育ったところがひどかった。ものすごい田舎。田舎といっても、山奥ではないのだ。市内の外れで、田舎ではないが、周りに店がない。店が一番近くて1キロくらい離れている。1キロだと根性がいる。バイクでまとめ買いするレベルなのだ。
まとめ買いしなければならないのに、母親がおおざっぱなので、欲しいものがなかなか手に入らない。困ったのが電池。電池が手に入らない。次買うから次買うからといわれて、何か月も手に入らない。蛍光灯や電球もなかなか手に入らない。夜になると真っ暗である。本も読めない。もちろん文句言うと怒鳴りつけられる。地獄である。
また不便なところで、電波も入らない。山の際にあるので電波が入らないのだ。ラジオなどもほとんど聴けなかった。ちなみにトイレは汲み取り式。交通手段はバスなのだが、やがてバスも来なくなった。自家用車もなかったから、町にも行けない。なんでこんなところに住んでいるのか。
元凶は祖母で、究極のケチで、長男に相手されていなかったので、次男の父に何くれとなく介入し、家もよそで建てさせなかったのだ。家は家で親戚が設計し、檀家の大工が建てたのだが、とても人が住めるような造りでない。トイレと洗濯機が隣り合わせにある。むちゃくちゃ。
ちなみに檀家の大工は鉄筋の二階建て。他人に建ててもらったやつだ。我が家は平屋建て。大工が二階建てを立てる能力がなかったためだ。究極の馬鹿者である。