江副 康成 鳥栖市の未来を語るブログ

鳥栖市議会議員として鳥栖市の未来に対する思いを語るとともに、その活動の様子を議会および議会外についてお知らせします。

フル規格意見書が可決

2013-09-20 15:54:42 | 鳥栖市議会
天桜会の江副です。只今議題となっております、意見書第11号九州新幹線「西九州ルート」のフル規格化への協議を求める意見書について私の方から提案理由の説明をお手元の案文に基づき多少補充しながらさせていただきます。
新幹線と言えば、リニア中央新幹線が2020年開催される東京オリンピック・パラリンピックに前倒し整備で間に合うかどうかがマスコミで話題になっている中、九州新幹線「西九州ルート」をフリーゲージトレインからフル規格化へと格上げの運動をしなければならない九州の現実に政治家の端くれとして忸怩たる思いに駆られない訳にはいられません。
東京オリンピック・パラリンピック招致の勝因として、来春のソチ冬季オリンピック、そして2014年リオデジャネイロワールドカップそれぞれの準備の遅れが極めて厳しい状況にある現実に直面し、選考委員から既にインフラが整った都市東京の実績が高く評価されたと言われています。世界遺産に登録された富士山麓を東京名古屋間なら40分で結ぶリニア中央新幹線は世界の大きな注目を浴びるはずであり、日本人として大変誇りに思うとともに、日本の素晴らしいこうしたインフラは日本のアベノミクス成長戦略の大きな柱となり、世界から日本へ富が集まる資源として期待されるところです。そうした中、東京名古屋いずれは大阪こうした巨大都市が益々輝きを増し、多くの若者が文化や仕事を求めて日本の中心へと引き付けられることにもなるでしょう。そうした未来に思いを寄せれば、九州新幹線のさくらやみずほより高速な新幹線のぞみが走る東海道新幹線さえセピア色にかすんで見えます。
一方これに対して東京オリンピック・パラリンピック後に開業を迎える九州新幹線「西九州ルート」は、現計画に則りフリーゲージトレインをそのまま受け入れるとすれば最高時速260㌔のさくらやみずほさえそのまま走れない新幹線となり、世界はもとより日本におけるこの地域のプレゼンスの低下は避けられないところであり、そこから地域浮揚を図ることは大変な試練に見えてきます。これは佐賀県長崎県という特定地域の政治問題ではなく、引いては日本における九州の位置づけ役割の問題にまで波及するものです。言うまでもなく小さな県である佐賀県にとって地元負担金800億円という数字は確かに軽んずべからざる問題でありますが、新鳥栖武雄温泉間の在来線区間51㌔の整備のあり方は西九州地域のみならず、将来の九州全体の浮沈にかかわる問題であることを斟酌すれば、国からの特別な政治的配慮があってしかるべきです。そうした思いから、古川知事の英断を躊躇させている佐賀県の地元負担金問題に対して、我々沿線自治体の議会としては、国が地元負担分の見直しを含めて財源問題の解決の糸口を示すよう我々も率先して国に対し強く要望するなどにより佐賀県を全面的に後押しすべきであると、また佐賀県と長崎県の将来世代のためにも全線フル規格整備に向け協力すべきであると考えているところです。
 よって、佐賀県知事に対し、佐賀県、長崎県、国、JRの4者間でのフル規格化への協議を早急に行うよう強く要望いたします。以上のような理由にご理解賜り、そしてご賛同くださるようお願い申し上げ、提案理由の説明とさせていただきます。



九州新幹線「西九州ルート」のフル規格化への協議を求める意見書(案)

 九州新幹線西九州ルートは、平成23年の政府・与党確認事項の「整備新幹線の取扱いについて」において、武雄温泉-長崎間については、諫早-長崎間の着工から概ね10年後を開業時期とし、武雄温泉-長崎間はフル規格、新鳥栖-武雄温泉間は在来線を活用し、軌間可変電車の導入を前提として事業認可がなされている。
 しかし、この計画に対しては長崎県の立場からは、時短効果が見込めないのになぜ多額の地元負担金を出してまで新幹線整備をしなければならないのかという不満の声がある。一方、新鳥栖-武雄温泉の在来線区間51キロの沿線自治体からは、踏切や地方道の整備、ロングレール化や路盤の強化などによって、今までより危険と負担が増すという理由から、フリーゲージトレインそのものへの疑問の声が首長も含めて次々に上がってきている。そして、鳥栖市においては、鳥栖駅と新鳥栖駅の二つの拠点駅を擁するがフリーゲージトレインにはそもそも何らメリットが見いだせないところである。
 また、国土強靭化法にある基軸の交通体系を整え災害にも強い国土とするという視点から見ても、新鳥栖-長崎間全線すべて新幹線専用のフル規格で整備することが必要である。
 全線フル規格化に伴う佐賀県地元負担金約800億円という財源問題は、確かに軽んずべからざる問題である。しかし、今失われた20年というデフレ不況の日本経済からアベノミックスという成長戦略へと日本の政治は大きく舵を切りなおした。そして、東京オリンピック招致決定ということで、その歩みはより確かなものとなりつつある。そうした成長の流れに遅れることなきよう、また西九州地域経済を浮揚させるために、我々沿線自治体の議会としても、国が地元負担分の見直しを含めて財源問題の解決の糸口を示すよう強く要望することなどにより県を全面的に後押し、佐賀県と長崎県の将来世代のために全線フル規格整備に協力すべきであると考えている。
 よって、佐賀県知事に対し、佐賀県、長崎県、国、JRの4者間でのフル規格化への協議を早急に行うよう強く要望するものである。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成25年9月 吉日

鳥 栖 市 議 会

佐賀県知事 古川 康 様


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