映画『ボーン・レガシー』

2012年10月18日 | 映画の感想



監督 トニー・ギルロイ
ジェレミー・レナー (Aaron Cross)
レイチェル・ワイズ (Dr. Marta Shearing)
エドワード・ノートン (Retired Col. Eric Byer)
ジョアン・アレン (Pam Landy)
デヴィッド・ストラザーン (Noah Vosen)
スコット・グレン (Ezra Kramer)
アルバート・フィニー (Dr. Albert Hirsch)
CIAの極秘プログラム「トレッドストーン計画」が、ジェイソン・ボーンによって明るみになろうとしているころ、人体改造の「アウトカム計画」により、強靭な肉体を持つアーロンが訓練を積んでいた。このボーンによる事件の余波でその「アウトカム計画」も明るみになる事を恐れた上層部は、関係者の抹殺を指示。かろうじて生き延びたアーロンは、研究者のマルタを訪ねるが、彼女もまた命を狙われていた。

★★★☆☆
『プロメテウス』以来の映画館。他でもなくボーンシリーズを選んじゃうあたり、スパイもんがホント、好きなんだなあボクは。マット・デイモンの三部作とは違ってジェレミー・レナー主演のベツモノであることと、同じ世界を共有して同時進行で成立している話ってくらいを知っていた。
観終わって、まず感じたのは、「エ?終わり?なんで?」という居心地悪さ。上映時間2時間20分くらいとけっこう長かったのにも関わらず、消化不良感アリアリ。このボーン新シリーズ、残りはレンタルされてから観るでいいかな?なんて思ってしまった。
よかったのは、中盤のアクションかな。研究所の密室でヒロインが命拾いするシーンはハラハラした。ドアの把手を布でギリギリ締めて侵入を防ぐなんて描写がいかにもボーンシリーズっぽくてよかった。それからヒロインの屋敷での殺し屋との銃撃戦。一階の裏手から脱出、屋根へと駆け上がって二階の窓から侵入、女殺し屋を射殺という、アーロンの動きをワンショットで描いたあたり、その身体能力や臨場感が伝わって唸らせてくれる。
しかし、いいのはそのあたりまでかな。マニラに潜入してから急に失速して、一本調子の逃走劇が延々と続いて。バイクアクションの途中でクドイなあ~なんて思ったのは『ダーティーハリー2』以来かもなあ(笑)。格闘やチェイスでの、ハンディカメラのようなブレブレの接写で、状況よりも迫真性で勝負!っていう、ボーンシリーズのカメラワークは健在だけど、ちょっともう目が疲れてきた。CIAのエドワード・ノートン(あの童顔の人がすっかり悪役面だ)の指揮のもと、総員あげてアーロンの存在や逃走先を執拗に暴いていくあたりはよかったのに、なんで後始末をマニラ警察と現地工作員の№3ひとりに丸投げしてしまうのか?がさっぱりわからない。
その№3、アーロンに存在を知られていないってことこそが最大の武器の筈なのに、なんでバレバレの追跡の仕方をして面を割っちまうかなあ。№3のルイ・オザワ・チャンチェンって人、プレデターと闘っていたヤクザだよな。バイクアクションだけって勿体ない。で、最後は女に蹴られてあっけなく・・・。
YouTubeで露顕したので作戦中止!ってのは現代的だけどプロジェクトの数や大きさを考えるとありえないし、結局最後までアーロン自身との接点は見えないまま。シリーズなら巨悪との絡みが多少ほのめかされてよかろうに。
まあいろいろと残念なB級アクション映画。『ジェイソン・ボーンは氷山の一角に過ぎなかった!』なんて宣伝文句が書いてあったが、氷山の一角はこっちだ!
帰宅してからの妻との会話。
「今日、ボーン・レガシー観に行ってきたよ」
「007の人?」
「いやミッション・インポッシブルに出てた人」
「007の人じゃん」
妻はジェレミー・レナーとダニエル・クレイグの区別がついていないのが判明。

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