映画『わが教え子、ヒトラー』

2012年01月03日 | 映画の感想

監督 ダニー・レヴィ
出演 ウルリッヒ・ミューエ (Prof. Adolf Israel Grunbaum)
        ヘルゲ・シュナイダー (Adolf Hitler)
        ジルヴェスター・グロート (Dr. Joseph Goebbels)
        アドリアーナ・アルタラス (Elsa Grunbaum)
        シュテファン・クルト (Albert Speer)

1944年12月、連合軍の進攻によりナチス・ドイツは劣勢に陥っていた。そんな中、宣伝大臣ゲッペルスは、新年に行われるヒトラーの演説を成功させ、国民の戦意を高揚させようと試みる。しかしヒトラーは心身共に衰弱し、自信喪失状態。そこでゲッペルスは、かつてヒトラーにスピーチ指導をしていたユダヤ人俳優グリュンバウムを収容所から呼び寄せる。戸惑う彼だったが、他に道はない。敵を教える苦悩の中、事態は意外な方向へ…。

★★☆☆☆

これ、コメディ映画だ。ヒトラーをカリカチュアした、いや揶揄といったほうがいいか、完膚無きまでダメ人間に仕立てておちょくった映画。たぶん『善き人のためのソナタ』がヒットしたからだろう、柳の下のドジョウ、同じヒューマンドラマ路線であるかのような宣伝、パッケージで売ろうとしていた国内配給&販売元に騙されていた。いざ見始めて、そりゃないだろうの連続だった。ヒトラーが風呂で戦艦の模型を浮かべていたり、演説の前に髭を剃り落とされたり、お笑いコントのようなやりたい放題。ただ、確かにヒトラーのしでかした罪は赦しがたいが、冷静に批判すべき。この映画、オフザケが過ぎて個人中傷の域、ヒステリックな感じがして、ボクはダメだな。実像に迫る映画のほうが好みだ。暗殺計画を描いた『ワルキューレ』という映画があったけど、実際の暗殺計画、「閃光作戦」&「ヴァルキューレ作戦」の詳細はあの映画よりもはるかにずっと興味深い。この『わが教え子、ヒトラー』、特筆したいのは音楽のよさだ。ドイツ軍が出てくる戦争映画っぽい重厚なテーマが耳馴染みがいい。エンドロールで、同じテーマがおとぼけアレンジで流れるのも楽しかった。

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