江副 康成 鳥栖市の未来を語るブログ

鳥栖市議会議員として鳥栖市の未来に対する思いを語るとともに、その活動の様子を議会および議会外についてお知らせします。

まず、橋本市長の謝罪からでしょう

2012-04-15 07:14:42 | インポート
九州国際重粒子線がん治療センターに係る固定資産税等の
課税免除に関する条例案が継続審査に

この条例案はがん治療センターの建物・治療診断装置等に係る
固定資産税を平成25年より20年間免除する(これまで3年免除
2年減額でいきたいとの説明でした)もので、約14.6億円相当の
資金支援案を民間であるがん治療センター対して議会が認める
よう提案されたものです。
私はその問題点を本会議の議案審議で
質しました(その様子は鳥栖市議会インターネット中継平成24年
3月定例会3月15日本会議の再生録画
の中で7分50秒付近から
見ることができます)が、その答弁からは納得いく説明を受けること
はできませんでした。そして総務常任委員会でさらに慎重審議を
重ねたところ議会の結論は閉会中の継続審査ということになりました。

約14.6億円相当の資金支援したいとの提案
がん治療センターに対する鳥栖市の支援体制は、まず人的支援
策として総合政策課の中にプロジェクト本部を設置し、誘致活動
から今日まで地元としての受け入れ体制整備のための人的配置
を手厚くしてきました。
次に物的支援策としては既に保留地の無償貸与が「特に市長が
認める場合」という特例条項を使って市長決裁により執行中であ
ります。
そして今審議されているのが資金的支援策であり、約14.6億円
相当の資金を支援したいというものであります。本来誰にでも平等
に課さなければならない税金である固定資産税を特例的に民間の
がん治療センターにだけ20年間免除するというものであります。
これは地方税法第6条第1項の課税免除を根拠とする条例案です
が、
地方税法行政に携わる方々のバイブル地方税法総則逐条解説
に照らしてみれば、特に気を付けなければならないとする濫用事例
に抵触しかねません


佐賀県から資金支援を求められる根拠
ではなぜ、このような提案がなされたのでしょうか。それは佐賀県
が取りまとめた総額150億円という本プロジェクトの資金調達計画
の中身にあります。これまでに明らかになったところによりますと、
ライバルの一つであった唐津市なら提供可能な電源関係交付金
20~30億円相当額を鳥栖市が地元で調達することが誘致条件
との見通し希望を佐賀県が示したところ、橋本市長がその意を汲み
(それこそ阿吽の呼吸で)直ちに鳥栖市役所内でそれに向けた方針
決定及び体制整備をなし、その上で誘致のお願いに後日佐賀県庁
へ古川知事を訪ねたことがその発端であります。
そして鳥栖市を
誘致場所として決めていただくために地元自治体として相当の金額
(25億円)を民間企業を中心として調達するという市の方針から、
先の資金計画の中に鳥栖地域として25億円を調達する予定が組
まれ、今もなお佐賀県から鳥栖市に支援要求される根拠であると
推察されます。

議会への説明がなければチェックしようがありません
議会と執行部は信頼関係がなければなりません。その点で問題
になるのは、鳥栖市が資金調達の責務(お互いが努力義務だと
言おうと、県と市との信頼関係を強く主張され結果を求めらるので
あれば、責務と同等と考えるしかありません)を負って進み始めた
にも関わらず、その直後の市議会全員協議会(当時私は議員では
ありませんでしたが)は元よりその後本件について何ら説明がなか
ったという事です。
これが明らかになったのはその後私も含めて多
くの議員の一般質問等により執行状況を質す中でやっと明らかに
なったという次第です。もし初めより説明があれば資金調達の適否
及びその状況チェックが当初より時間をかけてできた筈です。残念
でなりません。
また元より25億円の存在が明らかであれば、25億円の中身に
ついてももっと吟味することができたはずです。例えば佐賀県に
よれば保留地処分金約7億円と当初の固定資産税3年免除2年
減額分4.6億円はこの25億円には含まれないと解釈主張され
ています。よってその分鳥栖市に課せられた資金調達枠が広が
ることになります。物的人的支援の貢献分までも金銭に換算する
と25億円でも済まないことになります。市長決裁書の文面からは
鳥栖市に不利なように見えますが、反論できるのかどうかさえ分
かりません。

固定資産税免除を特例とする方針変更は許されません
最後に、私が議案審議で橋本市長に質問しましたがお答えにな
らなかった問題があります。それは25億円を民間企業を中心と
して調達するとした方針をこの条例案を通すことにより断念すると
いう事なのか、あるいは鳥栖市政の財政的根幹である市税収入
の一つ固定資産税を特例的に民間法人へ課税免除するとの方針
変更に至った責任をどう感じているのかという事です。こと10億
20億の話であり、市民の負託を得て行政をチェックすべき身とし
ては市民に説明できる説明をまず我々にしてもらわないことには
話は進みません。
この問題で佐賀県と鳥栖市の関係が悪くなる
ことを恐れて妥協しようとする同僚議員の存在を知っています。
もし市民周知のプロセスの中でのことなら私も良とします。しかし
現実の対応は地方政治というムラ社会での落としどころにしか
見えません。鳥栖市の行政は限られた人物金の中で全般的に
よく頑張っている方ではないかと一議員として思うところです。
だからこそ本件に見る橋本市長のある種怠慢が招いた善後策
を謝罪もなく追認するかのごとき対応は取りたくないのです。


継続審査となりより慎重な審査をこれから必要とするときに、
市民の方々が本件の本質もよく知らされず、幕引きとしようと
する議会の姿を垣間見るとき、昨年末多くの時間を費やし制定
した議会基本条例とは何のためだったのかと空しささえ感じら
れます。

重い問題提起となりましたが、皆様のご健康とご多幸を心より
お祈り申し上げ、今回のご報告とさせていただきます。

平成24年4月吉日
編集文責 江副 康成
(鳥栖市議会議員・天桜会)


九州国際重粒子線がん治療センター、通称サガハイマットが
来春の開業を待つまでとなりました。
多くの患者さんに感謝される施設となるようよう地元住民として
も願ってやみません。
地元に対する環境整備の他にこうしたことを問題にせざるを得
ないのは残念でなりません。


最新の画像もっと見る