今日は、熊本の地震のため、朝から気が重たかった。特に植田の故郷である熊本県宇土市は市役所が崩壊しそうな被害を受け、植田も本当はサッカー
どころではなかったのかもしれない。心配で夜も眠れなかったくらいかもしれないが、試合前の顔は非常に引き締まっていて、サッカーの内容も素晴らしかっ
た。試合後のインタヴューでは思い極まって泣いてしまったが、まだ２１歳、高まる感情を抑え切れなかったのだろう。１点目の金崎のゴールにつながったロ
ングパス、金崎のクロスバーを叩いたシュートに出したパスを含め、ヘディングでも圧倒的な強さを見せた。心中の苦しさは察って余りあるが、それを全く
感じさせない素晴らしい守備が９０分できたのは立派と言う他はない。勝った試合後に地震のことを聞かれても答えようがなかっただろう。天災とサッカー
は全く別物なのだから、インタビュアーはもう少し配慮のある質問の仕方をしてもらいたいものだ。あんな風に聞かれても答えようがないだろう。
今日注目していたのは湘南ベルマーレ出身の永木。今日は攻守にわたってしっかりしたプレーが光った。いいパスが何本も入ったし、いいポジション取り
で守備も安定していた。コンスタントに今日くらいのプレーが出来れば小笠原引退後のボランチも安心して任せられそうだ。今日は金崎にいつもの体の切れ
とゴールへの意欲が戻ってきたのは良かったが、何といっても土居が完全に復調したようなのがうれしい。遠藤のパスを受けた金崎が出したクロスを足を
いっぱいに伸ばして決めた３点目が見事だった。金崎と土居のツートップは非常にバランスがいいし、多彩な攻撃ができる。土居の相手ＤＦのかわし方のう
まさは技術的に高いレベルで予測がつきにくい。土居がいれば赤崎はいらないと思う。金崎が不用意な抗議でイエローをもらって次節出場停止になったの
は痛かったけど。
カイオは彼にしてみれば普通の出来だと思うが、相手ＤＦがカイオに引きつけられてしまうのが大きい。やはりカイオのドリブルは相手には脅威。今日
は遠藤が丁寧なプレーで多彩な攻撃の起点になっていた。遠藤にしっかりボールが収まっていいパスを出せると攻撃は幅が広がるし、ＦＷが非常に楽
だ。今日は前半の最後にオウンゴールで追加点が取れたので非常に楽になった。永木のいいクロスに山本がゴール前に折り返したボールにアンドレバ
イアが足を出してゴールに入ってしまった。スペースをうまく使って、自由自在な攻撃が出来るようになりつつある。
これで７試合でまだ３失点。守備面では非常に安定感があって安心して見ていられる。攻撃面でも土居の復活が攻撃のバリエーションを生み出し始め
ていて、今アントラーズは攻守にわたっていい状態になってきた。フロンターレもレッズも好調だし、ファーストステージは、アントラーズ、フロンターレ、レッ
ズの争いになっていきそうだ。今のいい状態を長く維持して、ファーストステージ優勝を目指したい。
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