今日から2学期。といってもまだ授業はなくて、履修登録の日だけどね。こんな天気だから、はやく済ませて帰ろうと思って昼前には学校に着いた。
皆同じようなことを考えたみたいで、教室に入ると結構知った顔に出会ったんだけど、中に真理子女史もいた。なんだかすごく久しぶりな気がする。彼女とは専攻も同じなので、どの授業をとるのかなと思って近くにいくと、
「イバラノ君て今日誕生日だったっけ」と言われた。
ああ、そうだった。夕べまでちゃんと覚えていたのに、朝になったらすっかり忘れちゃったよ。そう、今日は僕の誕生日なんだ。
でも覚えてくれているとは思わなかったなあといったら、だっていつも大体登録の日じゃん、と冷静に返された。
でも彼女の言葉で周りの子にまでおめでとうを言ってもらえて、しかも誰かが「じゃあこれあげるよー」と飴をひとつくれた。と思ったらなんだか次々とお菓子が集まってきて、こういう表現もどうかと思うけど「貴婦人にほどこしを受けているかわいそうな子」みたいな図になってしまった。
それにしても、女の子っていつも何故かお菓子を持ち歩いているよね。というわけで今日はやけに豪華なお茶菓子つきでこの文章を書いているんだけど、誕生日としてはいいのか悪いのか、ちょっと判断がつきかねているんだ。