
実家は里山のすぐそばだ。子供の頃、夏になると、虫は取り放題だった。カブトムシ、クワガタ、コガネムシ、カミキリムシ・・・。また、庭には空木(うつぎ)の花がたくさん植わっていたので、各種のアゲハチョウも乱舞していたものである。
当時保育社の昆虫図鑑を読みあさっていたので、ほとんどムシきちがいであった。夏休み、ムシ仲間にはムシ仲間が集まり、ガキ大将ならぬ、ムシ大将として、この世の春ならぬ、この世の夏を謳歌していた。
そんな多感でナイーブな、小学校4年のその夏。事件は起きた。
みんみんとせみの鳴き声で声が聞き取れないようなその日、仲間を引き連れ、網や虫かごを手に手に、いつものように山に入った。が!
ない。…。ムシがいないのだ。正確にいうと、ムシが群がるクヌギの木が一本残らず根元から切り取られていたのだ。誰かが切ったのだろう。誰の仕業だ。犯人は誰だ。わしらの夢、虫たちの集うクヌギの木を。だれやねん?
ともかく、その日を最後にムシ仲間は解散した。どうしても、ムシが見たいときはデパートに行くしかなくなったのだ。(後編に続く)
当時保育社の昆虫図鑑を読みあさっていたので、ほとんどムシきちがいであった。夏休み、ムシ仲間にはムシ仲間が集まり、ガキ大将ならぬ、ムシ大将として、この世の春ならぬ、この世の夏を謳歌していた。
そんな多感でナイーブな、小学校4年のその夏。事件は起きた。
みんみんとせみの鳴き声で声が聞き取れないようなその日、仲間を引き連れ、網や虫かごを手に手に、いつものように山に入った。が!
ない。…。ムシがいないのだ。正確にいうと、ムシが群がるクヌギの木が一本残らず根元から切り取られていたのだ。誰かが切ったのだろう。誰の仕業だ。犯人は誰だ。わしらの夢、虫たちの集うクヌギの木を。だれやねん?
ともかく、その日を最後にムシ仲間は解散した。どうしても、ムシが見たいときはデパートに行くしかなくなったのだ。(後編に続く)
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