ご無沙汰しております。
暑いですね。夏ですし。当たり前ですけどw
夏はつーはオフシーズン。ちまちまと小アジアジングなどしております。南蛮漬けが美味い。
と言う事であまり書く事もなく(フロートリグについて書きたいんですがなかなか難航中...)BREADEN TIMES/2014/11/13号より転載で更新させて頂きます。
いつもながら長いですけれども、クーラーの良く効いたお部屋などでどうぞ。 なにせ寒い時期に書きましたのでw
一部加筆修正させて頂いています(ここの原稿はいつもデッドラインぎりぎりで要請がきますので、掲載後「あーしまった!」ってのがいつもあるんですw)。
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「メバリングに大切な事を2つ」
BREADEN TIMESをご覧の皆様、こんにちわ。BREADENフィールドスタッフ"Tsuu"こと津田です。
すっかり寒くなりましたね。晩秋を過ぎて、もう冬の入り口と言ってもいいかもしれません。
となってくるといよいよメバルですよね。僕もわくわくしています。
地上の人間は寒い寒いと縮こまる季節ですけれども、海の中のメバルにとってはまさに今からが適水温。北風に乗ってそろそろシャローに差してきますよ。
今回はそんなシーズンを前に、メバリングのために僕がとても大切だと思っている事を2つお話しいたします。
いくらか想像も入っているかもしれませんが、長い時間を掛けてGRF-TRを通して分かった事。ほぼ正しいと思っています。
【その1】 一定スピードのリトリーブについて
一定スピードのリトリーブの重要性については以前にもここで書かせて頂きました(2013.04.13.vol18)。
ただその中ではなぜそれが効くのか、最後まで書きませんでしたね。「考えてみて下さい」と終わっていたはずです。
なぜ書かなかったのか。以下のようにすごく長くなるからです(笑)。
お読みになられた方、考えて頂けましたでしょうか?お!ありがとうございます。はい。そう。簡単ですよね。
メバルが一定スピードで移動するベイトを好む理由は、それがベイトの「油断」を意味するからです。
補食対象が「逃げるベイト」つまり小魚系であった場合、メバルはそのレンジの下、ベイトにとって死角になる位置にサスペンドします。
そこは何かの物陰であったり、明暗の境界であったり、流れる潮とその周囲との境界であったりします。一言で言えば隠れてるつもりなわけです。
その頭上を通過するベイトがずっと変わらず一定スピードで泳いでいた場合、メバルはそのベイトが自分に気付いていないと考えるんですね。
メバルはそれに極端に萌えるんです。一気のダッシュで下から突き上げて補食するわけです。
逆に頭上を通過するベイトがその遊泳速度を不意に変えた場合、あっ!気付かれた!と判断して補食対象から外してしまうんです。
メバルはシーバスや青物のようにベイトを追いかけ回して食べる事をしません(ベイトが極端に多い場合には例外がありますが)。
とにかく効率的に補食する事を選びます。その理由は、これも以前に書かせて頂きましたが、無駄な体力の消耗やカロリーの消費をとても嫌うからです。
この事はプリスポ末期の抱卵個体に顕著な傾向がありますが、それ以外の時期にも言える事ですね。メバルの習性なんです。
無駄な事はしたくない。効率的に補食したい。
実はこの事は、一定スピードのリトリーブのお話だけではなく、実はメバルを釣るほぼ全てのメソッドの中に隠れている事なんです。
例えばフォーリング。水深のある場所の中層あたりにメバルがサスペンドしている場合、あるいは上層と下層で潮の流れが違う場合に機能するメソッドですね。
フォーリングですからリトリーブはしません。しかしこれも紛れもなく「リトリーブ」なんです。
フォーリングとは引力を使った縦方向の、あるいは縦斜め方向のリトリーブだと考えて下さい。
その速度を一定にするためには何をしなければいけないか。そう。「何もしない」ことですね。
フォーリングの途中ではロッドを立てたまま動かしてはいけないんです。
そしてその速度。横方向のリトリーブであればリーリングでそれを調整しますが、フォーリングの場合はウェイトで調整する事になります。
考えてみて下さい。スローリトリーブが効くメバルです。あまり重いジグヘッドではフォール速度が速くなり過ぎて食ってきません。
魚の活性や使うライン、釣れるレンジにもよりますが、メバルが好む速度のフォーリングをするためには、1g程度のジグヘッドが最適だと思います。
