以下に国保値上げ案に対する反対討論を掲載します。
天桜会の江副でございます。ただいま議題となっております議
案甲第13号鳥栖市国民健康保険条例の一部を改正する条例
案に対する訂正案について反対討論をさせていただきます。
先程委員長報告にありましたように、総務常任委員会では9月
本会議閉会後の継続審査において、また大阪府阪南市におけ
る先進地視察において国民健康保険財政の健全化に向けた
審査及び議論を重ねて参りました。
その経過につきましては委員長報告と重複しますので、私が
重要と考えるポイントのみ述べさせていただきます。
まず、これは原案について当委員会で私が最初にご指摘した
ことですが、今回提出された訂正案についても今もなお同じ問
題を抱えています。それは、国保の広域化のために26年度末
に黒字化を目指すという大前提のために、この訂正案に至って
も歳入歳出の数字を机上で数合わせしたに過ぎないのではな
いかという事です。訂正案に至るまでに何度も参考資料として
シミュレーションの数字が示されましたが、国保の広域化という
時の政府の一政策、政権交代を含めた政治的な不安定要因も
加味して26年度末にこだわらず緩やかに財政健全化の道を歩
む場合の議論も委員会ではありましたが結局無視された形と
なりました。すべての案が26年度で黒字化という前提条件の
枠内に収められていますが、本当にそうしたコンセンサスがど
の時点で誰によって得られたのか甚だ疑問です。
国保の広域化に参加するのかしないのか、参加するとしてど
の時点で参加するのかはもっと慎重な議論があってしかるべ
きと私は考えます。
次に、歳入不足を補うためとして、国保税の収納率の向上を
過度に期待した訂正案となっていることが大変大きな問題を
抱えています。
鳥栖市の国保税収納率は平成21年度で89.76%、平成
22年度で91.28%でありますが、委員会では県内で同じ
市として抜けて高い佐賀市の例を参考として95%という数字
が参考資料のベースとして定着してしまいました。佐賀市は
収納率が相対的に高い町村を合併したところで成り立ってい
ます。果たして可能な目標なのでしょうか。
9月議会に入る前に、総務常任委員会では財政勉強会を行
いました。そして収納率の問題も執行部から説明を受けまし
た。その時は最近の収納率向上の取り組みに対して高い評
価を以って聞いていたように思います。そして、滞納者の状
況、例えば、国保の滞納者が市民税や他の未納分を抱えて
いるケースなど執行部からお聞きしたところです。
収納率は100%が目標というのが理想でしょうが、一旦
89.76%に落ち込んだ収納率を現場でよく頑張った結果が
平成22年度で91.28%ではないのでしょうか。また、平成
17年度に税率を改定した際は収納率が0.72%減少したと
の事です。
そういうことを踏まえて95%は可能な数字なのですかと執行
部にお尋ねすると難しい数字ですというお答えでした。では
現実的な目標として掲げるべき数字で歳入を示してください
とお願いするとそれは出来ない、95%との不足分は医療費
の適正化という歳出削減で何とかやりますとこことでした。
歳入予算と歳出予算の混同があります。松隈議員の議案
審議で質問されたが答弁が無かった、100万円以上のセグ
メントの数字も総務常任委員会では答弁していただきました。
重ねて95%の収納率がセグメント分析に基づく重点世帯の
積み上げによるものかという質問に対する答弁はすみ上げ
による丁寧な数字ではないという返答です。
しかし、95%の歳入目標に合わせて人員体制の整備や経
費予算が組まれるわけであります。問題であります。
国保の広域化のために26年度末に黒字化を目指すという
前提条件を机上で仕上げるために、このように収納率の目
標を現実離れして高くしている懸念があるのではないかと思
います。
この収納率で走り始めた時に起きる厳しい収納活動、それ
に耐えられずに増えるかもしれない生活保護申請、あるいは
国保制度への更なるロイヤィティの低下、そして市政に対す
る反感などが社会問題化しないか憂慮いたします。
