先日のクラブ納会で話が盛り上り、先輩と二人で蔵王・井戸沢に滑りに行くことになった。先輩は御年84歳の現役スキーヤー。私が47歳であるから二人合わせて131歳、平均65.5歳の残雪スキーと言うわけだ。
井戸沢の残雪は、地元スキーヤーの間では以前から楽しまれてきたエリアである。私が初めて滑ったのが小学生の時であるから、かれこれ40年近く前になる。最後に滑ったのはいつだろう、思い出せない。私にとっては久しぶりの井戸沢となる。
84歳現役スキーヤーの先輩は、以前は毎年のように春スキーに出かけていた。行く先は、八甲田や月山、そして地元井戸沢。最近は年齢のこともあり出かける機会は減ったといが、昨年もこの井戸沢を滑っている。若い頃は、八甲田で猪谷六合雄氏や三浦敬三氏とも一緒になったことがあるという。
朝6時15分、スキー道具を車に積み込み先輩宅のある坊平に向かう。7時に先輩宅のペンションを出発することにした。井戸沢残雪へは有料道路蔵王ハイラインの途中から入ってゆく。料金所が開く前に、そして雪質が硬いうちに滑ろうということで早朝の出発となった。
山形市内は、昨日今日と「東北六魂祭」が開催されていて多くの人が訪れている。昨日は13万人の人出があったという。今日は曇りのち晴れ気温27度の予報。祭りの熱気と相まって暑い一日になりそうだ。しかし向かうエコーラインの山頂は雲に覆われていた。蔵王ハイラインに入ったあたりから霧に包まれ風も出てきた。
「天気が良くないねぇ。」と言いながらも準備を整え残雪に入る。視界10m、生憎の天気である。斜面を確認するように、まずは84歳の先輩が滑りだす。井戸沢には大きく2本の滑走ラインがある。下に向かって左側は斜度が急で僅かではあるが距離も長い。「登り返しがつらいから、最近はこっちを滑るんだ。」と先輩が右側のラインを滑ってゆく。「今日は滑りにくいなぁ。所々、凍ってるよ。」雪面を雨が流れた跡が凍っていた。滑走できる長さは約200m。その間を2~3回に区切り残雪の状況を確認しながら滑り降りてゆく。
「登りはゆっくり行くから、お先にどうぞ。」井戸沢にTバーなどはない。滑り終わったら足で登る。残雪が観光道路の間にあるから、車を使ってピストン輸送もできるが今日は歩く。2本目を滑り終えスタート地点に戻ると、「なんだか頭がくらくらするから、今日は1本でいいや。」と先輩が待っていた。この霧の中では無理もない。私でも霧酔いしそうなくらいだ。そんなにガツガツ滑る必要もなく楽しむ事が大切。長年滑り続けてきた先輩の経験知だ。
クラブ副会長で、現役スキーヤーとしてはクラブ最年長。その姿、そしてそのスキーに対する情熱はクラブ員みんなの憧れである。霧の中、二人で残雪に腰を下ろししばし休憩。以前クラブの恒例行事だった月山春スキーの思い出話を聞くのも楽しい。
その後、依然として霧が晴れない中を、私は3本ほど滑り久しぶりの井戸沢スキーを楽しんだ。晴れていれば宮城県側の景色を一望できるのに。「雪の多い年は7月にも滑ったことがあるよ。」と先輩。今度は晴れた日にまた来てみよう。
霧の中を登ってくる84歳現役スキーヤーの先輩
滑走終了点から残雪を見上げる。今度は晴れた日に来てみよう。
井戸沢の残雪は、地元スキーヤーの間では以前から楽しまれてきたエリアである。私が初めて滑ったのが小学生の時であるから、かれこれ40年近く前になる。最後に滑ったのはいつだろう、思い出せない。私にとっては久しぶりの井戸沢となる。
84歳現役スキーヤーの先輩は、以前は毎年のように春スキーに出かけていた。行く先は、八甲田や月山、そして地元井戸沢。最近は年齢のこともあり出かける機会は減ったといが、昨年もこの井戸沢を滑っている。若い頃は、八甲田で猪谷六合雄氏や三浦敬三氏とも一緒になったことがあるという。
朝6時15分、スキー道具を車に積み込み先輩宅のある坊平に向かう。7時に先輩宅のペンションを出発することにした。井戸沢残雪へは有料道路蔵王ハイラインの途中から入ってゆく。料金所が開く前に、そして雪質が硬いうちに滑ろうということで早朝の出発となった。
山形市内は、昨日今日と「東北六魂祭」が開催されていて多くの人が訪れている。昨日は13万人の人出があったという。今日は曇りのち晴れ気温27度の予報。祭りの熱気と相まって暑い一日になりそうだ。しかし向かうエコーラインの山頂は雲に覆われていた。蔵王ハイラインに入ったあたりから霧に包まれ風も出てきた。
「天気が良くないねぇ。」と言いながらも準備を整え残雪に入る。視界10m、生憎の天気である。斜面を確認するように、まずは84歳の先輩が滑りだす。井戸沢には大きく2本の滑走ラインがある。下に向かって左側は斜度が急で僅かではあるが距離も長い。「登り返しがつらいから、最近はこっちを滑るんだ。」と先輩が右側のラインを滑ってゆく。「今日は滑りにくいなぁ。所々、凍ってるよ。」雪面を雨が流れた跡が凍っていた。滑走できる長さは約200m。その間を2~3回に区切り残雪の状況を確認しながら滑り降りてゆく。
「登りはゆっくり行くから、お先にどうぞ。」井戸沢にTバーなどはない。滑り終わったら足で登る。残雪が観光道路の間にあるから、車を使ってピストン輸送もできるが今日は歩く。2本目を滑り終えスタート地点に戻ると、「なんだか頭がくらくらするから、今日は1本でいいや。」と先輩が待っていた。この霧の中では無理もない。私でも霧酔いしそうなくらいだ。そんなにガツガツ滑る必要もなく楽しむ事が大切。長年滑り続けてきた先輩の経験知だ。
クラブ副会長で、現役スキーヤーとしてはクラブ最年長。その姿、そしてそのスキーに対する情熱はクラブ員みんなの憧れである。霧の中、二人で残雪に腰を下ろししばし休憩。以前クラブの恒例行事だった月山春スキーの思い出話を聞くのも楽しい。
その後、依然として霧が晴れない中を、私は3本ほど滑り久しぶりの井戸沢スキーを楽しんだ。晴れていれば宮城県側の景色を一望できるのに。「雪の多い年は7月にも滑ったことがあるよ。」と先輩。今度は晴れた日にまた来てみよう。
霧の中を登ってくる84歳現役スキーヤーの先輩
滑走終了点から残雪を見上げる。今度は晴れた日に来てみよう。
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