(そんなの飛ばないよと思うかもしれません。その場合にはジグヘッドの30cm上に同じ1gのシンカーを打って下さい。いわゆるスプリットですね。
リグ全体のウェイトは2gになり飛距離が伸びますがフォール速度は1g単体とほぼ同等のままです。これがこのリグの利点であり意味です。
さらにもっと距離が必要、あるいはポイントが深くてなかなか沈まない。そんな場合にはもっと重いシンカーを打つと思います。
それをキャロと呼びます。その場合のフォール速度は重い方のシンカーに準じます。)
レオンさんやサミーさんが13バイブを使ったリフト&フォールの釣りでもよくおっしゃっていますね。リフトしたら、そのままロッドを動かさずにフォールさせるんだよと。
それも同じ意味なんです。一定速度で落としなさいと言う事。不自然な動きをすればメバルはそれを逃げられてしまうベイトだと判断して補食対象から外してしまいます。
メタルマルのしゃくりの後のフォールもそうですね。ロッドをホールドする事。動かさない事。
対象魚が違うのでフォール速度がやや速くても食ってくる、と言うだけです。
そしてもうひとつ、ボトムワインド。
小さなジャークでジグヘッドを左右にせわしなく動かす釣りですので「一定速度」の対極にあるように思われがちなんですが、実は釣れる理由はこれも「一定」なんです。
それは、食って来るのはほとんどの場合ワインド中ではなくてその後のステイだからです。
ワインドの動きによってメバルはそのベイトに注目します。でも食べません。どう見ても逃げられそうだから。
でも魅力的な動きです。おいしそうです。逃げそうだけれども行ったり来たりしてなんだか逃げません。段々それを食べたい気持ちが高まってきます。
でもワインド中は食べない。もぞもぞしながら見ているだけです(仔メバルは果敢にアタックしてきますが)。
しかしその後、そのおいしそうなベイトがステイしたとしたらどうでしょう。
メバルは目の前で見ている訳です。それにもかかわらずステイする。あ!気付かれてないんだ!そう考えて補食対象に変わるんです。
そっと忍び寄ってツッと吸い込みます。ステイ。止まっている事。それこそ「一定」の極致ですよね。
さて。ちょっと待ってよ!と。声が聞こえます。ミノーのリアクションで釣った事あるよと。
そうですね。僕もあります。確かにミノートゥイッチの連続にメバルがリアクションバイトする事はあります。
これはどう考えても「一定」ではないですね。メバルが嫌う「逃げ去る」動作です。なのに釣れる。なぜか?
実は、これで釣るにはとても大切な条件がひとつあるんです。
それはメバルの「目の前」でやらなくてはいけないと言う事。感覚的には10cm以内です。
通常メバルは補食対象に対して50~80cm程度の間合いをとります。そしてその距離ではリアクションバイトは成立しないんです。
連続トゥイッチで移動していくミノーは、その距離感では完全に逃げられるベイトだと判断されるんですね。そんなもの追いません。
しかしさすがに目の前10cmなら食ってきます。逃げる動作をしていたとしても「行ける!食える!」と判断するんです。
あるいは逆に、低い活性に火をつける効果もあるのかもしれません。そうであるならば、狙ってリアクションで釣るためには何が必要か?
はい。メバルの居場所を正確に把握している必要がありますね。
あの明暗の境界。あの崩れテトラの影。あの張り出した岩の先端。それも10cmの精度で。
その認識は主に経験によって導きだされる事です。このタイミングであれば必ずあそこにいる、と言うような。
しかしそうではなくて、単にリアクションでメバルが釣れた場合。残念ながらそれはたまたまなんです。たまたまメバルの目の前を通った。
「釣った」ではなく「釣れた」なんですね。メバリングを極めようとする皆様であればそれに喜んではいけないんです。
そしてこのリアクションのお話も、実は本質的に言えば「一定」の例外ではないんです。
目の前のものならなんであれ「無駄な体力を使わずに補食できる対象」であると言うことですね。要は無駄な事をしたくないと言う習性の反映なんです。
メバルってとても横着なんですよ。良く言えば「効率」が補食行動の最上位にあるんだと思います。そういうふうにできているんです。
【その2】流れへの同調について
潮が流れるところって良く釣れますよね。釣れない時に「今日は潮が流れなくて」とか言い訳したりします。
確かに止まっていた水が流れはじめていきなりメバルの活性が上がる経験はどなたにもおありだと思います。
じゃあなんで、潮が流れると釣れるんでしょうか?深く考えた事ってありますか?
