PowerGun ブログ別館

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小説とは、一体何を書くものなのか。

2005-05-19 19:13:45 | 小説、創作文芸関連
 ちょっと、ライトノベル作法研究所さんで、この事を勘違いしている人を多数見かけたので、その点について、少しだけ語ってみたいと思います。
 とりあえず、以下の文を読んでみてください。

「小説は世界設定がしっかりしていないと、底の浅い小説になってしまう」

 これについて「そうだ」と思った方は、残念ながら、「小説とは何か」を勘違いしていると、断言していいと思います。
 じゃあTriple-Iさんよ、おまえは小説というものは何だって言うんだい? 小説は一番何が大切なんだ? という人に、小説とは何か、小説には何が一番大事なのかを、二つ一遍に語ってみたいと思います。

 小説とは物語のことであり、物語で一番大事なのは、メッセージ性(テーマ性)である。だから、メッセージ性こそが小説に一番大切なものである。

 これが、僕の創作理念です。
 メッセージ性を届けるのに一番重要視されるのが、ストーリー(物語)です。
 これが理解できていないと、しっかりした小説を書くことは出来ません。
 逆に言うなら、世界観などいくら練ったところで、ストーリーとメッセージがしっかりしたものでないと、小説としては三流作品です。まして「世界観をしっかり練ったから底の深い小説」などといわれると、勘違いも甚だしいと感じます。

 誤解を承知で敢えて極論すれば、世界観など小説を読んでいる読者にとっては、どうでもいい事です。作中に語られていることに矛盾さえなければ、読者は読んでくれます。
 読者は「秀逸な設定」なんか、求めていません。
 読者が一番望んでいるのは「秀逸な物語」です。
 これを、しっかりと頭に刻み込んでください。

 ――BYE BYE JAPAN / VANESSAを聴きながら――