星空☆Casting

釣れるものはみんな釣りたい。
夜の海で一人
ひたすら同じ事を繰り返す快感。
さあ、ご一緒に。

風の岬

2009-02-25 03:47:58 | メバル
先日。

BARBLESSを訪れカウンターでお話していた時。

バーブレスくんが
「ねえつーさん。ここってやった事ある?」
と、ポイントの空撮写真の本を出してきた。

それはある岬に作られた港の写真だった。

「ああ、ここ?ここはアオリの時期によく行くよ。荒れると一面がサラシになってシーバスもよく釣れる。」

そのポイントは基本的には窪んだ地形が続くその辺り一帯の頂点にあたる岬。
小規模な港の付け根にあたる場所。

テトラが入り、列島のような細長い沖礒が点在し、北からの波の時には南側が大規模なサラシ場となる。
水深がありシャローの藻場もありアオリイカの一級ポイントである。しかしメバルでは入った事はなかった。

「そうだね、ここ。メバルはやった事ないけどきっと釣れるよな。釣れない理由がないよな。」

そうだ。ほんとだ。なんでやってないんだろう。アオリやシーバスに良い場所ならメバルの可能性も高い。

次はここに行ってみるか。新規のポイントを探す僕の頭にその場所がインプットされた。



しかししばらく海は荒れ、仕事のタイミングも悪く数日が経った。
おまけに最近の持病である頭痛に悩まされる。
明日から休み!の仕事最終日。その頭痛は頂点を迎えた。
頭全体がうずき顔まで痛くなってくる。あまりの痛みに目と眉間が自然ときゅ~と収縮し元に戻らない。
ようやく収縮が元に戻った時には目にはじっとりと涙が溢れている。そんな痛みだ。何も考えられない。

仕事を休んでしまう。

なんでもいいからとすがるように風邪薬を飲み(ワインは飲んでませんw)ひたすら眠った。

翌日。十数時間眠り目が覚めると頭痛はなんとか治まっていた。
まだ少し頭の中に「頭痛の根」のようなものは感じるがほぼ通常に戻っている。

「行ってみようか」

2009/2/23/23:00。

僕はそのポイントに立った。久しぶりの釣りだ。

海は荒れていた。1.5~2mのうねりが北から押し寄せる。

沖礒にぶつかりそれを越えてくるうねりが南側に一面のサラシを作る。どう見てもメバルっぽくない。
少しテトラを歩き沖磯から離れサラシが治まる場所に立った。

約30m沖にはくっきりと、蛇行した一本の潮目が見える。

「狙うとすればあそこだな。あそこ以外ないな。」

ポイントの様子が分からず根がかりが恐い。「多い日夜用slim」は避けた。ロストしたくない。
ブルースコードC60を結びフルキャストした。

まず正面を打ち、次に左を打ち、右を打ち、正面と左の間を打ち、正面と右の間を打ちメバルを探す。
どこに投げても潮目にはかかるが反応はない。

「いないのか…」

満潮は1:00。タイミングは悪くないはず。

ワームに替えてみる。山から吹き下ろす横風が強く3gのジグヘッドにGULPを刺した。
潮目は岸に近づいてきている。蛇行したその一部が岸際のサラシに触れる場所があった。そこを打つ。

PEに風が孕み感度を鈍らせる。明確ではない、なにか微妙な違和感を感じた。半信半疑であわせを入れた。

ごごごごご!

おっし来た!メバルだ。大きくもないが小さくもない。良く走る。






アフターで激痩せ。オスか?25cm。

荒れた日はピンポイントである。それがそこなのか?同じ場所を打つ。

「…」!?

また違和感。すかさず合わせた。

ドン!。

乗る。走り回る。







アフター27cm。これはメスだ。


確信。ピンポイント発見。うひひ。そこなのだな。うひひひひ。たたみかける。


また違和感。コツンと来ない。今日のあたりはみんなこれだ。引ったくるように合わせる。

ドシン!。

!!!。重い。もごもごとうごめくような引き。これは走らない。でかい!?





