Tosh!'s Blog

ただ生きるな善く生きよ(ソクラテス)

万葉集 巻10・2227

2012-03-10 05:38:08 | 世評

思わぬに しぐれの雨は 振りたけど 天雲晴れて 月夜さやけし
詠み人知らず

いやいや、雨は降り続き、時折風が唸る深夜です。最近雨が多く、行動を制限余儀なくされていますが何時かは晴れて、息苦しさも晴れてくれるものです。それは希望と云うものでしょうが、日本の俗世も何時かは晴れて欲しいものです。

前エントリでは、政治家(屋)が口にしない消費税のカラクリの一端を披露してみましたが、どう云う感想を持たれたでしょうか。

私は家賃の振込も自動送金を解除し、振り込み口座の金融機関に直接現金振込し、手数料を787円を0円にしました。手数料は750円に消費税が加算され787円ですね。バブルが弾け、預金を引き出しするにも手数料が取られていましたが、漸く平日昼間は引き出しも無料になって来ました。自分が預けたお金を返して貰うのに何故に手数料を取られるのか納得いかなかったものです。

以前も記しましたけれど、預金を契約書も無しに勝手に投資や投機等で使い儲けているのに、その失敗で手数料を取るのは前エントリのジョークで記した保険と同じ仕組みですよね。最近じゃ金利もレートが低く微々たるものですが、銀行はその利子に消費税を上乗せしてくれているでしょうか。答えはNOです。

預貯金の利子所得には一律20%(所得税15%、住民税5%)課税されています。源泉分離課税と云い、確定申告無しに天引きされる仕組みです。利付国債の利子も同じく20%課税されますが、マル優制度を除きます。割引国債とは発行時に償還差益に18%の源泉徴収が行われますが、どちらも売却益(譲渡所得)は非課税です。

さて、売却益に括弧付きで譲渡所得と書きました。前エントリを見直してください。

消費税法第4条(課税の対象)
国内において事業者が行った資産の譲渡等には、この法律により、消費税を課する。

売却益は資産の譲渡に当たります。消費税は課されるのでしょうか。答えはNOです。前述は個人を想定して記しましたが、法人でも同じ。でも決定的に違うのは法人には「繰り越し欠損金の控除」と云う税制があり、法人税を最大7年間、累積赤字分で課税所得を相殺出来る優遇措置があるのです。

大手金融グループは長年にわたり法人税を免除されていて、公的資金の注入で業績を回復しましたが、その利益の享受したのは真っ先に配当金が引上げられた株主です。また、それまで凍結されていた経営責任を問われた旧経営陣への退職金にも廻されました。

2008年には大手金融機関13行の07年度の申告所得2.9兆円、内株式配当1.5兆円、納税額はなんと0.1兆円と云う事態でした。そんな中、当時三菱UFJフィナンシャル・グループは90億ドルを米モルガン・スタンレーに出資して、更にモルガン・スタンレーの公的資金返済に向けた増資も行っています。

当時の為替レートは1ドル大まか100円で換算しても問題ないでしょう。07年度の三菱UFJは納税額(法人、法人住民、法人事業税)148億円で、税引き前利益は6,900億円弱、何と2%位しか納税せず、その上9,000億円程の米モルガン・スタンレーへの出資。

どこを調べても明細は私には判らないのですが、恐らく我々が払っている手数料に課せられる消費税も納税されていないと思われます。

消費税には還付金があると前エントリで記しました。これが輸出企業には大きなメリットを生み出します。輸出先の消費者から消費税は取れません。故に、単純に云うと経費がその侭還付金となります。

2007年度で云いますと、売上が10億円を超えている法人への消費税還付金は2.5兆円。例えばトヨタ自動車は消費税還付金が3219億円。還付があると云う事は、我々が支払って預かっている筈の消費税を国庫に納めていません。

更には下請け業者には消費税分まけろと値引き交渉の材料に使われていますし、下請けは材料費には消費税を払っています。

国税庁によれば、2010年度には新規発生滞納額の半分近くの3398億円が消費税だとしていますし、全エントリで申しました様に、間接税ほど中間搾取が激しく国庫にまともには入りません。おまけに輸出大企業程、納税せず、還付金を受け取る始末。

例えば自動車工場は工場卸価格があり、それには消費税が課税されます。販売店も販売時に販売価格に消費税を加算します。消費者は幾重にも消費税を累積して支払っている事になりますが、それら累積消費税は何処かが吸収してしまい、挙げ句の果てには還付金とは、前エントリで足し算にすれば良いとはその事です。

消費者が支払っているのは5%だけではないのです。それがその侭国庫に入る訳でもありません。

それでもって消費税増税とは、増々貧富の差を生むほか無いとしか言い様が有りません。経団連が消費税増税を唱えるのをより理解して頂けたかと思います。

我々末端の消費者は騙されているのであって、馬鹿にされているのですよ。

消費税を増税しないと財政破綻するなど、試算など根拠の無い「皮算用」でしかなく、正しく公正に税金を徴収する制度が必要だと思うのです。それが足し算という至極簡単な事です。経費にも消費税を課しているのですから、それを個人同様法人も納税すれば良いのです。そうしたら、価格に転嫁されて複雑な消費品(例えば自動車)ほど消費税が加算され累積され高額になるとは、元々免税品を設けなかった税制度だから当たり前です。

よく欧州の消費税は20%だと引き合いに出されますが、食料品は課税していない国、若しくは税率を低くしている国の方が多いのです。例えばスエーデンは消費税25%ですが食料品は12%です。イギリスは20%ですが食料品も外食等はその侭20%ですが、食材は0%です。財政破綻のギリシャも23%ですが、食料品は13%です。

厳密には比較出来ないのですが、参考値として記して於くと、イギリスは国税に於ける消費税(17.5%)の割合はおおよそ23.7%(2005年度)、日本(5%)は24.6%(2007年度)です。

「社会保障と税の一体改革」と言いますが、消費税は国庫の一般財源に入るので、社会保障費に当てられるとは限りませんし、社会保障を充実するのなら別財源の保険料を消費増税分上げるのが筋だと思いますが、「一体」にして何に使われるのかまたもやうやむやにしようとしているのは、みえみえです。

JT株とかNTT株とか郵政株とか、政府が保有している株を売っぱらう方が先だと思いますがね。それだけで約65兆円になります。

( ´ー`)yー-~

A fine is a tax for doing wrong.
A tax is a fine for doing well.