないのである。
あるひとつの光景。
2008/10月のある日。僕はまだ明るい日中、この場所にエギングに入った。
何気なく、先端角の海中を偏光グラスでのぞき込んでその光景に息を飲んだ。
直径10mほどの巨大なメバルボール。海が赤く見える程だった。
そのボールを形成しているのは全て5cm程の稚メバルである。いったい何万匹いるんだろう。
この周辺の受胎力。その中心に着き場としてここがある事。それを感じさせる光景だ。
そして。それだけではなかった。
そのボールから少し離れた場所。
先端直下の根の横。約3mの青く澄みきった海中。
そこに。2匹。
巨大なメバルがサスペンドしていた。
水中の魚は大きく見えるとは言え、それは明らかに尺を越えた個体だった。
それは目尺だけではなく、顔形、肩あたりに漂う雰囲気でも分かる。老成した2匹だ。
バスのように稚魚を見守っているのだろうか?メバルがそんなことをするのだろうか?
持っていたワームを目の前に通したが全く無視された。微動だにしなかった。
虚しく何度も通してはみたが、そのうち迷惑そうに深場にゆっくりと沈んで行った。
その後ろ姿を見ながら「今シーズンはここだ」そう決心した。
そんな訳でこの日、僕はまたここに立っている。
まさかその2匹がまだここにいるなどとめでたい事は考えていないが
そのサイズの魚がこの場所を意識しているのは確かである。この場所を「知っている」のである。
まずいつものように先端手前でしゃがみ込み直下の沈み根を打つ。
まずルアーはこれを選んだ。ここでは良い記憶がある。
また進化した。「多い日夜用slimナミノハナアルミホロ」
立体的に貼られたアルミシートの上に薄く乗せられたグアニウム色素のようなホロ。その薄さがセンスだ。
沈み根の周囲をゆっくりと深さ早さ角度を変え、製図の線を引くように丁寧にトレースする。
風はなく思い通りのラインを描く事ができる。
しかし。反応はない。
オープンウォーターを流してみるがだめだ。ナミノハナはいないのである。
今日も渋い。満月の、満潮の、先端を潮が洗うこのタイミングなのだがやはり状況は良くない。
明かりの真ん中にGULPを流してみる。
足もとで反応が出る。
23cm。いつも同じような写真ばかりなので正面から撮ってみた。
深く流してみると
アカメバル20cm。これが何匹か続く。
は~。
結局こんな釣りになってしまう。
自己嫌悪に陥る。こんな事をしに来たのではない。こんな魚を釣りに来たわけではない。
狙うのは尺なのである。その為の釣りをしなければならない。
ジグヘッドを3.5gに替えMARS R32 2.2incパールレッドインを刺し防波堤の裏、暗い側に回る。
いくつか露出している根の、その馬の背の続きが海底に接しているであろう場所。
そこを狙って深く沈めた。30m沖。10mの水深。そのあたりは砂地のようで引っ掛かるものは何も無い。
シェイキングしながらリフト&フォールを繰り返す。
少し手前で岩礁を感じた。そこで止めて一点シェイクをする。
明るい月に照らされ、そのあたりの海面には潮がくっきりと帯のように流れているのが見える。
とても良い条件。他に何が必要だろう?何かが起こるはずだと考える。起きないとおかしいと感じる。
だがやはり。
何も起きない。海は沈黙を続ける。
なぜだろう?僕は間違った事をしているのだろうか?見当違いな事をしているのだろうか?
遠い海底の小さなジグヘッド。83deepとPEはその存在を明確に感じさせてくれる。
その周辺には何もいないのだろうか?時合ではないだけなのだろうか?
何か予感は感じるのである。尺はそこにいて、ルアーを見ている。間もなく食いつく。
何度も同じ事を繰り返す。
丁寧に時間をかける。
潮の流れは蛇行して様々に変わり、同じ場所でもいろんな状況を作ってくれている。
何かきっと「はまる」タイミングはあるはずなのである。
しかし。悲しい事に僕の予感は外れた。
2:30。あきらめる。
なぜ釣れないのだろう?