なんという腹だ。スーパープリ。太り過ぎていて体長が読めない。27?いや28?
写真を撮っていると肛門からぽたぽたと何かが落ちた。ん?うわっ!!




お母さん!!お母さん!!出産中ですよ!!あかんてそんな時にごはん食べたら!

お腹やひれに付着した稚魚。見える?さすがメバルの子だ。目しか見えない。体はどれだ。
まず目から出来上がるのである。生物にとって目とはそれほどまでに重要なのか。

28となればやすやメバルダービーの入れ換えサイズだがこんな状態で測ってなんていられない。
すかさずリリース。良い子を産んでね~。



次っ!たたみかける。

違和感。合わせる。

ゴン!





24プリ。プリとアフターが入り交じる。おそらく水中は出産ラッシュだ。


たたみかける。

ひたすら違和感のみ。明確なあたりがでない。風のせいか?そんな食い方なのか?

合わせる。

ドン!





24アフター、あるいはオス。


たたみかける。

また違和感。ビシッ!






24アフター。


ここで風が強風となる。この辺りは常に山からの風が吹く。ここは風の岬だ。

風に煽られるように潮目が岸から離れた。あたりが遠のく。
この群れはサラシについていたのか、潮目についていたのか疑問に思っていたのだが分かった。潮目だ。

急速に離れ行く潮目。風に煽られてジグヘッドが届かない。

待ってー。行かないでー。

ルアーを「多い日夜用slim(グリーンホロレッドヘッド改め)X'masホロ」に替える。

離れ行く潮目の、サラシに接していた「部分」を狙う。フルキャスト。
こいつはウッドの固定重心にも関わらず40mの飛距離が出る。

カツーン!

ようやく明確なあたり。しかし小さいか?






22オス?

それならこれだとまたルアーチェンジ。新作だ。






「多い日夜用slimゴールドバックパールレッドフックスープレックスホールド~!!!」

はぁはぁ。

…興奮し過ぎた。

スープレックスホールドは余計だ。


しかしなんて品のある白。このとろりとした白には見覚えがある。なんだっけ。あ!そうだ。あれだ。

えーと、いきなり改名します。

「多い日夜用slim金彩白磁」うんうんぴったりだ。


またさらに遠くなった潮目にフルキャスト。なんとか届く。
潮目ならどこでも良いのではない。さっきサラシと接していた部分。そこのみだ。

ゴゴン!!

強いあたりを感じた。しかしあわせを入れてリールを少し巻いたところで外してしまう。大きめ。26か。


そこで潮目はまた更に沖に離れた。メタルジグを投入する、が、もう何も起こらなかった。



終わった。



冷たい強風に吹き続けられ、頭痛がまたその根を大きくし始めていた。

「今日はこれまでにしようか。」

「いや、朝まづめが…。いや、しかし。」

車中で葛藤していると眠気が襲ってきた。十数時間寝たのに。やはり何かおかしいのだ。

「とりあえず寝よっと。」

車中泊…。


チヌ釣りの夢を見た。夢の中で僕はこませ団子を練っていた。そっちかいw


…目覚めた。


あらら。



朝まづめは終わっていたの。


TACKLE DATA
ROD/Glamour Rock Fish TR83deep
REEL/EXIST2004
LINE/Daiwa Emeraldas SENSOR 0.5号+7lbフロロ

Moon DATA

コメント (17)    この記事についてブログを書く
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17 コメント

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あそこはやっぱり・・・ (バーブレス)
2009-02-25 11:30:49
正直言うと「ここ入れるのかな?つーさんに聞いてみよかな~。いや、こっそり一人で偵察してこ」と あの日つーさんの顔を見るまではそう思ってました。
言うんじゃなかった・・・w

しかし卵が出ちゃったのは何度も見たけど、仔魚が出てるの初めて見た!
良い写真ありがとう!


