山城めぐり(兄弟ブログ biglob)

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奴隷状態の外国人労働者

2018-11-14 23:05:30 | 日記
「私は物じゃない」

「働きたいのに(指にケガをしたから)帰れと言われました。働きたいのに、なんで私、帰るんですか」

 黄さんは'15年12月に来日、岐阜県にある段ボール製造工場で働いていた。'16年7月、作業中に手を機械に挟まれて指3本を切断してしまう。

 2か月入院する重傷だったが、治療を終えた黄さんに告げられたのは、まさかの解雇通告だった。

「(解雇の書類に)サインしろ、と何度も迫られました。私が(指を失って)使いものにならないからでしょう。私は物じゃないですよ。人間です」

「家族にたくさん仕送りができると思ったのに」

 パワハラに耐えかねて自殺を図った実習生もいる。

「ニホンが大嫌いになりました」

 涙を流しながら語るのは中国人の史健華さん(35)。昨年8月に飛び降り自殺を図り、一命はとりとめたものの腰など3か所を骨折。今もリハビリに通っている。

「私は一生懸命働きました。でも差別やいじめがあり“中国人だから”と馬鹿にされパワハラで身も心も壊した。豊かな日本に行けば家族にたくさん仕送りができると思ったのに」

 史さんは夫と子どもを祖国に残して'15年1月に来日。静岡県富士市の製紙工場で働いた。朝8時から深夜12時まで働いて手取りはわずか月10万円。午後6時以降の残業代は時給300円だった。静岡県の最低賃金は同858円。確信犯的な低賃金労働だった。

「聞いていたお給料と全然違いました」

 渡航前は、1か月の手取りは20万円と聞いていた。中国の送り出し機関に約60万円の借金をしており、切羽詰まった状況に追い込まれた。

「このまま中国に帰ることもできない、何かを訴えたくても日本語でうまく表現できない」

 絶望感にとらわれた史さんは昨年8月、仕事中、発作的に会社のビルから飛び降り自殺を図った。

“安上がりな被ばく労働者”として扱われ

「専門技術を学びに来ました。除染作業をするなんて聞いていませんでした」

 つたない日本語で懸命に訴えるベトナム人男性のグエンさん(仮名・26)。

 福島県郡山市で建設作業員として働くはずだった彼がやらされたのは除染作業だった。作業に必要な特別教育は一切受けていない。日給は5600円で日本人作業員(平均日給1万6000円以上)の3分の1だ。1年以上にわたり安上がりな被ばく労働者として扱われ、雨天などの休業時は1日分の日給である5600円が引かれた。

 グエンさんは、

「除染作業とわかっていたら日本に来ていません。専門技術を学ばせてください」

 と訴えた。

 黄さんや史さんらは現在岐阜県にある『外国人労働救済支援センター』で支援を受けているが、ほとんどの技能実習生は支援先や制度もわからないまま失踪をとげている。

「本来は労働契約で労働条件、賃金が決まるはずなのに、全然違うところ(技能実習生が知らないところ)で決まっている。ブローカー(悪質な労働者仲介業者)によって契約ががんじがらめになっている。今後どのようにブローカーを排除していくのか」

 と、前出の鳥井氏。外国人労働者受け入れ拡大の課題は山積みで、来年4月からの施行なんてとんでもない話。

 会合後、国民民主党の山井和則衆院議員に話を聞くと、

「政府は目先のことだけしか考えていない。もっと丁寧で慎重な議論が必要です」

 と早急な法改正に待ったをかける。

「外国人労働者の受け入れは14業種だけと政府は言いますが、今回の法案では、人手不足ならば上限人数なく全業種の受け入れも可能です。そんなことをしたら外国人と日本人で仕事を奪い合い、賃金が下がりかねない。外国人を受け入れる以上、日本を好きになってもらいたいですよね。

 今の悪い労働条件のままでは技能実習の外国人はもちろん、日本人だってハッピーじゃない状況。人間らしい働き方ができる環境をきちんと整えて上限人数を設けて外国人を受け入れるべきです」(山井議員)

 さらに、安倍首相の拙速な姿勢を批判した。

「移民国家スイスでは『我々は労働者を求めたが、やってきたのは人間だった』という作家の言葉があります。まさにその通りで、人間としての尊厳がきちんと守られること、これが約束できないのならば私は反対です」


安い賃金労働者が欲しい財界の要請によって、来年4月から入国管理法を改正しようとしている。外国人労働者の人権を守ろうとしない仲介ブローカーや賃金未払、最低賃金を守らない悪質企業などを野放しにして「儲けさえすればよいという理念なき企業の横行」、まるで昭和初期の日本労働者の過酷な労働実態の再現という信じがたい現象が起きている

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