ロッドを手に持ったままぼんやりと立ち尽くす。
目の前に広がる「釣果」以外は全てが満たされた豪華絢爛な好ポイントを見つめる。
なぜなんだろう?
あ、そうかw。
なげやりに考える。
僕はとんでもないへたっぴぃなのかもしれない。そうに違いない。
迂回路を逆に走り幽霊テトラに入る。
丁度そのタイミングで満月は雲に隠れた。雲は水平線のそのまた向こうにまで厚く広がっている。
今日はもう月は出ない。漁火も水平線の向こうにぼんやりといくつかあるのみだ。
暗い気持ちで、暗いテトラに立ち、釣りを始めた。幾分薄気味悪くもある。
潮はやや落ちかけている。テトラの吃水線は海面の20cm上にある。
昨日の時合は0:00の満潮のタイミングだった。それはもう既に完全に外している。良い要素がまるでない。
しかしあるいは…。
何が起こるかは分からない。魚は見えていない。何を考えているのかも見えない。
その見えなさ具合が逆に希望にも繋がる。すがるような希望ではあるが。
「多い日夜用slimグリーンホロレッドヘッド」を流す。
このルアーのこのカラーを僕は完全に信頼している。
これで釣れなければその日は他のどのハードルアーでも釣れない。断言できる。
しかし釣れない。何も釣れない。テスター失格だな。完全に。
ついやはり手が伸びてGULPベビーサーディンに替える。
過去に覚えのあるおいしいラインを執拗に攻める。
やはり釣れない。何も釣れない。
全く渋い。生命反応がまるで感じられない。
そうこうしているうちに、ラインが竿に絡み始めた。全く理解のできない絡み方をする。
一瞬にしてPEラインがガイドにまとわりつき、結び玉を作り、固く締まってしまう。
僕は糸の絡みを直すのが得意である。時間をかければほとんどの絡みは直す自信がある。
だがこれは直せない。ラインの重なり方が理屈に合っていない。物理の法則に当てはまっていない。
なぜそれの下にこれが通るのか、本当に理解できない。
引っ張ったりほどいたりを繰り返すうちにPEがささくれ立ってきた。
そしてどうしてもほどけない小さな固い結び玉が発生する。だめだ。
仕方なく切る。FGを編み直す。FGを編むのは苦ではない。それが救いだ。
やや風が出てきて雨も降りだした。冷たく静かな雨だ。
釣りを始めるがまたすぐにラインは絡んだ。竿先を引き寄せLEDで照らす。
さっきと同じような絡み方をしている。
なんなのだ!!もう!!いらいらする。
雨が強くなってくる。帽子のつばからぽたぽたと水滴が滴る。
LEDに照らされた周囲数メートルの範囲には僕の心を癒すものは何もない。
濡れたテトラ。魚のいない海。複雑にラインの絡んだロッド。寒々しいものばかりだ。
PEと同じように心もささくれ立つ。荒んでくる。
ひとつ大きく深呼吸をし、気を取り直し、再びラインをほどく作業に集中する。
手もラインもロッドも雨に濡れて余計に作業ははかどらない。また切らなければならないのか…。
しかしどう考えてもこの糸絡みは不自然に感じる。いつもはこんな事は起きないのである。
ラインを絡ませないようなロッド捌きは自然に体が覚えている。
何年もこんな事を続けていると自然にそうなる。
絡んだとしてもすぐに直せるのだ。基本的に巻き付くだけなんだから。
しかし、この絡み方は納得がいかないのである。有り得ないのである。
ふと、心の中にある言葉が浮かぶ。やすやの店長さんが教えてくれた言葉だ。
