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映画『殺しの分け前 ポイント・ブランク』

2012年10月20日 | 映画の感想



監督 ジョン・ブアマン
リー・マービン (Walker)
アンジー・ディッキンソン (Chris)
キーナン・ウィン (Yost)
キャロル・オコナー (Brewster)
ロイド・ボックナー (Fredrick Carter)
マイケル・ストロング (Stegman)
ジョン・ヴァーノン (Mal Resse)
シャロン・エイカー (Lynne)
ジェームズ・シッキング (Hired Gun)
Sandra Warner (Waitress)
ロバータ・ヘインズ (Mrs. Carter)

ウォーカー(リー・マーヴィン)は、戦友マルに勧められて密売の金を強奪したが、金額が思ったより少なかったことから、マルは、ウォーカーを倒し、彼の妻リンを連れて逃げ去った。幸い弾は急所をはずれ、ウォーカーは、あやういところを命拾いした。1年後、彼はヨスト(キーナン・ウィン)と名のる男から声をかけられた。彼は、今ではマルが羽振りをきかしていることを語り、分け前を取り戻す手助けをするから、自分が組織を握るのに手を貸してくれと持ちかけ、マルとリンの住所を教えた。ウォーカーは早速、訪ねてみたが、マルはすでにいず、数日後、リンは夫への裏切りを後悔して自殺した。やがてウォーカーは、リンの妹クリス(アンジー・ディッキンソン)がマルの新しい情婦であり、ナイトクラブを経営していることをつきとめた。クリスを訪ねてウォーカーは、彼女の協力を得てマルを捕まえることができた。しかしマルは、すでに金を全部、彼の組織に収めてしまっていた。そのうえ彼はウォーカーの手をのがれようとしてビルの屋上から転落死。ウォーカーは改めて組織から金を取り戻す決心をした。組織は3人のボスのものだった。まずカーターは、手違いから自分の雇った殺し屋に射殺されてしまった。次のブルースター。彼はアルカトラズ島で金を渡す約束をし、2人は島に渡ったが、金包みを渡す寸前に射殺された。発砲したのはヨストだった。彼も組織のボスの1人だったのだ。彼は、かつてウォーカーに話を持ちかけた通りになったことを語り、今後は一緒に仕事をしよう、と言った。しかしウォーカーが応じないのを知ると、金包みを置いて去っていった。

★★★★☆
まだ10代の頃だったか、ボクの地方のテレビ局で週末の深夜映画でリー・マーヴィン主演のアクションを毎週やっていた。きっとテレビ局に好きな人がいたんだろうなあ。実は、おかげで以来リー・マーヴィンの男臭さにハマってしまった。先日、『キック・アス』がTSUTAYAにしかないので借りに行ったついでに物色していて発見!いや~こういうのをソフト化してくれるのって嬉しい!『ブラック・エース』だの、『 狼獣たちの熱い日』だのといった隠れた傑作もぜひお願いしたい。
さて、この映画、親友に女と報酬の金を奪われた男が、男と組織に復讐していくというストーリー。一匹狼の寡黙な主人公ウォーカーの冷徹ぶりをみごとにリー・マーヴィンが演じきっている。こういう非情なタフ野郎にぴったりの面構えだ。
バッタバッタと敵をねじ伏せていく超人的なアクションがやたら多い昨今の映画は、ナンデモアリで食傷ぎみだが、こういう頭脳で組織と渡りあっていくスリルっていうのがかえって新鮮。最初は渋すぎると感じるかもしれないが、いったんこういうチェスの駒を進めるように黒幕に迫っていく展開ってのは見応えがある。スパイ映画だと、ハリー・パーマーものに通じる頭脳戦の面白さ。今作は特に、組織の敵対をうまく操り翻弄しながら目的を果たしていくっていう点では、『ハリー・パーマー危機脱出(ベルリンの葬送)』に近いムードを持っているかな。
一匹狼のウォーカー、ウォーカーを利用して組織の実権を握ろうと企てたフェアファクス。分け前を受けとるように促されても姿を表さないウォーカーの周到さ&人間不信で締めくくるラストなんてハードボイルドそのもの。今時のアクション映画だったら、ここで能天気にホイホイ現れて金をせしめるだろう。この頃の映画ってホント、オトナなんだよなあ。


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