頭痛はたぶん憑いてるんだと思う。
あそこから持って帰ってきちゃてるんだよ。
除霊が必要ですね。
そして、幽霊テトラは封印しましょう。


“金彩白磁”シブいネーミング。
気に入った!
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⇒バーブレスさん (つー)
2009-02-25 13:52:31
あらら。ごめんなさい。先やっちゃいました。
でもこれで確信を持って入れるでしょう?
もっと凪ぎの日に沖磯に近い場所でやってみると良いかも。でも沖礒沿い、丁度多い日夜用の飛距離のところに広大な沈み根があるから注意。エギを何本もやられている。しかしその周辺はメバルのポイントのはず。でかいのもいる可能性を感じる。残りの期間はここに掛けるかな。

頭痛ね。いや今シーズンが始まる前からだから幽霊テトラは関係ないと思う。あそこ封印したらつらい。メバルダービー終わったら本各的にチヌ狙いしようと考えている。

「金彩白磁」良いよ。超お気に入り。
お世話になりっぱなしなのでこれでダービー獲ったら賞品はあなたのものです。
でも尺釣る必要があるな。
純粋に運次第だな。
もうちょいあがきます。
返信する
Unknown (とも)
2009-02-25 22:49:19
わぁぁあ~すごい!出産してる。
初めてみた!
すごい。ほんと目しか見えない。
キラキラしてる。

でも...そんな時でも食べようとしてしまうのは本能でしょうか。
女子だからでしょうか。。


「多い日夜用slimゴールドバックパールレッドフックスープレックスホールド」長い・・・。
「金彩白磁」ほんとそんな感じ。
美しい白だね。
次々新しいのが出てくるね。そそられる。

魚たちはどんなルアーだと、つい食いついちゃうんだろう。。
やっぱり美しいのに惹かれちゃうんだろうか。

(魚じゃないけど)イカは赤っぽいエギの方が釣れたような。
クリスマスホロも頭が赤い。
生き物は赤に反応しやすいのかなぁ。どうなんだろう?


頭痛。
大丈夫??
私もよくそういう症状になります。
さらに目を開けていることが苦痛になり酷くなるとリンパが腫れ、吐気もして寝込む事になります。
ひたすら寝ると幾分ましになります。
きっと、目の疲れからきているんではないでしょうか?
あまり無理せずゆっくり休んでください。


あ、もしかして...海が荒れていて仕事のタイミングも合わなくてなかなか釣りに行けないのが原因だったりして。。

釣り行きたいのに行けない病。
返信する
Unknown (みずの)
2009-02-25 23:43:15
メバルとの再会、待ってました。

「多い日夜用slimゴールドバックパールレッドフックスープレックスホールド~~~」(打つのも大変)・・・ドラえもん風に読んでみました。のびたくん。
「金彩白磁」がぴったりです。
写真からでも美しさが伝わるね。


ちょっとずれるけど、稚魚の目で思い出しました。

この間TVで『アオリイカの目は集団でコミュニケーションをとっていくために非常に発達しており、自己の認識も出来る』とかなんとか言っていた・・・。蛸とは違う、とも。そんなん比較対照にするのなんか違うんでない?と思ったけど、目、、、かぁ。

生きてるイカを捌くとき、若干心苦しくなる想像が働いてしまうではないか。

メバルも愛らしい目をしているし、目を合わせるとどきどきする感じはあるなぁ。
でも、食べちゃうんだなぁ。
それも、積極的に。
嗚呼、アクアパッツァ!