背筋に寒けが走ったら唱えると良いですよ。と教えてくれた。
寒けはずっと一貫して感じているが、それが寒さからなのか、それ以外から来るのかは分からない。
ああそうか。そうなのか。
小さな確信があり、その言葉を心の中で唱えた。
「私はあなたのお役には全くたてませんよ。僕は役立たずで有名なんですよ。困ったもんなんですよ」
唱えながらラインの本線を引っ張った。
すると。
見る間に、夢のように、絡んだラインはぱらりとほどけた。
別の世界の出来事を、スローモーションで見るように、茫然とその光景を見ていた。
引っ張ったのは僕の手だがほどいたのは別の何かだ。
信じられなかった。そこには固い結び目があったのである。
しかし同時に、深く納得も感じる。ああやはり、そうなのかと。
ここはこういう場所なのである。
なぜか恐怖は感じなかった。親密な空気さえ感じた。僕は今、会話をしたのだ。
僕はこの場所に完全に馴染んでいる。逃げるよりもここにこのままいるべきだと思った。
…こんな事ばかり書いていると人間性を疑われそうだが
まあ、ろくな人間でない事は確かだが
しかしこれは本当の事だ。その場にいれば分かる。
そういう事は、あるのだ。朝飯を食う事ぐらい「普通」の事として。
ふ~、と座り込む。濡れたテトラに寄り掛かり少し休んだ。
疲れたな。
しかし帰ろうとは少しも考えなかった。
雨は容赦なく降り続く。
ダウンジャケットにはもう既に雨がしみ込み、下に着ているフリースを濡らしていた。
テトラに頭をもたれたまま、何となくヘッドランプを点け、何もない空中を照らす。
丸い光の範囲内だけで雨が降っていた。細く、足の長い雨だ。
手も足も投げ出してただぼんやりとその雨を見ていた。
じっと見ているとそれが雨以外のものに見えてくる。
ただの光の線だ。現象ではなく抽象的な何かに見えてくる。
僕は何をしているんだろう?こんなところで、雨に打たれて、何も釣れやしないのに。へたっぴぃのくせに。
遠くまで来たなぁ。なぜか唐突にそんなことを思う。それがどこからなのか、分からない。
幸せなあの日からなのか、苦しかったあの日からなのか。記憶のないある日からなのか。分からない。
今、ここが、ここである事しか分からない。
その時、明確な予感が心を占めた。確信に近いものだった。
「今日はもう一切何も釣れない。魚は何も、どこにも、いない」
それはこれ以上釣り続ける事の意味を失わせる予感だった。信じたくなかった。
しかし帰ろうとはやはり思わなかった。
釣れないとしても、魚がいないとしても
ロッドを振り続ける事。投げ続ける事。それなら出来るのだ。
だが悲しい事に、僕の予感はいつも外れる。そういう風にできている。
力なく立ち上がりロッドを手に取り何気なくキャストした。
普段なら「おいしい」はずのライン。今日も既に何度も通した。
深く海底まで沈めてスローにリトリーブする。何も希望は持っていなかった。
テトラを感じた。少しロッドをあおる。ゴゴッとジグヘッドはテトラから外れ水中を漂う。
突然、漂ったジグヘッドを何かがくわえそのまま移動した。
ティップがすーと入って行った。それが何を意味するのか理解できなかった。
だが自然に体が動く。強いあわせを入れた。一瞬重さを感じた。普通ではない重さだ。
しかし、ふっと軽くなった。外してしまう。
あぁ~~~~!!
なんて事だ。何かは分からないが大きかった。
あぁ~~~~!!
