夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

菊池伶司が呼び起こすもの

2014-12-11 | art
つい最近知り合いから菊池伶司を教えてもらった。1946年に生まれて1968年に22歳で亡くなったそうだ。



「Alligator Message」(1968 銅版画 42x37cm、第36回版画協会新人賞受賞)見た瞬間、「あ、こりゃすごいや」と思った。スマホの画面でモノクロのエッチングでも、ただならぬものを感じた。ワニと言うよりプランクトンの顕微鏡写真のように見える。もっと拡大して仔細に見たいのにぼやけるのが残念だ。



「Finger Sample」(1968 銅版画36x38cm、第36回版画協会新人賞受賞)確かに指が中心的なモチーフだが、アートを見る側にとっては、何が描かれているかよりどんなイメージを呼び起こすかの方がずっと重要だ。ジオットデューラーを見ればそれは明らかだろう。



「Writing-Lecture」(1968 銅版画 42x45cm、第12回シェル美術賞展三等入選)尿毒症で亡くなったことからおそらく慢性腎不全だったのだろう。びっしりと書き込まれた文字はカルテだと言われるが、それを読み取ることはできない。グラフとレーダーのような円形は全体の非合理と生理をかえって強調している。そんなことから、ぼくには図鑑の1ページのように思える。文字や科学では解析できない幻想の図鑑の。



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