お久しぶりです。
えーと激渋Rocker!さ~ん!遠くに行ってしまったりしてませんよぉ。
相変わらずその辺うろうろしてるだけですから。ご心配かけてごめんなさいね。
とw
さて。
どうなる事かと思った。
などと、前回の記事と同じ書き出しになってしまう今年の越前海岸。秋アオリ。
9月になったらアオリイカの記事をいくつか書いて~そのまま冬メバルになだれ込んで~
そんな甘い算段だったのですが、しかし。なんなんでしょうね、あれ。
ま~釣れません。
9月新子のdayエギング。
その時期のホームに通いますが、いつもならエギの周囲にわらわらと着いてくるちびっこデビルのような仔アオリが全くいません。
んじゃぁ夜なのかと入った9月某日には20時から開始して朝6時まで、足下で乗った8cmひとつのみ。
波も風もなく、潮流も適当に効いていてベイトだっている。そんな中での前代未聞の貧果。
途中から、これはもうどこまでだめなのか見届けてやろうとM的な釣りをやり切って、迎えた朝日はむしろ清々しくさえありましたね。
であれば致し方あるまい...と、まだいつもなら早いんですが「岩壁」を登り、以後も登り続けますがボウズ逃れがやっと。
とうとうイカの人であるtomくんに泣きつき沖のパラダイスに連れて行ってもらいました。さすがにここならいけるだろうと。
海の状態は悪くありません。でも...。ラインを通して感じる海中の様子になにかいやな雰囲気がありました。森閑...とでも言いましょうか。
そしてすぐにtomくんも同じ事を感じたらしくこうつぶやくんです。
「なんかいやな予感がしますねぇ」
「うん、するするw」
そしてその通り。5時間しゃくって2人それぞれ17cmのヒヨッコをひとつずつと撃沈。ここまで来たと言うのに...。
つ「渋いとかじゃないね。居ないんだこれは。」
ト「そうっしょうねぇ」
おのれに言い聞かせるように、お互いを慰めあうように、そんな事を言い合いましたw
いよいよこれはまずいです。どうなっているのか越前海岸。
秋エギング十数年の歴史の中で、間違いなくワースト1なシーズンでした。
しかしそのころからある傾向が見えて来ました。
一部、釣っている人もいるにはいるんです。そのスタイルはシャロー小場所RunGun。
そして、エキスパートほどホゲちゃってます。そのスタイルは遠いdeepの底でどすん。
間詰め重視の前者。潮流重視の後者。
そう。潮。なにか潮流がおかしいんですよね。ことごとく逆なんです。
それがなぜなのかは分からないんですがとにかく逆潮なんです。いつ行っても。
例えば、「いつもの潮」であれば必ず着く岩陰。
潮が逆であればそこは着き場ではなくなってしまいます。
例えば、明暗のエッジ。
明部から暗部に向かういつもの潮であれば暗部のエッジに定位するイカが、逆であるとそこに定位できません。
「どこを釣れば良いのだ?」
まるで聖帝サウザーに対峙するケンシロウの気分でしたねw
しかし通い続けます。行かなきゃ釣れません。
まぁ岩壁に登り続けましたよ。そのうちいい日も来るだろうと。願いを込めて。
そしてある日。
その日の岩壁の向こうは完全な止り潮。沖に漁り火はなく空には天体もなく、海は凪ぎ切りくっきりとした明暗。
これは...あるいは...。
高い足場から明暗の影を狙って沈めたEGIMARU。弱気の3号。
水中にクサビのように差し込む暗部にそれを差し込み、ひとシャクリ。
それに呼応するようにコツンとイカパンチ。合わせますが乗らず、その動作のまままたひとシャクリ。
入ってますよぉとでも言うような間髪入れぬタイミングでまたコツンとパンチが返り、しかしそれもまた乗りません。
ややラインを出してそのまま沈めて、ショートピッチでぱぱんと2発。そっとラインを張るとわずかな間を持ってみしいぃと重さが乗ってくれました。
エギは20m沖ですが10mdeepほぼ底にあって、さらに足場は3mあるのでラインの角度はかなりバーチカルな感じです。
