Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

円筒分水熱中人

2009-06-27 22:35:13 | ひとから学ぶ
 今日のBS2の熱中時間には金山さんという円筒分水熱中人が登場した。ふだん気にしている番組でもないのに、放送時間前に認識していたのにはわけがある。先日西天竜土地改良区に岐阜県の曽代用水土地改良区の人たちが視察にやってきた。その視察の場にわけあって同席した。それまでまったく知らなかったのだが、曽代用水にも円筒分水工があったという。しばらく前にそれは無くなり、今は電動で分水する施設に変更されたと言うが、それまであった円筒分水工はずいぶん大きなものだったようだ。金山さんの説明に従えば、全面溢流式というもので、円筒の上を越流して落ちるもの。円周の比率によって分水するのである。曽代土地改良区にとっては自ら水利区域に円筒分水工があったということで、この円筒分水工に興味があったのだろう、西天流土地改良区を訪れたのである。その席に同席するということで、少し円筒分水を検索していたら、ご本人のページに熱中時間に登場するとあって番組を知った。グッドタイミングというか偶然のような話である。

 西天流の円筒分水工については今までにも水利のことも含めると何回か触れてきている。ちょうど以前にも触れた円筒分水工を見ていただいたが、きっと曽代用水のものよりはずいぶん小型のものだろう。分水している水量そのものが少ないから当然施設も小さくなるということになる。

 さて、世の中にはいろいろな熱中人がいる。金山さんの円筒分水熱中歴は5年というから、それほど長いものではない。しかし熱中する人たちは毎週のようにこうした施設を回っているのだろう。その蓄積は長くはなくても一気に増えていく。見事なものである。わたしが気になった熱中人に触れたのはこれで二人目である。しばらく前に盛んにここでもとりあげた廃村の熱中人であるHEYANEKOさんに次ぐ金山さんである。けっこうわたしの関係している分野にそんな人たちがいると、ずいぶん身近に感じるものだ。番組では高森町の竜西土地改良区の管理している円筒分水工を訪ねるところを取材していた。金山さんは分水工を撮るだけではなく、そこから下流まで水路を追うのも趣味のようだ。そして七つ道具なんだろうが脚立を取り出してそこに上って写真を撮影していた。実は円筒分水工を撮影するには脚立は必需品なのである。全容を高い位置から撮影するには、地上に立ったままだとなかなか表現できない。とくに西天流もそうだが、分水工の周囲にフェンスが廻らせてあるとどうしても邪魔になってしまう。だから脚立が欲しくなるのである。

 西天流の円筒分水工は紹介されなかったが、ここに三つほど紹介しておこう。


■1号乙分水工
 辰野町羽北保育園の脇にあるもので、見た目はけっこう新しく見える。昭和初期に造られたというものが多いが、円筒の蓋に飾りがないだけに近年補習されたもののよう。円筒の直径は3.4メートル。


■7号分水工
 中箕輪の藤森さんというお宅の南側にあるもの。円筒の天端が額縁風に飾ってある。これは昭和初期のもの。ずいぶん痛んでいてそう遠くないうちに改修されるかもしれない。円筒の直径は4.5メートル。


■30号分水工
 南箕輪村の北沢さんというお宅の北側にあるもの。扇形であって円筒という名前からすると少しばかりイメージが異なるが、けっこうこういう形のものも多い。二重三重に側水路が連続していてその筋の人には好みかもしれない。

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2 コメント

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Unknown (かっぱぁ)
2009-06-28 06:40:18
 はじめまして、かっぱぁと申します、円筒分水という単語に
ひかれて、やってきました、興味深いお話に、楽しく拝見させて
いただきました。
 西天流はその量ゆえに認められているのにかかわらず、また
紹介がなされていない、奇妙な施設に感じます。
 いけばいくらでもみれるのでしょうが、残念です。
 こちらは、膨大な過去記事が収められているようですので、
ゆっくりと拝見させていただきます。
 …では。
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ありがとうございました (trx_45)
2009-06-28 20:23:15
ozavskiwebでもかっぱぁさんの情報があって、お名前は認識しておりました。ごらんいただきありがとうございました。
返信する

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