痛恨である。
ルアーを回収する、つもりだったが上がってきたのは何も付いていないラインだけだった。
切れたのか…。
ラインを確認する。それはさっきロッドに絡んだ部分だった。
チェックはした。少々のささくれはあったがOKと判断した。
しかしその判断は甘かったのだ。あわせも強く入れ過ぎた。落ち込んだ。何をやってるんだろう。
しばらくしゃがみ込み、のろのろと動きだし、またFGを編む。
なぜか心は折れなかった。
釣れないという予感は依然として明確だったが、朝、明るくなるまではここにいるつもりだった。
投げ続けるのだ。それはやらなければならないのだ。
なら、またラインシステムを組まなければならない。当然の事だ。
ラインの傷をチェックする。FGノットを強く引っ張り出来栄えを確認する。
よし。問題ない。100%の出来だ。美しく細く段もなく、よく引き締まった完璧なFGだ。
ジグヘッド2.6gに再びGULPを刺した。
さっきの魚が何か、何となく感じるものがあった。メバルではない。
それがいるのであればGULPである。これはえさなのだ。
しかし一度外した。もう来てはくれないだろう。そんなにたくさんいる魚でもない。
やはり予感は当たっている。結局釣れやしない。そう思った。
5:00。
さっきとは違うライン。ひとつだけぽつんと露出したテトラ。その沖側。
フルキャストしdeepな底を目指してラインを弛めた。おもむろにリトリーブを始める。
4mの底だ。時々テトラを感じながら引いてくる。
何度か同じ事を繰り返した。無為な行為である事を感じながら。
そして何度目かのリトリーブ。
ゴゴゴとまたテトラを感じる。さっきと同じように軽い根がかりを外した。
ジグヘッドはくんっと跳ね上がる。ロッドを保持しリーリングを止めカーブフォールさせた。
つん。
何かが触れた。ジグヘッドはそのまままた静かに横に移動する。ティップがお辞儀をした。
手首だけで小さくあわせる。
その何かは水底でうごめいた。
!!!。
スウィープに強くあわせを入れる。
ゴンゴンゴンゴン!!
えぇ!?来たぁぁ!
しっぽの一振り一振りがそのままの形になって手に伝わる。硬い感触の引き。
まだ姿は見えないがこれはメバルではない。
チヌだ。さっきのもそうだ。確信した。
2009/1/28には姿を見るまで分からなかった。しかしもう分かる。間違いない。チヌだ。
平べったい魚特有の重さ。横を向いて暴れると水の圧力がそのままロッドにのし掛かってくる。重い。
テトラにラインが触れる事を警戒したが幸運な事に沖に走ってくれた。
水面を照らす。10m沖で姿が見える。銀色がひらめく。体を翻し渦を作って潜ろうとする。
潜ろうとして沖に向かって走り、潜りきれず、ひっくり返るようにまた水面に姿を現す。繰り返す。
83deepはそれを余裕の顔で受けとめている。イグジストもタイムリーにドラグを鳴らす。
いつもは使用感を感じないほど静かな道具が、今は前面に出てしっかり仕事をこなしている。
極めて頼もしい道具だ。何も心配はいらない。「まかせて!」そう言っている。
ドラグを締め、強気のポンピングで一気に足もとまで魚を寄せた。
網は依然としてない。しかし今度こいつが来たらこうしてやろうと考えていた。
ここも水面まで下りられる。ラインを張ったまま僕は左手でバッカンをひっつかみテトラを滑り降りた。
波が洗い、海洋生物で覆われている水平のテトラ。その上に立った。
眼前の海面にいぶし銀の魚体が横たわる。
テトラにひざをつく。波がひざを洗った。どうせ雨でずぶぬれだ。かまわない。
バッカンを横にして半分を海中に沈めた。右手のロッドを高く掲げる。ヘラブナの取り込みみたいに。
1/28にはささくれ立って切れたリーダーも今日は全くフレッシュだ。ジグヘッドもしっかりと掛かっている。
「入れ、入れ、入れ」
声を出してチヌに言う。なかなか思うようにならない。なってくれない。
何度かの失敗の後、ようやく、チヌはヒラメのような横泳ぎで自らバッカンにゆっくりと泳ぎ込んできた。
ざぶりと水を汲むように引き上げる。バッカンの半分を占める海水が強烈に重い。
えええいっ!!。全身に力を込めてバッカンを持ち上げ、テトラの上にどさりと置いた。
ダダダダダッ!!
チヌが猛烈に暴れる。盛大にしぶきを浴びる。
うっしゃぁぁぁ~!!獲ったぁ~!!