どうんどうんどうんと、なにか大きな動物の心臓の鼓動の収縮を聞いているようなリフトアップ。
その感触に「ああイカ。これがイカ。充実とはまさにこれの事ぉぉ」とつー汁が滲み出そうになりました。
はぁぁぁ。23cm。
灯りの中にはいくつか、サイズの良いアオリイカが体色を明滅させながら浮いているのが見えました。
これはいけるなと、今期この海で最もイカを釣っているであろうシオゾー君にLINEを入れます。
数は釣っているんですがなかなかサイズが出ない彼と、この場所でいいのが出たら連絡するよと約束していたんです。
「1投目。23出たよ」
「マジっすか!合流してもいいっすか!?」
彼も釣りに出ているらしいんですが、その場所はここから50kmも北なんです。にもかかわらず来るとかw
時々「○○通過しましたー」とLINEが入りますw
おいしいタイミングらしく、アオリイカは次々と乗りました。
シオゾー君が到着するまでの約1時間。なかなかのペースで釣れ続くんです。
ただ...これはあるいは...来た頃には地合い終わりそうな予感...。それも分かりました。
なんて言うか、低調な飲み会の終盤に、なにかで一瞬盛り上がったような活性。そんな気がしました。
そしてそんなのはすぐ消えます。で、その通り。
「つきましたー!」
そんなLINEが入る頃にはすっかり沈黙の海になっちゃってたんです。
「おつかれー。でもなんか地合い終わった感じ...。」
「マジっすか...。」
はい。低調な時間が過ぎます。潮はまたやんわりと逆潮になってきました。
シオゾー君はシャロー小場所RunGunの人なので、このスーパーディープなポイントに戸惑っています。
しかしそのうち、ちらちらと観察しているとなにかその瞬間がわかりました。掴んだ瞬間を。
「とりあえず、しゃくったら、待てばいいんだな。」
そう言う挙動になったんです。シオゾー君。
そう。それ!ディープはそれw
あ、大丈夫だ。そう思った途端シオゾー君は掛けます。
抜き上げる段になって「来ました...」とぼそっと声を上げるのは数釣ってる人の特徴です。
よっこらと高い足場を抜いたのは18cm。そして程なくまた18cm。
あっさり掴んじゃいましたね。その間僕は、地合いに関係のないロリイカ2つか3つでしたから。
シオゾー君は持ってる人です。僕にはそれが分かります。梅雨メバルで尺ふたつはなかなかあり得ません。それをやったんです。
たかが18cmのアオリイカ2つなんですが、それすら貴重なだめなタイミングだったんです。
でも釣る。釣ったんじゃないんです。釣れるんです。勝手に。
何やらダービーに参加していて、心から25cmを求めてここまで50km走って来たんですけれども、多分彼はやりますよ。
彼の良さは、素直さとその先にある反骨心です。聞き入れて、聞き入れて、しかしそれにはまらず自分の釣りをするその態度です。
釣り師に必要なものを持ってます。その上なお「持って」いる。羨ましいです。
頑張ってね。
さて。
そろそろ終盤戦です。本職であるメバルの匂いもしてきました。
その日。なんだか今日は良さそうだな、そんな気がしました。外の空気の匂いが釣れる匂いでした。
りゅうさんからメール。「今日は行かないんすか」。
行きますよ。岩壁登りに行きますよ。しかし仕事が終わらない...。
りゅうさんは先にポイントに入っています。
「いい潮です!」
そんなメールが入りました。りゅうさんはこの場所のメバルの地合いを知っています。
そんな彼が言う良い潮。それは左から右のこの場所の本来の潮です。それが流れている。
メバルとアオリイカは近縁種かと思うくらい釣れる地合いが似ています。
僕がこの時期アオリイカにのめり込むのも、その感覚が近いからなんです。イカが終わって、すぅっとメバルに入って行けるんです。
1時間遅れてポイントin。
りゅうさんは20upを含む良型4つを釣ってそこでやめて、
あとはアジングで時間つぶしなどして僕のアオリイカを残しておいてくれました。優しい人です。
