PowerGun ブログ別館

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プロレスがつまらなくなった理由

2005-05-09 18:45:19 | スポーツ・格闘技
 今日はかなりの長文ですが、まあ、あまり身になる内容では無いんで、軽く読み流す程度にしておいてくださいね。

 僕は小学生~中学生の頃、非常にプロレスが好きでした。
 今でも活躍している選手で言うと、例えば全日本の三沢、川田、小橋とか、新日本の橋本、蝶野、武藤、ライガー、佐々木健介などなど……(注:全て当時の所属)。
 そう言った選手の試合を、週に一回ずつ見るのが、非常に楽しみでした。

 無論、その当時から、プロレスというものがショーだと言う事は、薄ぼんやりとですがわかっていましたし、そう言う事を差し引いても、プロレスが大好きだったのです。

 それが今は、プロレスは殆ど見ません。
 というのも、ある時期から突然、プロレスが全くつまらなくなったからです。
 無論、アメリカのWWEなんか全然駄目です。僕から言わせれば屑同然です。あの変なTVショーを見るだけで、吐き気がするくらいです。
 これは一体、どう言うことなんでしょうか?

 ――昨日深夜(というより今日の未明)、F1を見ていたのですが、CMの間にチャンネルを変えると、プロレス中継がありました。
 多分ジュニアヘビーだと思うのですが、しかし、これがまた詰まらない試合でした。入場でいきなり後ろから殴ったり、あからさまなトペをかましたり、挙句の果てには凶器攻撃と、試合展開もあまりいい試合ではなかったのですが、しかし、この試合を見たことで、僕の中に一つだけひらめくものがありました。
 そう、それは、僕がプロレスを嫌いになった、根源的な理由が、明らかになったという事なのです。

 僕がプロレス嫌いになった本当の理由――
 それは「肉体言語である事を、プロレスが棄てた」からです。
 試合がまともなものでなかった分、その事がはっきりと理解できました。

 プロレスというのは、元々選手二人が肉体を通して、周囲に何かを語りかけるものなのです。
 かつてのプロレスの場合、ヒールでもベビーフェイスでも、マイクパフォーマンスというものは、殆どありませんでした。自ら(と相手)の肉体だけで物語を紡いで行くものであり、そこから例えば凶器攻撃や空中技などのアクロバティックな(非現実的な)技があっても、それを見ることが出来たのです。
 ベビーフェイス対ヒールの勧善懲悪、国粋主義的な日本対世界、思想対思想、そう言ったものを、リングの中「だけ」で体現する事に、僕は惹かれていたのです。
 それが今は、過剰とも取れるマイクパフォーマンスの所為で、まるっきり肉体言語である事を棄て去っています。プロレスは本来、肉体だけで語られるものであり、肉体で綴られる、一番明快な物語であったからです。その事を忘れて、今の若い選手は、延々とマイクパフォーマンスを繰り広げています。
 肉体言語が本質であるはずのプロレスが、肉体言語である事を捨て去れば、それはもうプロレスではありません。何か、別の形態のショーに過ぎないのです。
 
 マジで、プロレス関係者って、こんな事もわからないのかなあ……。
 一度自分が、「どうしてプロレスが好きになったのか」を考えたら、今のプロレス低迷の理由くらい、すぐにわかると思うのに。

 ――CHANGE THE WAY MARIA SHORTを聴きながら――