夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

ジャパン・レクイエム:Requiem Japonica(31)

2005-09-10 | tale
 その翌日、金曜日は待ちに待った美人姉妹との会食である。ただ今回ばかりは、欽二はともかく、宇八は醒めていた。新幹線の窓から風景を見ているうちに思いついた、いくつかの工夫をすることも決めていた。  出かけようとする時に欽二から電話が入った。 「どうした、下痢か?」 「古いことを言うなよ。おれじゃない、百合さんが遅れるって話だ」 「ふうん、そうか。まあ、いいじゃないか」 「いや、まあいいんだが。… . . . 本文を読む

今日聴いた音楽~チャイコフスキー交響曲第4番その他

2005-09-08 | music
○ベートーヴェン交響曲全集:朝比奈隆指揮、大阪フィル  7枚組みの、第5や第7も単独で1枚に収録した贅沢なものですが、演奏ははっきり言っていただけませんね。ベートーヴェンのシンフォニーって、ドライヴ感って言うか、紀貫之じゃないですが、天地を動かすような力動感がなきゃダメでしょう。そういう意味では、特に最初の1、2、4、8辺りのリズムがなんかずれてるような気色悪さがあって、そういうのは朝比奈の指揮 . . . 本文を読む

ジャパン・レクイエム:Requiem Japonica(30)

2005-09-06 | tale
 欽二の「重荷」を受け取って、なぜか宇八の方もすっきりして、これまで書いた分を捨て、『オフェルトリウム』を一から書き直し、男声2人、女声2人の四重唱として改めて書き始めた。最初の3行を男声2人で、次の3行を女声2人で歌い、残り4行は2行ずつ、バスとソプラノ、テノールとアルトでそれぞれ分担するという形で作曲した。  出来上がったものをルーカス神父に見せたのは10月の半ばだった。神父はざっと見ただけ . . . 本文を読む

私のバッハ体験~ヴェーベルン編曲「6声のリチェルカーレ」

2005-09-05 | music
 シェーンベルク(1874-1951)を師とするいわゆる新ウィーン楽派は、バッハから大きな影響を受けています。シェーンベルクはその著作でしばしばバッハに言及し、前奏曲とフーガ変ホ長調BWV552を始めとして多くの編曲を行っています。ベルク(1885-1935)は20世紀のヴァイオリン協奏曲の代表作と言える最後の作品の終末部において、カンタータ「おお永遠、いかずちの言葉」BWV60のコラールから“ . . . 本文を読む

ジャパン・レクイエム:Requiem Japonica(29)

2005-09-03 | tale
 それから3週間ほど経った4月半ば頃、仲林から羽部に心配そうな電話がかかってきた。 「おい、時木さんからカネ振り込まれたか?」 「いや」 「あれからもうかなり経つよな。催促しようかな」  宇八は返事しない。 「……あの晩さ、おれ、店の権利書渡しちゃっててさ。おまえは?」 「会社の登記簿だ」 「じゃあ、お互い大変じゃないか。もし……もしもだよ、カネは来ない、権利書は返って来ないってなことになった . . . 本文を読む

堕天使キャバクラバトン

2005-09-02 | diary
 ttkttさんから新手のバトンをいただきまして、しめしめブックバトンに引き続いて、またネタが助かるって思ったんですが、第1問が「現在、恋人または好きな人いますか?」。あうっ、そんなの妻子持ちに訊いちゃダメですよw。危険すぎます、ってもう危険な答えを言ってますが。……それで、高尚なブログと勘違いしていただいてるようでもあるし、この際ばっくれちゃおっかなって思ったんですが、まあ、結婚する前に訊かれ . . . 本文を読む

今日聴いた音楽~サンサーンス「ピアノ協奏曲第4番」その他

2005-09-01 | music
 このシリーズは1曲かCD1枚にだいたい絞って書いてきたんですが、実際には通勤の行き帰りに2枚分くらいはヘッドフォンステレオで聴いていますから、触れられない曲が多いですし、じゃあどれを書くのかって考えると変に構えちゃって、感動した曲を更に調べたりしなきゃいけないなって思って(あくまで思うだけですがw)、ますます気が重くなります。  それじゃあ“intermezzo”としている意味もないので、これ . . . 本文を読む