平倉山荘 -- BLOG --

 蔵王を歩く・滑る。日々を記す。空想上の山小屋~たいらぐらさんそう~

クマ・熊・さる

2015-04-22 | 山・やま・Mt.
蔵王山の火山活動がやや活発になっているとして御釜周辺に火口周辺警報が発令されて9日目の今日、蔵王ラインから中丸山中腹まで歩いてきた。

火口周辺警報により、馬の背カルデラから1.2km周囲、そして御釜からは西に約2km、東に約3kmの周辺への立ち入りが規制された。冬期間閉鎖からの開通を間近に控えていた蔵王エコーラインもその一部が規制区域にかかり除雪作業ができなくなっている。

立ち入り規制が解錠されるには地震活動が約1ヶ月のあいだ沈静化することが必要というから、しばらくは時間がかかりそうである。

私がいつも山歩きをする中丸山コースも一部が規制区域に入っている。南蔵王縦走路にゆくにもエコーラインの刈田峠登山口が規制区域内であるから、こちらからの入山もできない。



中丸山コースはどのあたりから入山が規制されているのかというと、中丸山山頂を越えトドマツ帯を登り尾根南側の道を進んだ後の月見が原のあたりからとなる。ライザスキー場や蔵王ラインから中丸山山頂までゆくのは大丈夫なのである。それならば、今日は天気もいいし蔵王ラインから中丸山山頂目指して行ってみようという事で、今年の山歩きシーズンの歩き初めに行ってきた。

家で朝食を済ませてから山行き車ジムニーに火を入れ出発。蔵王ラインイベントパーク入り口に車を止め、9時18分に歩き始める。足元はスパイク長靴。登山口となる元の料金所跡には4WD車が1台停車してある。登山ルート上の残雪にも長靴らしき足跡があるから先行者がいるようだ。足跡は二人連れのもの。大きくはないそのサイズから女性二人組とも想像できる。もしくは猟友会の熊調査の人たちだろう。

しばらく登ってゆくと、油坂を過ぎた900m付近の分岐点で先行者に追いついた。猟友会の人たちであった。熊の生息調査で登ってきていると言う。背中にはライフルをタスキ掛けしている。山の話をしながら一緒に登って行き、猟友会の人たちはモトヤマへの道へ、そして私は尾根を辿って中丸山山頂方面へと別れる。



尾根道は967m地点あたりから急な斜面となるが、この時期は残雪が消え始めた地形に古い登山道らしき跡が現れることがある。今回、この地点から尾根南側を進む道跡らしきものが現れていた。足元の小枝が人の手によって刈り払われた形跡が続いているから間違いなく登山道の跡だ。はっきりとわかる道跡は約100m近く続いていた。道跡の左脇に石を抱えた樹が生えていた。石も樹も大きくはないが目立つ存在である。



足を止めて現在地を確認する。南には仙人沢を挟んで「たいらぐら」と「ウッディ・ロッジ」が見える。ちょうど同じ標高のようだ。地形図で大まかな現在地を確認し、足元の刈り払いの痕跡を辿って先に進む。道跡は徐々に残雪に隠されその後確認することはできなくなった。

そこから、進路を北にとり中丸山の尾根筋のルートに戻る。尾根筋のルートは見慣れた風景が山頂に向かって続いていた。頭上のブナの樹に熊棚がないか注意しながら登ってゆく。残雪はまだたっぷりあり歩きやすい。1245m地点で御神木のような樹木に手を合わせ先を進む。今日の折り返し点を正午・「メデューサぶな」と決め残雪のブナ林を登ってゆく。



折り返し地点の「メデューサぶな」を探しながら歩いていると、枝が朽ち落ちたブナの樹が目に入った。枝ぶりが「メデューサぶな」に似ているので「もしや?!目じるしのブナが朽ち始めたか??」とそのブナを注視しながら登っていたその時である、そのブナの奥で黒い物体が動いた。まん丸い黒い物体は樹からすり降ち、こちらにお尻を向けてのっそのっそと斜面を駆け登ってゆく。「熊だ!!」。私に気づいて蔵王沢の方へ走り去っていく後ろ姿である。「こっちに向かってこなくてよかった。」と安心しながら熊の後ろ姿を眺める。残雪期の中丸山で熊を見かけたのはこれで2回目である。

