島田荘司「御手洗パロディ・サイト事件(上)(下)」

島田荘司の本を読むのは、
とても久しぶり。

本格の大御所ではあるが、
あまり自分としては相性が良くはない。

占星術とか水晶ピラミッドとか、
めぼしい所は読み尽くしてはきたが、
あまり内容を思い出せないのが現実・・・。

年月が経っても、鮮明に思い出せる本が
相性のいい本だと思うし、
相性のいい作家だと思っている。

たぶん、記憶力の問題ではないはず・・・。

舞台は横浜。
失踪した女子大生が、御手洗のパロディサイトから
何篇かPCにDLしていたことから、
その内容を読み解読して解決を・・・。
てな感じが、大まかなあらすじ。

ま、ちょっと変わった短編集である。

恐らくとしかいえないが、
過去に登場した登場人物が、
結構な数再登場していて、
ファンにはたまらない1冊かもしれない。

中途半端なファンには、
やや物足りないかもしれない。

重厚すぎるぐらい重いのを、
勝手にイメージしていたので、
本格といえば本格かもしれないが・・・。

色々読めて面白かったのは確か。
御手洗の少年時代のお話や、
恐らく事件の後日談的なものまで。
設定は多岐にわたり、
パロディ小説の作家名も、
実在する作家名があったりで、
島田荘司が全部書いたのかどうかも
良く分からない・・・。

なんとなくではあるが、
恐らく数年後に読み返そうとは
思わないであろう。

本棚にも限りがあるので、
残す本と処分（売却)する本に
大まかには分けている。
残したい本が出れば、
本棚から読み返さなくってもいいかって本を、
売却用に廻していく・・・。

この本も、また違う誰かに読まれることを願って・・・。