こぶしを握る。
ひざをついたままバッカンをのぞき込む。その姿に見とれた。
同じ海水の中ではあるが
ついさっきまでいた場所とでは決定的に違うバッカンの中でチヌはゆっくりと呼吸をしていた。
側面をなでる。滑らかに固く太った体。充実にはち切れそうだ。
さっきまでの暗く冷たい海が、今はうそのように輝いている。
釣りにはこれがある。一瞬で更新される。何度も経験した事だが今回はひときわ鮮やかだ。
チヌ。43cm。嬉しい魚だ。
ちょっと遊んでみる。
まずはその体表をオーパ!の表紙風にw。
その目玉をオーパ,オーパ!の表紙風にww。
その後は気のない釣りをする。事あるごとにバッカンをのぞき込んでしまう。
そしてこの日もやはり、昨日と同じく朝まずめの時合はやって来なかった。
やれやれ。疲れた。
7:00。終了。
雨は上がっていた。ずぶぬれの帽子を取った。急に世界が明るくなった。髪をぐしゃぐしゃとかき回す。
空を見上げた。すっかり朝だ。朝はしらじらしい顔で世界を覆い尽くしている。
まるでさっきまで暗い夜だったなんて、うそみたいだ。
家に帰りチヌを捌く。この日は休みの嫁と昼ビールを決め込んだ。
松皮造り。熱湯をかけて氷水で〆る。
皮がこりこりして身の味が濃い。
海の香りが広がる。
でもわざわざ家でまでそんな香りを嗅がなくたってさっきまでしこたま嗅いでいたんだけどw
炭火を熾してかぶと焼き。こんな美味しいものがあるんだろうか。
半身は昆布〆にして近々来る予定のお客さんに備えた。
骨とひれはせんべいにしてかりかりと食べた。全て愛してやった。お礼だ。
おっと忘れてた。
さてさて、しかし。それにしても。
メバルはどこに行ったのだろう?
TACKLE DATA
ROD/Glamour Rock Fish TR83deep
REEL/EXIST2004
LINE/Daiwa Emeraldas SENSOR 0.5号+7lbフロロ
Moon DATA
fullmoon
すばらしい。
読み進むにつれ、自分まで疲労感を味わえる。
有終の美にはちょっと嫉妬までしちまった。
僕はとっくの昔に、人の釣果に対して嫉妬することなんてなくなてしまったけど、この黒くて綺麗な鯛に辿りつくまでのプロセスには嫉妬した。
しかし おめでとう。よくやった!
造りの皿、そんなバージョンもあったのね。
かっこいいな。
今回はかなり気合いを入れて書いた。
10時間も掛かったんだよw馬鹿だね。遅筆過ぎる。
コメントもらった時間にはまだ完成していなかった。
upしてみて全体を見渡していたタイミングだった。
そこから少し書き直したのでまた時間があれば読み直してね。
プロセスね。大事だね。
こんな言葉がある。
「同じ事をするにしても色々な方法があるというものですよ」
あるいは
「道によって尊し」
苦労すると嬉しいね。この魚がいなかったらと思うとぞっとする。
その場合何を書いたか、自分でも興味があるw
皿ね。いやに反応するね。好きなのか?
これは前のあの皿とは別の人の作品。能登の江崎さんの皿だ。アオリイカの絵が描いてある。どっしり重くて良いものだよ。
物語を読んでいるみたいだ。
時間をかけて書いていた意味が分かった気がする。
気持ちと時間の経過が明確で、読んでいて...落ち込んだり疲れたり喜んだりしてしまった。
読み手を共感させる文章は素晴らしい。と、思う。
人をよく知っている。
人の心を動かす手段を知っているってのはニクいなぁ。
毎回わかっていても、つい読んじゃうんだなぁ~。
やっぱりニクいなぁ~。
釣りって、落ちたり上がったり考えてみたり報われたりそうでなかったり。生活そのものだね。
だから面白いのかも。
一生幸せでいれるのかも。
幽霊テトラ。
気持ちが通じたのか、「懲りない人ね」と、あきらめたのか。。馴染んだね。
あ、久しぶりにみた!赤メバル。
黒と赤どちらがおいしいの??
そういえばメバルの正面からの顔ってあんまりみないなぁ。
誰かに似ている・・・。
うむむ。チヌおいしいね。
いや、ホント釣れてよかった。
松皮造り、かぶと焼き、どちらも美味しそう~!