その気持ちに応えるためには、釣らなければなりません。
本気モードに入りました。僕は人と行くとなかなかそうならないんですが、この日は入る事ができました。
潮は今季初の順潮です。しかも幅の細い、狙い所の明確な素晴らしい潮です。
飛距離を越えるような太い潮は絞りようがないのですが、幅10m程度の細い潮はそのエッジが全てストラクチャーだと思って構いません。
これはメバルも同じ事です。
りゅうさんは地合いが終わったと思ってたようですがこれならまだいけると思いました。
狙うのは正面の明暗の影。水面の影ではなくて、クサビ状に差し込んでいる沖の水中の影です。
レンジは5mと読みました。20m沖。潮と灯りの交点。明暗の境界。
そこにエギを届けるためにはこの潮の速さではいくらか計算が必要です。
60°ほど潮上にフルキャスト。時々糸ふけをとりながら20m正面5mレンジにEGIMARUを流し置きに行きます。
ディープのポイントは、如何に立体的に水中を想像できるかに掛かっています。
そしてその想い通りの場所にリグを届ける事。それに尽きます。
何度かしくじって数投目。入ったなと思ったら乗っていました。
18cm程度とサイズはないですが、その場所にいるなら思い通りです。連発します。
そしてその通り。
21cm
僕のイカ持ち写真はこれがはじめてです。どれだけ一人で行っていたんかとw
EGIMARUを3.5号に上げました。弱気は必要のない海でした。
数投後。
イカパンチ2回をお見舞いされても乗らず、乗れや!と、気合いの入ったしゃくりで、ずしりと23cm。
嬉しそうですね。そう言う釣れ方でした。
この大自然が、思い通りに応えてくれる快感。いや、安心感。
多分結局、人間はそれを求めているんだと思います。いつ、どこで、何をしていようとも。
りゅうさんと同じ4杯を釣って釣り座を交換します。
今度は完全な暗部。漏れてくる明かりが水面をぼんやり照らして潮のラインが余計くっきりと見えました。
アップに投げて、正面からが勝負。ややダウンに流れて、エギの頭が潮上を向くタイミングで連発。
21時にりゅうさんは終了。
お疲れ様でした。ありがとうございました。
その後1:00まで。ぱたぱたとした地合いをいくつか重ねて計18杯。
今期としては良い日でした。
でも考えてみれば6時間で20up4つのみの18杯。平均20分で1杯。23cm止まり。
これで良いと感じてしまう2014年のアオリイカ。
その後数回しゃくるもまたしてもことごとく逆潮で、これはなにを意味するのか。
釈然としないままシーズンは終わりました。
そして続く本職のシーズンに、なにか不安が頭をもたげるのでした。
TACKLE DATA
ROD/BREADEN SPECIMEN 85deep
REEL/ DAIWA CERTATE2506H
LINE/VARIVAS Avani Eging MAX POWER0.8号
LEADER/YGK 海藻ハリス3号
EGI/BREADEN EGIMARU3号,3.5号freefall
SNAP/BREADEN SNAP 隣のアイツM
ところで。
今年も出ました「ロックフィッシュ地獄X」。10周年だそうで。おめでとうございます。
今回も出させて頂きました。お題は「梅雨メバルの変遷」
またまた文字数が多すぎて写真が小さいですねw
今回は去年と違って取材日もない自撮り自書きのお気楽パターン。かと思いきや...。
釣れてるならお気楽なんですが、なかなかしんどかった2014梅雨メバルでしたね。
その中で僕が感じた梅雨メバルの着き場の変遷について書かせて頂きました。
翻弄された感が強かった梅雨メバルですが、
最後に、たっつんさん&りゅうさんが企画してくれた「越前世紀末ワンナイトバトル」で出したお魚のおかげで締める事ができたシーズンでした。
ありがとうございました。またやりましょうね!
そして健太郎さん、りゅうさん。わざわざお呼び立てしてのニコパチ写真、本当にありがとうございました。