最後に、国保財政の健全化に向けた今後の方策あるいは
取り組みとして、委員会で出されたアイデアを取り入れた形
で、多くの総花的な提案がなされています。平成22年度の
一人あたりの医療費は398,037円で全国的に飛び切り
高い数字です。この歳出面を如何に抑えるかが国保財政の
健全化に向けた今後の方策の基本となると私は委員会で
言い続けました。
医療費適正化という課題に対して保険診療という大風呂敷
に患者も医者も安易に頼りすぎていないのかという問題点
を一貫してさせていただきました。出来高払い制という保険
制度故の甘えが医者のも患者にもあるのではないかという
ことです。持続可能な保険制度になるよう厳しい警鐘を鳴ら
し続けなければなりません。しかし、これも含めて国保財政
の健全化に向けた今後の方策あるいは取り組みの実際の
計画に対する当委員会でのチェックはまだまだ不十分だと
認識します。訂正案の最終的な数字の拠り所がこの総花的
な提案となっており私としてはまだまだ審議は尽くされてい
ないと考えます。事案の内容からすれば、それは健康福祉
部所管の職務分掌となるのではないでしょうか。健康福祉部
を交えたところの合同審査にまで既に議論が及んでいるので
はないかと思います。
橋本市長のマニフェストの中に昨今の医療費財政の立て直
しの一方策として健康マイレージ制度の提案がありました。
また、委員会の中で、特に高齢者の方が健康で地域の中に
おいて過ごせる居場所づくりが大事だという話にもなりまし
た。本件は市民生活に直結する重要な問題であり、もっと
担当常任委員会の垣根を取り外し、広くして周知を集め、効
果的かつ市民生活に混乱ない慎重な進め方を希望するとこ
ろであります。
本議会に臨むに当たり私が知りうる鳥栖市民の声を確認し
たところいまだ保険料増税に対して理解を得られていないと
感じるところです。
よって、論点を変えた更なる議論が必要であるとの結論に
いたり、訂正案に至っても未だ賛成できないこと申し述べさ
せていただき私の反対討論とさせていただきます。
天桜会の江副でございます。ただいま議題となっております議
案甲第13号鳥栖市国民健康保険条例の一部を改正する条例
案に対する訂正案について反対討論をさせていただきます。
先程委員長報告にありましたように、総務常任委員会では9月
本会議閉会後の継続審査において、また大阪府阪南市におけ
る先進地視察において国民健康保険財政の健全化に向けた
審査及び議論を重ねて参りました。
その経過につきましては委員長報告と重複しますので、私が
重要と考えるポイントのみ述べさせていただきます。
まず、これは原案について当委員会で私が最初にご指摘した
ことですが、今回提出された訂正案についても今もなお同じ問
題を抱えています。それは、国保の広域化のために26年度末
に黒字化を目指すという大前提のために、この訂正案に至って
も歳入歳出の数字を机上で数合わせしたに過ぎないのではな
いかという事です。訂正案に至るまでに何度も参考資料として
シミュレーションの数字が示されましたが、国保の広域化という
時の政府の一政策、政権交代を含めた政治的な不安定要因も
加味して26年度末にこだわらず緩やかに財政健全化の道を歩
む場合の議論も委員会ではありましたが結局無視された形と
なりました。すべての案が26年度で黒字化という前提条件の
枠内に収められていますが、本当にそうしたコンセンサスがど
の時点で誰によって得られたのか甚だ疑問です。
国保の広域化に参加するのかしないのか、参加するとしてど
の時点で参加するのかはもっと慎重な議論があってしかるべ
きと私は考えます。
次に、歳入不足を補うためとして、国保税の収納率の向上を
過度に期待した訂正案となっていることが大変大きな問題を
抱えています。
鳥栖市の国保税収納率は平成21年度で89.76%、平成
22年度で91.28%でありますが、委員会では県内で同じ
市として抜けて高い佐賀市の例を参考として95%という数字
が参考資料のベースとして定着してしまいました。佐賀市は