ヱビスが見えてるのもたまらんねぇ。
うぅぅ日本酒も合いそうだ。。
昆布〆美味しかったなぁ。
また食べたいです。
うん、うん。オーパ!っぽい。
オーパの方が粗いくらい。
鱗が良い感じ。連続した柄を繋ぎ合わせみたい。
魚や虫を見ると、こわいくらい完璧で、なんて美しい生き物なんだろうと思ってしまうね。
そうだね。メバルどこいっちゃったんだろう??
そう言ってもらえると時間掛けた甲斐があったよ。
気の合う人間と釣りをするのも楽しいが
やはり僕は一人で釣りをするのが好きなんだ。
でもやっぱり少しは自慢もしたいし、その時考えた事や、海の雰囲気や、釣りの素晴らしさなんてものを誰かと共有したいとも思う。ジレンマだ。
で、こんなブログを始めたんだ。
考えてみればネットもPCもまだない頃にはこんな事出来るのはほんの一握りの人たちだけだった。ネットって素晴らしいなと思う。意志さえ持てばみんなに開かれている。
まだ始めたばかりだけど毎日200人くらいの人が500回も見に来てくれている。がんばれば200人と共有できるわけだ。実際に200人の人と釣りする事なんて出来ない。幽霊テトラに200人立ってたらそれこそおばけより恐いw
そんなに見てくれるのなら出来るだけ丁寧にリズム良く書こうと思っているだけだよ。何せ長いのでリズムは重要だ。構成も大切だ。じゃなきゃ最後まで辿り着いてくれないと思うので。
読む人がどう思うのかは全然分からない。分からずに書いている。人の心を動かす手段なんてことも全く分からない。
でも「自分もその場にいるようだ」と言ってもらえると書き方は間違ってないんだなと思う。「共感」が始めた目的だからね。
そう、釣りは生活とか人生とかの縮図のようだ。でもしかし普段の生活とは決定的に違う事がある。それは相手が自然だって事だ。一生幸せになれるのも相手が自然だからだよ。あの中国古諺はそういう意味だ。何も釣りに限った事を言ってるんじゃないと思う。
また良い魚が釣れたら宴会しよう。
でもな~メバルは一体どこにいるんだ?
初めまして。コメントありがとうございます。
えーと…釣りしないんですか?なのにこんなの読めるんですか?専門用語頻発なので意味不明なことも多いと思うんですが。釣りをしない人は想定してなかったので少し驚きです。
しかし
>その状況が実際に自分に今起きてるかのように思えた。
と思って頂けたのならとても嬉しいです。それを目指していますので。何よりです。ありがとうございます。またお時間があったら読んでやって下さい。
ついでに釣りもしちゃって下さいw
そして、なんと美しいクロダイ…
抜群のコンディション、海が豊かなんですね。
僕も釣りの最中、訳が分からないライントラブルやラインブレイクが多発する時があります。それも特定の場所で(汗)そしてその後はきまって体調を崩します(泣)なんかあるんですかね~(笑)
今回も力作ですね。一気に読んでしまいました。自分もその場に居るようです。
雨にも負けず、超常現象にも負けずw
そうして手にしたチヌ、美しい魚体ですね。
味も格別だったと思います。(よだれが…)
つーさんの釣りに対する姿勢、僕も見習わなければ…
でも幽霊テトラ、かなり自分も惹かれてます。
メバルは何処行ったんでしょうね?
ほんときれいなチヌでした。捌くのがもったいないくらい。
良い海なんでしょうね。お腹の中にはカニやフジツボみたいなものがびっしりつまってました。
妙な事が起きるようなら
「私はあなたのお役にはたてませんよ」
と唱えてみて下さい。どうも効くみたいです。
でも体調崩すのはまずいですね。気をつけて下さいね。
あ、テトラにもw
いやあんまり見習わないで下さい。つらいだけです。
さくっとポイントに立ってさくっと釣るような釣り師を目指して下さいw
幽霊テトラ、最近は人に会う事が多くなってマイポイントとは言えない場所になってきました。
新たなポイントを開拓する事。これが今の目標です。
変なものがそこにいない事を祈りますw