朝日新聞によると、餃子の王将が給与の未払い問題で4人の取締役が降格し、
取締役と監査役の報酬を減らすことを決めたようです。
※
餃子の王将、取締役4人降格 賃金未払い問題などで引責:朝日新聞デジタル 2014年11月12日
餃子の王将のホームページを確認すると、プレス発表も行われておりました。
※
役付取締役の異動ならびに 取締役および監査役の年間報酬額に関するお知らせ(pdf) 11月12日
ここで、疑問に思うのは「監査役の独立性」に関してです。
監査役は、取締役を監査する立場から、会社法上、その権限と独立性に関して守られており、
報酬に関しても、株主総会で決めることになっています。
その点、朝日新聞の報道や餃子の王将のプレス内容を見ると、
「取締役会」が監査役の報酬見直しを決めたようになっています。
本来ならば、監査役として善管注意義務を全うしてないことを
監査役会が自らを律する立場で、監査役会で決議すべき事項と思います。
報道内容やプレス内容に言葉足らずがあったのでしょうか?
もし、記事やプレスの内容そのものなら、餃子の王将の内部統制は怪しいものと思います。
■監査役とは
日本の会社法上、非公開会社(証券市場に上場するなどして株式を公開する会社でなく、譲渡制限などにより株式を非公開にする株式会社)、
かつ非大会社(最終事業年度の貸借対照表上の資本金の額が5億円未満、または負債の総額が200億円未満の株式会社)と
委員会設置会社を除いて、監査役は株式会社の常設機関です。
監査役は株主総会で選任され、取締役の職務の執行を監査することがその役割です。
監査には、業務監査と会計監査とが含まれます。
業務監査は、取締役の職務執行が法令・定款を遵守しているかどうかを監査し、一般に適法性監査と呼ばれています。
法令には善管注意義務も含まれるので、取締役の経営判断についても、善管注意義務違反の有無を監査します。
会計監査は、定時株主総会に計算書類が提出される前に行われ、株主総会の招集通知時に、
会計監査と業務監査の結果として監査役会の監査報告が提供されます。
■監査役の報酬
監査役の報酬は、取締役の報酬と別に、定款または株主総会決議で定められます。
取締役の報酬規定とは異なり、監査役は株主総会において報酬についての意見を述べることが出来ます。
これも監査役の独立性を保障する趣旨によるものです。
・監査役の報酬等(387条)
監査役の報酬等は,定款にその額を定めていないときは,
株主総会の決議によって定めることとされています(第1項)。
ここで,監査役の報酬等とは,監査役の報酬,賞与その他の職務執行の対価として
株式会社から受ける財産上の利益のことをいいます。(361条1項)
監査役が2人以上ある場合において,各監査役の報酬等について
定款の定めまたは株主総会の決議がないときは,当該報酬等は,
前項の報酬等の範囲内において,監査役の協議によって定められます。(387条第2項)