役所 信太のひとりごと。。。(カウントダウン365×4→0)

旅先で感じたことや報道など私的に思うこと

映画の日で2本鑑賞

2011年06月21日 22時18分12秒 | Weblog
今日は映画を2本鑑賞しました。

プリンセストヨトミ と

星守る犬。

前評判が良かったので
星守る犬は楽しみにしていました。

鑑賞後・・・

何か複雑な思いでいっぱいになったというのが
正直な感想でした。

星守る犬

物語は
病気で北海道のキャンプ場の奥の雑草の生い茂る中
年配者と犬の死体が発見されたところから始まる。

主人公は
名前も無く
おじさんとかお父さんとか言われるだけの
60歳前のロートル。

その主人公の生きた軌跡を追い掛ける市役所の職員を
玉山氏が好演。
彼は「かふうを待ちわびて」で
私的アカデミーショーを受賞したくらいの役者さんで
私の好きな俳優さんの一人です。
彼にはこういう役が似合います。

この物語は
犬が最後まで飼い主の元を離れなかったことが
感動をよんでいるようですが
私には
感動のポイントが少し違うような感じがしました。

この作品は
決して感動を呼ぶ作品では無く
風刺作品に私の眼には映ったのでした。
だから複雑に思ったのでした。

何故風刺なのかというと・・・

主人公のおじさんは
鉄工所の作業員で
妻と娘の3人家族という設定。

最初はうまくいっていたが
景気が悪くなり
だんだん工場が経営に行きずまり
ある日おじさんは解雇されてしまう・・・

その後もなかなか再就職できず
妻が働きだし
おじさんの仕事は犬の散歩になってしまう。

月日は流れ
娘も中学生になり
夜遊びをするようになってしまう。
母親は夜遊びをする娘を叱るが
一向に聞こうとしない・・・
業を煮やして
父親として叱るように
おじさんに詰め寄るがおじさんは
「娘と母親、女同士仲良くやってくれよ」とさじを投げてしまう。
その頃から妻の不信感は募り始め・・・
また月日は流れ
おじさんは、依然再就職できない。
なのに山ほどの年賀状を前に
今年こそ心機一転がんばりますと書いている・・・
そんな時妻から離婚を迫られる。
「これ以上あなたを養う気になれない」

犬とおじさんは車で旅に出る。
北に向かい・・・
そんな旅先のある場所で
コンビニで万引きをする子供に出会う。
親から虐待を受けて
食事も与えてもらえなかった彼を
不憫に思い車で話をする。
彼を助けた気になっていたおじさんは
少々浮かれながら
ひと晩車に泊めてあげる。
しかし、朝起きてみると
財布の中は空っぽで
現金をすべて盗まれたのだった。
「お金なんて言えばやったよ。
 悲しいのは、子供なのに
 大人に頼ることができないことだよ。
 繋がりとか優しさとか
 この世の中どうかしてるよ」
そう言って悲しんでいたのでした。
しかし
私はおかしく思いました。
小学生くらいに見えた子供を
勝手にひと晩泊めることはおかしくないのでしょうか。
世の中の繋がりとか言う前に
自分の家族すら繋げられない人が
世間のことを偉そうに言えるのでしょうか。
甚だ疑問でした。
最後には
北海道のあるキャンプ場で
ゴミ箱をあさり
乞食生活を送るのですが
持病が悪化し死んでしまうのでした。

そんなおじさんの死体の傍らに
最後まで一緒に居た犬も死体となって発見されたことが契機で
市役所の市営葬や無縁仏等を扱う部署の職員
玉山氏がその犬のことが気になり
生きた痕跡を辿って行くのでした。

この物語が玉山氏側から見て取れる物語は
それなりに感動する物語です。
しかし
このおじさんは因果応報と言うべきか
自分の家族との関わり合いから逃げてしまったが故に
家族に見捨てられ
生きがいだったなずの仕事からも見捨てられ
結局は何も残らなかったという
今の団塊の世代のおっさんの様子を
風刺し表しているようで・・・
大義と言って主義は主張するけど
足元を見れば砂上の楼閣・・・
家族には嫌われ行く場所も無い・・・
最後は仕事仲間からも
仕事を離れれば
何も残っていなかったことに気付かされ・・・。
孤独な老人になって更に嫌われている現状となる・・・。
最後は孤独死のみ。
やっぱり風刺にしか見えなかった・・・。

。。。。