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Landscape diary ランスケ・ ダイアリー

ランドスケープ ・ダイアリー。
山の風景、野の風景、街の風景そして心象風景…
視線の先にあるの風景の記憶を綴ります。

地の神、野の仏たち

2017-04-17 | Walk on

 

氏神様境内の桜を撮影している時、世話役さんと会った。

土地の神様(産土(うぶすな)神)に纏わる色んな話が聞けた。

里山に暮らす人々の信仰は、おおらかな場合が多い。

明治の近代化政策で歪められた、それ以前の信仰の形を残していたりする。

野辺歩きは、草に埋もれる里の神々との交流の場でもある。

日本人の信仰心は、神や仏を厳密に分けて来なかった。

神道の歴史を古代まで遡れば、社殿を持たない山や岩や樹を崇拝する自然信仰である。

仏教伝来と共に、社殿や御神体や教義を取り入れ、宗教の体裁を整えてきた。

度重なる自然災害と共に暮らす南北に長い列島の住民にとって、

信仰とは、自然の猛威に対する皮膚感覚としての「畏れ」だった。

そして念仏を唱えることで救われるという救済を約束した仏教の方が、

信心のウェイトを多く占めた歴史が千年ばかり続いた。

「草木国土悉皆成仏」が、この国の自然観に根差した信仰心の形だったのだろう。

以前にも紹介した弘法大師伝説の地、八塚古墳群を訪れた。

古墳に神を祀るところは多い。

でも、此処は衛門三郎に纏わる仏様だ。

撮影していると地蔵菩薩の頭上に日輪が灯り、後光が射した。

彩雲に彩られた菩薩降臨だ(汗)

石鎚、88ヵ所、八幡の杜に続く聖地(パワースポット)巡礼なのかしら?

 


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おむすびをほおばる野仏さん?(笑) (ぐみの木(hn))
2017-04-17 20:47:07
ランスケさん..こんばんわ
八ツ塚ではいろいろアドバイス下さって有難うございました。
下調べもなしで、遍路地図片手に..でした/逆打ちしていて本道から少し反れたことが、八ツ塚との出会いのきっかけになったようです。
とても熱心にカメラを向けられていたので、ぜひ作品も拝見したいと願っていました/まっことすごい写真&筆跡にも.に驚いております/あちこちページをめくらせて頂くこと楽しみです。


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御訪問に感謝 (ランスケ)
2017-04-17 21:23:38
ぐみの木さん、御訪問頂き、ありがとうございます。

あの場所で二度会えるとは思いませんでした。
それは、ぐみの木さんが、八坂寺に行って帰って来るくらいの長い時間、
私が同じ場所で撮影していたということですね(笑)
実は、あの日、曇天だったので翌日、もう一度晴天の光で撮影しています。
御蔭様で、冒頭2枚の野仏を良い光線状態で撮れました。

幹線道路を外した、その土地の風土を感じる遍路旅、共感します。
奥様と御一緒に、残りの道中も楽しんでください。
わざわざコメントを記して頂き、感謝しています。
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ついで (鬼城)
2017-04-18 08:56:59
信仰に対しては、ほんと罰当たりなことで神仏には申し訳ない。(苦笑)荏原、惠原?ここの場所が分からない。ネットで調べると・・・やっと分かった。こんな良いところがあるとは知りませんでした。神宿る古墳群!道祖神ですね。こんな原風景を求めていました。写真のお地蔵さんの光輪も凄い。やはりランスケさんの引きだし、ドラえもんのポケット以上です。
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懐かしい風景 (ランスケ)
2017-04-18 10:39:26
鬼城さん、砥部の生涯学習センターで定期的に講義されていますよね。
この場所は、そこから車で10分くらいの距離です。
是非、立ち寄ってみてください。
私も、初めて、ここを発見した時のときめきは、忘れられません。
郷愁にも似た懐かしさ…仰る通り原風景かもしれません。

ここは三坂峠辺りを源流とする久谷川が里に入ると御坂川と名前を変え
森松で重信川と合流する間の山合いの豊かな田園地帯です。
郷愁を誘う川風景は、そのまま懐かしい里山の風景をつくり上げます。
広見川周辺の美しい里山風景や鬼城さんが枝垂れ桜探訪に行った石畳もそうですが、
過剰に護岸されていない懐かしい川風景のある場所には、豊かな里山風景が残っています。

そんな場所には、私たちが置き去りにして行った懐かしい精神風土としての信仰の風景も残っています。
大事にしたいですね。
鬼城さんがブログに掲載した御神楽の動画は素晴らしかったです。

自転車や徒歩による散歩の視野が、思いがけない風景を
見慣れた日常の風景の中から発見することが可能なのだと思っています。
何処へ行くにも気持ちのいい季節になりました。
風薫る、または風光る初夏の到来です。
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霊気漂う谷筋 (MUGAKU)
2017-04-19 13:17:57
ランスケさん
このページをBKKのスタバで拝読しています。
私が小学生の頃、時々遊びに行った友人宅近くの谷筋に段差ごとに数本の木々に囲まれた「古墳?」の様なものが存在していました。
子供ながら「霊気」を感じ、近づくことはアリマセンでした。
社会人となり、その場所に立ち寄ってみると立派な家々が並ぶ団地となっていました。
縄文の呪術遺跡なのか、弥生以降の豪族の墓所遺跡なのか、ブルドーザーに押し潰され、残っていたのは1箇所のみです。
悲しい人間の行為に手を合わたことを思い出しました。
京・化野の谷筋には念仏寺があるのに・・・
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日本的霊性 (ランスケ)
2017-04-19 22:02:49
BKK?何?と頭を捻りました。
バンコク国際空港の頭文字なのですね。
タイは今、最も暑い暑期。
山岳民族を訪ねるには、この季節なのでしょうか?
また少数民族との交流の記録を楽しみにしています。

以前にも書いたように、明治の近代化によって、
日本の信仰の形は大き変わりました。
キリスト教のような国民統合の精神的支柱の必要性から、国家神道という幻想を創り上げました。
近現代史の本を何冊か読むと、
当時の日本人のギリギリの綱渡りの様子が窺えます。
1930年代の日本と今の日本は、時計の針を巻き戻したみたいに色んな状況が酷似しています。
この後、日本は破滅へと、ひた走ります。

明治の神殺し、神社合祀と神仏分離によって、日本の霊性は悉く破壊されました。
曰くあり気な古い墓所は、口伝として穢れを祓い神を祀り聖域としていたのです。
例えば、伊予市の古墳には八幡様を。
砥部の古墳山には金毘羅様を。
八塚の古墳群は弘法大師の御霊験ですね(笑)
これらを迷信と笑えないのが我々日本人の根っこにある霊性の部分です。
日本の神とは「畏れ」なのです。
土地の神様に対する「畏れ」を祓い伺いを立てるのが今も続く「地鎮祭」ですね。
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