映画『麻雀放浪記』

2012年01月05日 | 映画の感想

 

監督 和田誠
真田広之 (坊や哲)
鹿賀丈史 (ドサ健)
大竹しのぶ (まゆみ)
高品格 (出目徳)
名古屋章 (上州虎)
加藤健一 (ゼゲンの達)
加賀まりこ (ママ)
松浪志保 (出目徳の妻)
内藤陳 (おりん)
天本英世 (鉢巻)
篠原勝之 (禿げ)
酒井務 (健の手下)

敗戦直後の上野。哲は終戦後も学校へは戻らずブラブラしていたが、ある日、勤労動員の工場で働いていた時にバクチを教えてくれた上州虎と偶然会った。そして、虎に連れられてチンチロに足を踏み入れる。なけなしの金しかない哲は、プロのバクチ打ちであるドサ健の張りにノッた。ドサ健のおかげで相当な勝金を得ることができた哲だか、その大半をコーチ料としてドサ健にとられてしまった。そんなドサ健に哲は、強烈な対抗心と同時に奇妙な友情を抱く。

★★★★☆

もうずいぶん前にテレビで観た映画だが、めっぽう面白かった印象があったので、この機会にもう一度観た。1984年という時代にモノクロ映画を作った意義が十分にわかった。戦後間もない時代らしく見せる、そんな単純な理由じゃない。これは阿佐田哲也の原作に惚れ込んだ和田誠が頭にできあがったイメージをそのままフィルムに焼き付けたものなのだ。その証拠に、DVD特典にセットやカット割りが収録されているが、もう完全にできあがっている。もう撮影を始める前に頭の中にできあがった名画を作っていく・・・それは名作になりうるメリットと同時に、「できすぎ」にしてしまうデメリットがある。ひとつひとつの場面が絵画的で完成しており、そこで繰り広げられる名場面、クサいほどの印象深い名セリフの数々。往年のハリウッド名画風に撮ってこそ落ち着くのが、和田誠によくわかっていたんだと思う。だからこそ文字どおり「色褪せない」名画になるべくしてなって、これからも映画ファンを楽しませてくれる。高品格ら俳優陣の存在感溢れる演技は言うまでもない。先日亡くなった内藤陳のオカマ姿も見られる。合掌。

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2 コメント

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麻雀という文字を見て (musashi211)
2012-01-05 16:06:06
なにやら奇妙な始まり方だな……と想像します。
麻雀ですか、僕もよくやるんですよ、この年で。
で、初めて出来た役満が大三元。
あの字牌が綺麗に揃った瞬間は気持ちよかったです~。
こちらの話になってしまいましたが……
何か絵からして古そう……
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musashi211さんへ (矢菱虎犇)
2012-01-05 18:42:09
ギャンブルものってヘタするとスキモノだけの世界になっちゃうんですけど、ギャンブルを扱ったいい映画は多いです。
中でも傑作は『テキサスの五人の仲間』って映画なんだけど、なぜかDVDにならないんです。悔しいのでYahoo!オークションでVHSを落札して、DVDに焼いちゃいました。
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