初・お尻に注射

花粉症がひどくてね、
ティッシュなんて、あっという間にゴミ箱から溢れちゃう。
目から涙も、ガシガシ溢れちゃう。

辛いよー辛いよー、って泣いてたらね、
お母さんが紹介してくれた内科。

藁にもすがる想いで行ってみたら、まず腕まくりされて、
細い針みたいなもので、引っかき傷を作るのね。

で、そこに、アレルギーテスト用の液体を垂らすわけよ。

んー、１２種類あったかなぁ。

１５分くらい、液体を皮膚に乗せて放置してると、
どんどんアレルギー反応が出てくるわけ。

おいら、『スギ』『ハウスダスト』『ヨモギ』の三点に反応が出ちゃって。
もう、真っ赤に腕が腫れちゃったわけよ。

そしたら先生がね、「注射しましょう」って言い出したから、さぁビックリ。
「注射と薬を併用して、改善しましょう」ってね。

ほら、おいら、注射苦手じゃん？
虫歯は麻酔なしで治療してもらうしさ。
採血の時は、ベッドに横たわって、いつ失神しても良いように、準備するわけじゃん？

「はぁ～、嫌だなぁ」って、腕まくりしてたら、
「はい、ズボンをちょっとね、下ろして、うつぶせになってね」って看護婦さん。

「ん？」って思って、「ん？」って顔してたら、
「お尻にね、打つからね」って。


わお。
デビューですよ。
お尻に注射。


まぁ、お尻っていうよりは、腰に近かったけど、
「ちくっ」って終わって、良かった良かった。

これで、一ヶ月は、症状が緩和されるらしいからね。
現代医薬ってば、凄いわね。


ところで、腕ですが、先生が透明のジェルを塗ったら、
あっという間に腫れも治まりまして。

これまた、現代医学の凄さを実感しちゃったね。


待合室には、溢れんばかりの患者さん。
半分以上が花粉症っぽかったけど。

ここまで被害が多いなら、国民病と名づけて、休ませて欲しいわ。
お役所さん、頼みますで。
これじゃ仕事にならんっちゅー。