Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

今年も松尾峡へ

2018-06-11 23:07:30 | つぶやき

 

 今年も辰野町松尾峡のホタルを訪れた。今年は桜も早かったように、何にしても例年より早いのが自然の法則。したがってホタルも早くに飛翔を始め、ピークは例年より1週間から10日ほど早いという。この土曜日からホタル祭りだと言うが、その前にピークを迎えそうだとも。ということですでにピークになりつつある松尾峡を仕事の仲間たちと訪れた。日没から数時間が飛翔時間と言われ、日没に合わせて公園内に入る。ところがなかなか灯りが乏しい。今年は「少ないのか」そう思わせるわけだが、さすがにホタル水路の整備された公園内に入り込むと、それなりに飛翔数はあがる。とはいうものの、昨年の写真と比較するとわかるように、やはり少ない感じだ。もちろん昨年はそういう日に訪れ、今年はちょっと条件が悪かったといえるかもしれない。ということで、数値的に捉えてみる。辰野町のホームページに発生数の一覧がある。グラフは平成22年から今年までのものを示してみた(縦軸は発生数、横軸は日付)。今年が赤い太線。黒の太線が昨年である。昨年訪れたのが6月15日だから、18615匹と昨年のほぼピーク時だった。今年この日の発生数は6115匹だというから、3分の1程度。数値的に見ても少なかったということになる。今年の発生数に近似しているのが黄緑の太線で表した平成28年である。

 

 

 さて、飛翔数が少ないこともあったのだろう、昨年並みの写真にならないため、スローシャッターにすると、目立ってしまうのがホタルではない光。より少なさを印象付けてしまうのは、そうした周囲の灯かりだ。とりわけ南の空を眺めれば辰野の街の明るさが浮かび上がるが、何といっても高速道路にある辰野パーキングの灯かりが目立って明るい。

 昨年はそれほど思わなかったが、こうした灯りが障害になっているようにも思うが、それも致しがたいということになる。の季節だけ何とかならないものか、とはよそ者の考えではあるが、そういう環境にあることは事実。飛翔数が少ないほど、この周囲の灯かりは目障りに感じる。

 ところで、確かに乱舞する光景は目を奪うものではあるが、わたしにとってのホタルのイメージは、子どものころ家の周囲で飛んでいたホタルのこと。その数は乱舞などとはとても言えな。点滅しながら移動しているその光景は、かすかなものであり、か弱いものであった。もちろんたくさん飛翔する空間が昔からあったのだろうが、わたしの家の周囲では、数えるくらのホタルが闇に点滅する程度であった。静寂の空間と表現した方が良いだろうか。だからこそ、それはそのまま火の魂に模されるわけである。ところが今はその空間にも灯りは点滅しなくなった。

 松尾峡のある空間から抜け出ると、もうホタルの灯かりは全く見えなくなる。ホタルの飛翔範囲はかなり狭いということなのか。あれほど大量に飛翔していても、結局一部の空間から抜け出ると、そこは別世界なのである。


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