一般的には、潮が流れると溶存酸素が増えるからだとか、ベイトが流れてくるからだとか、反転流が生まれて浮遊系のベイトが凝縮されるからだとかいろいろ言われますよね。
なるほど。それはそれでどれも間違いではないと思います。でもあるひとつの重要な事がまだその上位、と言うか根本にあるんです。
それはメバルの習性により根ざしている事。僕はそれこそが流れがメバルに対して釣果を生む根本だと思っています。
これを意識するとしないとでは圧倒的に釣果が変わりますよ。ほぼ同じ立ち位置で、同じリグで、同じ場所を撃っているとなりのアイツに大きな差を付ける事ができるんです。
ある日明るい時間帯に釣りをしていました。深い磯で足下に色んなベイトが泳いでいます。潮は止まっていてベイトはてんでバラバラに泳いでるんですね。
なんと言うか、自由に、のんびりと、緊張感もなく。
そしてそのうち潮が流れてきました。すると、てんでバラバラに泳いでいたベイトが潮上に向かってぴたっと同じ方向を向いたんです。これを正の走流性と呼びます。
これですね、流れが釣果を生む理由。ベイトの向く方向と言う事です。潮が流れるとそれが揃うんですね。
揃うとどうなるか?ここで【その1】のお話に繋ってきます。そう。死角ですね。ベイトに死角が生まれるんです。
バラバラの方向を向いているベイトの群れには死角がありません。一定のレンジも持ちません。あやふやなんです。そういうベイトをメバルは狙わないんです。
逃げられやすいから。隠れようがないから。読めないから。
無駄な事を極力したくない習性を持つメバルは、ベイトに対してひとつの方向にのみ注意を向ければ良い状況を今か今かと待っているんです。
なので潮が流れると一気に活性が上がるわけです。
であれば、どういう釣りをしなければならないか?ルアーを潮に同調させてやるんですね。でも「同調」って単に潮に乗せて流す、と言う事ではないんです。
その上で、ルアーの頭の方向を潮上に向けてやる操作が必須だと言う事ですね。
テンションを抜いてルアーを潮に流せば、その姿勢は着水時のままそのまま流れていきます。どうしてやるか。テンションを掛けてやるんですね。
でも掛け過ぎてはいけません。現場で遭遇するのはほとんどの場合立ち位置から見て横に流れる潮です。
その中でテンションを掛けすぎると今度はルアーがこっちを向いてしまいます。潮を横切る方向ですね。
メバルが想定している方向ではないんです。ジグヘッドでもハードルアーでも、特に「単体」で潮上に頭を向けてやるのはなかなか難しいんです。
なぜか?方向を決める支点が、潮の流れから直角方向に位置するロッドのティップにあるからですね。
ところがminimaru50と言うルアーはこれを勝手にやってくれるルアーなんです。全体を構成している要素が明確な比重のメリハリを持っているからなんですね。
軽くテンションを掛けてやればアウトシンカーが「もうひとつの支点」になって軽い素材のボディーの方向を流れの方向に同調させてくれるんです。まるで風見鶏みたいにね。
比重が一様でウェイトが分散したプラスチック製のルアーではなかなかこれができないんです。軽いテンションだけでは姿勢もベイトライクな水平になってくれません。
minimaruは常に水平姿勢を保ってくれます。
他には風を使う方法があります。潮の流れと風向きが逆であったり、あるいは追い風である場合。
その風をラインに孕ませる事でも潮上方向からテンションを掛けてやる事が可能になります。
そしてもうひとつ。フロートリグですね。
フロートに適当にテンションを掛けてやりさえすれば、そこが支点になってその下に流れるリグが潮と同じ方向を向いてくれます。
フロート部分は別にこっちを向いたって構わないわけですから強めのテンションが掛けられますね。
僕がフロート+minimaru50のリグをよく使うのはそんな理由からです。ものすごい長距離でそういうことができるからです。
さて。潮にもいろいろありますよね。以上の事をふまえた場合、釣りやすい潮ってどんな潮でしょうか?
これはメバリングにおいて「釣果を生みやすい潮」の順番そのものになります。
最もやりやすいのは足下から沖に払い出す潮ですよね。
方向を意識していなくても自然にルアーの頭が潮上を向く訳です。離岸流などもこれですね。最良の潮。非常に良く釣れます。
次に横に流れる潮。釣れたり釣れなかったりあてになりません。
でも大抵これなわけですから攻略する事ができれば釣果に大きな影響を与えますね。意識してやってみて下さい。
最悪なのが...はい。当て潮。釣れませんね。この流れの中でルアーの頭を潮上に向ける事は不可能だからです。
この潮の中では負の走流性を持った不自然なベイトしか演出できない事になります。
どれも同じ水の流れなのに釣果に差が出るのは、アングラーの立ち位置と潮の方向の関係性なんですね。
ですので、可能であれば、立ち位置を変えて自ら釣りやすい方向にする事も攻略法のひとつになります。
まぁ、そうでなくても釣れますよ。ある程度は。しかしそのお魚はやはり「釣ったお魚」ではなくて「釣れたお魚」に過ぎないんです。
あなたが求めているのは、どちらでしょうか?
以前、同じフィールドスタッフであるRIDEさんがどこかに書かれているのを読んで心底感心した事があります。
ボトムワインドのお話なんですけれども、ワインドのジグヘッドって大抵先が尖ってますよね。
で、それをワインドの後のステイでボトムに着けた場合。
絶妙なテンションを掛けてやるとその先端を支点にしてジグヘッドが立って、くるっと潮上に頭を向けるんだそうです。で、口を使うと...。
恐ろしいですね。そんな事まで考えさせるメバル。奥が深いです。どこまでやらなければいけないのかと、つくづく思います。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。メバリング。行きたくなったでしょ。楽しい冬メバルシーズンを過ごして下さいね。
当方は梅雨メバルの終了と同時にキジハタにシフトします。津田さんに教えて頂いたこと、ブログの記事からソックリそのままというわけにはいきませんがキジハタにも応用出来ることが分かりました。キジハタって底物なんですがメバル寄りなんじゃないかと・・・
夏、オフシーズンなんて言わないで違う魚種でのブログもあげて下さい。11月の後半にまた越前おじゃまさせて頂きます。よろしくお願いします。m(_ _)m