映画『127時間』

2012年02月20日 | 映画の感想

監督ダニー・ボイル
ジェームズ・フランコ(Aron Ralston)
アンバー・タンブリン(Megan)
ケイト・マーラ(Kristi)
リジー・キャプラン(Sonja Ralston)
クレマンス・ポエジー(Rana)
2003年4月25日金曜日。いつものように行き先を誰にも告げず、休日はクライマーとして人生を謳歌しているアーロン。今回の目的地はブルー・ジョン・キャニオン。土曜日の朝、車からMTBを取り出し渓谷へ向かった。途中、道に迷った二人の女性を秘密の場所へと案内する。そこは岩と岩の隙間から下の泉へとダイブできる場所。大胆なアーロンの行動力は彼女たちを魅了する。そんなアーロンに、思わぬ災難が降りかかる。

★★★★☆
そういう映画だと覚悟してみたけれど、本当に容赦なくそういう映画だった。映画の始まり15分くらいから終わり15分前くらいを除いて残り全編、岩に挟まれっぱなし。血の気の引くような結論はわかっているんだけど、唯一の脱出に使えそうな道具が、安物の万能ツールだけ、そのなまくらナイフじゃ皮膚さえろくに傷つけられないってんだから、ホラー映画よりもずっと怖い。しかも一瞬たりともブレることなくアーロン目線で描かれていく。これはいわば『自分と向き合う』映画だ。こんなにリアルに危機的状況に陥った自分に向き合った気にさせてくれる映画はいまだかつてないんじゃないだろうか。ボクは昔、ホントつまんない理由で自分の体を傷つけようとしたことがあるが、生汗ダラダラ、精神的にかなりきつかった。なにかの拍子に「あいたっ」と怪我をして血が出るのと、自分で自分の身体を意志をもって傷つけるのとじゃ全然違うのがよくわかった。あの感覚をモロに思い出す映画だった。究極、人がアクション映画やホラー映画に求めるものは、危機的状況や死に直面した状況の仮想体験なのかもしれない。とすればこの映画、並みのアクション映画よりずっとスリリングにして、並みのホラーよりもずっと怖い、究極のアクションホラーなのかもしれない。救出の幻覚や過去のフラッシュバック、そして未来の妄想が目前に現れ、ラストにつながっていくあたりの演出、キレのいいカメラワークも巧い。いや~きっつい映像体験だった!

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2 コメント

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ジェームズ・フランコ (tatsu)
2012-02-24 00:33:02
ジェームズ・フランコつながりで矢菱さんの
ブログにコメントした事を思い出しましたが
いかがでしたか?
tatsuさんへ (矢菱虎犇)
2012-02-24 01:49:04
エヘヘ、例の動画の時ですよね。
ボクがこうやって映画の感想をエンジンにして、
なんとかもちこたえているのは、
昨年秋のあの頃の失望感ゆえですもん。

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