収納率が相対的に高い町村を合併したところで成り立ってい
ます。果たして可能な目標なのでしょうか。
9月議会に入る前に、総務常任委員会では財政勉強会を行
いました。そして収納率の問題も執行部から説明を受けまし
た。その時は最近の収納率向上の取り組みに対して高い評
価を以って聞いていたように思います。そして、滞納者の状
況、例えば、国保の滞納者が市民税や他の未納分を抱えて
いるケースなど執行部からお聞きしたところです。
収納率は100%が目標というのが理想でしょうが、一旦
89.76%に落ち込んだ収納率を現場でよく頑張った結果が
平成22年度で91.28%ではないのでしょうか。また、平成
17年度に税率を改定した際は収納率が0.72%減少したと
の事です。
そういうことを踏まえて95%は可能な数字なのですかと執行
部にお尋ねすると難しい数字ですというお答えでした。では
現実的な目標として掲げるべき数字で歳入を示してください
とお願いするとそれは出来ない、95%との不足分は医療費
の適正化という歳出削減で何とかやりますとこことでした。
歳入予算と歳出予算の混同があります。松隈議員の議案
審議で質問されたが答弁が無かった、100万円以上のセグ
メントの数字も総務常任委員会では答弁していただきました。
重ねて95%の収納率がセグメント分析に基づく重点世帯の
積み上げによるものかという質問に対する答弁はすみ上げ
による丁寧な数字ではないという返答です。
しかし、95%の歳入目標に合わせて人員体制の整備や経
費予算が組まれるわけであります。問題であります。
国保の広域化のために26年度末に黒字化を目指すという
前提条件を机上で仕上げるために、このように収納率の目
標を現実離れして高くしている懸念があるのではないかと思
います。
この収納率で走り始めた時に起きる厳しい収納活動、それ
に耐えられずに増えるかもしれない生活保護申請、あるいは
国保制度への更なるロイヤィティの低下、そして市政に対す
る反感などが社会問題化しないか憂慮いたします。
最後に、国保財政の健全化に向けた今後の方策あるいは
取り組みとして、委員会で出されたアイデアを取り入れた形
で、多くの総花的な提案がなされています。平成22年度の
一人あたりの医療費は398,037円で全国的に飛び切り
高い数字です。この歳出面を如何に抑えるかが国保財政の
健全化に向けた今後の方策の基本となると私は委員会で
言い続けました。
医療費適正化という課題に対して保険診療という大風呂敷
に患者も医者も安易に頼りすぎていないのかという問題点
を一貫してさせていただきました。出来高払い制という保険
制度故の甘えが医者のも患者にもあるのではないかという
ことです。持続可能な保険制度になるよう厳しい警鐘を鳴ら
し続けなければなりません。しかし、これも含めて国保財政
の健全化に向けた今後の方策あるいは取り組みの実際の
計画に対する当委員会でのチェックはまだまだ不十分だと
認識します。訂正案の最終的な数字の拠り所がこの総花的
な提案となっており私としてはまだまだ審議は尽くされてい
ないと考えます。事案の内容からすれば、それは健康福祉
部所管の職務分掌となるのではないでしょうか。健康福祉部
を交えたところの合同審査にまで既に議論が及んでいるので
はないかと思います。
橋本市長のマニフェストの中に昨今の医療費財政の立て直
しの一方策として健康マイレージ制度の提案がありました。
また、委員会の中で、特に高齢者の方が健康で地域の中に
おいて過ごせる居場所づくりが大事だという話にもなりまし
た。本件は市民生活に直結する重要な問題であり、もっと
担当常任委員会の垣根を取り外し、広くして周知を集め、効
果的かつ市民生活に混乱ない慎重な進め方を希望するとこ
ろであります。
本議会に臨むに当たり私が知りうる鳥栖市民の声を確認し
たところいまだ保険料増税に対して理解を得られていないと
感じるところです。
よって、論点を変えた更なる議論が必要であるとの結論に
いたり、訂正案に至っても未だ賛成できないこと申し述べさ
せていただき私の反対討論とさせていただきます。