話を「メデューサぶな」に戻そう。さきほどのブナは結局は「メデューサぶな」ではなかった。目じるしとしているだけあって愛着がある。朽ち果ててしまっては悲しい。何度も歩いている山だからこそそんな気持ちにもなる。

目じるしのブナはもう少し上の方にあるようだ。その方向が先ほどの熊が逃げ去った方向と被っているのでどうしようかためらったが、とりあえずは目的点としたブナまで登ろう。走り去った熊に聞こえるかどうかわからないが威嚇の声を発しながら登ってゆく。トドマツが現れる標高まで登ってきたがはっきりとその目じるしのブナ「メデューサ」がわからない。「これかなぁ?」という樹に目星をつけ近づいてみたが確信が持てない。時刻は正午、熊の引き返しも気になる。辺りをじっくり探しまわるのはやめさっさとブナ林を後に下山をはじめる。



下りは早い。尾根筋ルートを寄り道なくどんどん下ってゆく。途中、ブナの樹に「さるのこしかけ」が4個もついていた。根本には2個転がっている。持ち帰ろうかどうしようか?まぁ、大した価値はないからこのままにして下ることにした。



標高1000mを過ぎると残雪はなくなり急な笹薮を967m地点を目指して下ってゆく。下りでも先ほどの古い登山道の道跡に出会した。

標高1350m付近の折り返し地点から車までちょうど1時間、13時にイベントパークの入り口に到着。猟友会の人たちの車がもう一台増えて停車してある。まだ戻っていないことから生息調査の最中なのだろう。先ほどの熊はどうしているだろうか。

今回は、「クマ調査」の人に出会い、久しぶりに「熊」を目撃し、そして下り途中で「さるのこしかけ」を見かけた。「クマ」・「熊」・「さる」との出会いの山歩きとなった。火山活動がやや活発化している蔵王山ではあるが「山」はいたって静かだった。ただ、時々上空からヘリコプターのエンジン音が聞こえてきた。立ち入り制限区域を見廻っているのだろう。今年はヘリコプターに注意されないよう、歩く区域に気をつけて安全第一で蔵王の山歩きを楽しもう。
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転倒

2015-04-15 | 山・やま・Mt.
これまで山歩きをしていて転倒したことは何度もある。

そのほとんどがぬかるんだ下り坂でのスリップ。しりもちをつくのでズボンのお尻が泥で汚れる。それが嫌で庇おうとして手をつくと、手のひらを擦りむいたり肩を軽く痛める。そんなことが何度かあった。

しかし前方への転倒となると2回だけである。一度は晩秋の蔵王熊野岳山頂で、そしてもう一度は昨秋の朝日連峰古寺鉱泉への下り道で。どちらも共通していることはなだらかな下り坂での出来事であった。ほとんど平地と言ってもいいくらいの傾斜での転倒。

そしてその2回ともにケガをしたのである。熊野岳では口元を岩に打ち付けて出血。そして朝日では庇おうとしてついた右手の薬指を強烈に木の根っこに打ち付けた。骨折をしたのではないかと思うくらいに痛かった。病院には行かずに湿布薬だけで治ったから突き指だったのだろうが、しばらくは腫れと痛みが続いた。

転倒の原因はどちらも「躓き」。蔵王の時はスパイク長靴のつま先のスパイクが石に引っかった。朝日でははっきりしないのだが、どうやら登山靴の靴紐が反対側の靴のフックに引っかかったようだ。

記憶にある転倒の中で前方への転倒はこの2回だけ。そしてその2回ともケガをした。100%の確率である。

「傾斜の緩い下り坂での気の緩みによる前方への転倒。」これが私にとっての山歩きの注意ポイントである。

今年も山歩きのシーズンが始まる。絶対にケガをしないように歩こう。
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おみやげ

2015-04-05 | 山・やま・Mt.
スキー仲間がヨーロッパに滑りに行ってきました。その土産に頂戴しました。

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スキーシーズンも終わり山歩きシーズンへ。

2015-04-05 | 山・やま・Mt.
所属しているスキースクールも、3月31日をもって今シーズンのレッスンを終了しました。

今日5日はシーズン中に利用させていただいた詰所の清掃と、夜には納会が開かれます。いつも感じることですが、スキーシーズンって終わってしまうと早いものですね。シーズン中にスキースクールをご利用いただいたスキーヤーの皆様ありがとうございました。そしてスタッフの皆さんお疲れ様でした。

そして私は、これから山歩きシーズンへと入ってゆきます。(^^♪
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