お母さん。
無事に出産できただろうか。
安産祈願。
そのうちの誰かが小学5年生になった頃、釣り師との駆け引きの末にまた頂かせてもらうことになるんでしょうかね。
いのちは巡りますね。


頭痛。
心配です。
なんの足しにもなりませんが、
頭痛回復祈願の念をこのあたりに乗せておきます。

かえって痛くなったらごめんなさい。



返信する
(どうでもいい)追伸 (みずの)
2009-02-26 00:02:51
どこまでも無関係ですが、

タイトル『風の岬』

演歌っぽくて好きです。
映画でもいけそうです。

以上。
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つーさん (ごろすけ)
2009-02-26 18:50:04
新しいポイントだな。いい感じだ。

こちらも24日、新しいところ探してみたが、からぶり。話にならん。
新月で灯りなく、真っ暗だったから仕方ないなと思ったのだが、そちらはどうだ?真っ暗の中での釣りだったのだろうか?
もしそうなら、そこはよほど釣れるところか、或いは小生の考えを変えんといかんな。


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⇒ともちゃん (つー)
2009-02-27 14:26:16
ほんとどれだけ目を凝らしてみても目しか見えないんだ。
目玉子供だ。
多分出産中なんじゃなくてもうちょっとッてタイミングだったんだと思う。釣られてしまってびっくり出産してしまったんだと思う。こういうタイミングの魚はえさを食わないんだと思っていた。でも食っちゃうんだね。

赤はルアーでは重要な色だ。小魚を後ろから追いかけてる時に、逃げる小魚のえらが開いて赤が見える。だから赤に反応するんだという説がある。人間も赤に興奮する。闘牛のひらひらも牛じゃなくて人間を興奮させる為だそうだ。牛は色盲だから。
なんにせよ生物にとって赤というのは血の色なんだ。血を見て興奮するように出来ているみたい。

頭痛。おそらくPCのせいだと思う。会社でPCにらみつけていると痛くなってくるから。その通り、目が疲れるんだねきっと。ともちゃんも気をつけてね。
返信する
⇒みずの (つー)
2009-02-27 14:35:19
ようやく再会出来たよ。でももっとサイズが欲しい。どこにいるんだろう、でかいの。
アオリイカも目が良いね。20mぐらい離れたところからエギにめがけてすっ飛んできたりする。自己を認識するのか。僕より進んでいるなw。生物界で最も大きな目は深海に住むダイオウイカだ。直径40cmだって。そんなのさばけないなきっと。初冬に釣れるタルイカというやつの目も恐ろしい。バーブレスくんのブログをたどって行くとやばい写真があるよ。恨んでいる。見てみてね。

メバル。元気な子を産んでずっとこの釣りが続けられると良いな。今シーズンはほとんどリリースしているよ。
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⇒みずの (つー)
2009-02-27 14:38:14
風の岬。
釣りは演歌だ。夜中に一人波しぶきを浴びて寒さに耐えているのはどう考えてもロックじゃない。
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⇒ごろすけさん (つー)
2009-02-27 14:51:22
この場所は江崎さんも釣りした事あります。アオリイカで夕方入りました。mixiの「江崎さんの個展記念大宴会」の日記に釣りをする江崎さんの写真があったはず。
基本的に明かりはありません。しかし真の暗闇でもなくて数百メートル離れたところの街灯の明かりはあります。それで何となくぼんやり潮目が見えたりするわけです。明かりはメバルにとって重要な要素ではありますが絶対ではありません。当然真っ暗なところにも魚はいてえさを食っているはずです。越前海岸は街灯が多くて純粋に真っ暗なところって少ないんです。幽霊テトラは真っ暗ですが数キロ先の街の明かりはあり何となく海面が見えるし。本当に真っ暗なところは釣りをする以前に恐くて集中力が続きません。吐き気がするくらい恐いんです。それにどこに投げているのかも分からない。それはやっぱり釣れる気がしませんね。
能登は街灯も少なくて真っ暗なところ多そうですね。昼間に下見してポイントを十分に把握してからやってみる必要があると思います。暗闇でもポイントさえ良ければ釣れますよ。
それと思うんですが、月夜は明るいポイントにはあまり効かない気がします。暗闇のポイントでは月明かりは有効ですね。
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