囲碁きちの独り言 Ⅱ

趣味の旅行、うたごえ、囲碁の事や日常の出来事を記録する。

母の日に想う・・・

2021-05-09 09:28:51 | 日記
今日は「母の日」です。母の日だから読んだわけではありませんが、三浦綾子が書いた「母」を読みました。この作品、映画では見たことはありますが、小説を読むのは初めてです。例によって図書館から「大活字本」を借りてきて読みました。



プロレタリア作家小林多喜二の母セキの語りの形で書かれています。小林多喜二は「蟹工船」など虐げられた労働者と理不尽な資本家や官憲の暴挙を告発しました。結果、多喜二自身も治安維持法違反で捕まり築地警察署で取り調べ中と称して虐殺されました。
多喜二は日本共産党の党員でした。当時、アカとキリスト教徒は一番危険視されていました。しかし、母セキは多喜二のしていたことは絶対に正しい と信じていました。使い捨て同然に搾取される労働者が賃金を少し上げてくれ ! と言って何が悪い。みんなが幸せになる世の中を望んで何が悪い!多喜二のしていることは正しいと信頼していました。読み書きのできなかった、母セキは晩年、日本共産党に入り、葬儀は自ら望んでキリスト教で行ってもらったそうです。
多喜二の母の思いはどの母親とも同じだと思います。

私の母は一昨年、99歳で亡くなりました。コロナ禍の前の年です。労働組合の活動に現を抜かし、定年まで平職員の私のやってきたことを信頼して小言ひとつ言われたことがありません。読み書きは不得手でしたが記憶力は抜群で最後まで頭脳明晰でした。多喜二の母と同じように苦労の連続でしたが、自分の子どもたちのことを信頼していました。

自分の母と多喜二の母が重ね合い、「母はやはり偉大だ!」と思いました。
そんな母親たちが嘆き悲しむような世の中にならぬようこれからも努力してゆきたいと思います。
コメント
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