夜ブラを考える

　好評（どこが？ｗ）の「～を考える」シリーズです。最初にネットのトピックスで、夜用ブラジャーって見たときには「はてな？」と思いました。あんなうっとうしいもの（着けたことないけど）を夜寝るときに着けるなんて、意味ないじゃないか？それとも今夜のサッカーのように勝負をかけるときの秘密兵器か？って思いました。ところがいろんなのがある中でびっくりしたのが、着けて寝るだけで、あーら不思議！バストが質、量ともに改善されるというナイスなものでした。

　で、全く純粋に科学的な興味からこの商品のサイトをよく見てみました。すると極めて理路整然とメカニズムが解説されていました。すなわち、
①　成長ホルモンと乳腺発達促進ホルモンの働きが最も活発になる睡眠中、
②　夜ブラの中の銅繊維とアルミ箔から発生する特殊な微弱電流が、一晩中胸部に働きかけ、
③　自然なバストの成長を促進させます。
ということです。わかりました？わかんない人は信心が足りませんね。……私もですがｗ。順番に科学的な検討を加えていきましょう。①はまあ、そういうホルモンがあって、寝てる時に分泌されるということにしておきます。

　②がいちばん問題で、この夜ブラの中には銅繊維とアルミが中に入っていて、それで0.8～0.9ボルトの微弱電流が流れるっていうんですが、理科の実験に出てくるヴォルタ電池と同じ原理だとすると、食塩水とかレモン果汁とかの電解液が必要です。ぬれてないブラだとこれだけの電圧が得られるかちょっと疑問ですし、そんなぬれたブラは（着けたことないけど）気色悪いでしょう。何よりヴォルタ電池の原理だと、すぐにアルミがぼろぼろになりますよ。なんもなしで電気が発生するわけないじゃん。まあ、そんな手の込んだことしないで、ボタン電池を使えばいいんですけどね。２個ほど適当な場所ｗに組み込んで。

　③の「自然なバストの成長を促進させます」って不思議な日本語はおくとしても、微弱電流がホルモンの分泌を促進して、バストが成長するなんて全然わかんないです。ホルモンの分泌って脳が司っていると思うんですが、なぜ局所刺激がホルモンの分泌を促すことになるのか説明がありません。もちろん胸を刺激されて大きくなっちゃったという話はあるようで、それ自体を否定しているわけではありません。でも、「胸を刺激されちゃった」という情報が脳にインプットされているかどうかで違うはずです。もちろん起きてても気づかないような電気刺激が刺激と言えるのかは大いに疑問です。さらに、①が正しいとしても、肝心の脳が睡眠状態のときに刺激を受けたとしても効果があるような気はしませんね。……起きてる時の刺激と寝てる時の刺激によるバストの成長についての比較実験をしてみたいというご要望があれば科学的探究心の旺盛な私としては、いつでも応じたいですね。これがホントの臨床試験なんちてｗ。

　さて、この商品を見てて、思い出したのが昔のマンガ雑誌にいっぱい載っていた「睡眠学習機」でした。論理構造は夜ブラと同じで、
①　睡眠時は脳が記憶を整理し、溜め込む時間なので、
②　そのときに枕に組み込んだテープを聴くと、
③　どんどん暗記できて、成績アップ！
といったものでした。私の場合、家におカネがないせいで、こんなすばらしい機械を買うことができずに受験で散々苦労しました。たぶん成績がいい連中はひそかにこれを入手し、寝てばっかりいたに違いありません。自然な成績のアップが促進できなかったのはとても残念ですｗ。