大工の学校 

築き人(きづきびと)を志す、職業能力開発校の徒然日記
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床組み完了!

2006年06月07日 | 大工の学校生活
 さてさて、昨日から鉋削りも一息ついて、通常営業に戻ったわれらが大工の学校、昨日は06年6月6日と6が3つ並んで、さあ大変、労働安全衛生準備月間もあることだし校内に貼る「労働安全標語」を募集しました。
「パンチの効かせた作品」をテーマに募集したところ、皆さんプロか?というくらい、上手な標語が多いのです。(おもしろくなぁーい)

 もし、良かったら皆さんも考えてみませんか?(形は自由です)
校内の募集なのでこの場で発表と良い作品は教室に貼るのが賞品となりますが・・・・(あんまり素晴らしかったら僕がパクリマス)

これから、暑くなりますので事故が増えてきます、とにもかくにも安全第一でいきましょう。

 
ところで、授業のほうですが、昨日は材料で「湿式工法」「乾式工法」とシックハウス症候群をテーマに勉強しました。

乾燥(養生)期間が必要なのが湿式工法(土壁・漆喰・モルタル・ジュラクなどなど)
既製品を使用し、養生期間が必要ないのが乾式工法(サイディング・ビニルクロス・石膏ボードなどなど)と簡単に説明しました。

 前者は原材料費が少なくていいのですが、手間代が高くつく、加えて漆喰などを塗ることができる職人がいない、後者は材料費は高いが手間がかからないのと、仕上がりのムラが少ない。
 他にも、施工する人の腕による差が少ないとか、養生期間がないため、工期短縮などの理由で最近の住宅は「乾式工法」が多くとられてます。
 しかし最近、アトピーや喘息などの「シックハウス症候群」とよばれる新築病の原因が、これら乾式工法に使われる新建材の接着剤によるものといわれております。

最近、食べ物も「スローフード」と呼ばれる自然素材の食べ物が増えてますが、建築も近くの山で取れた材料を、地元の大工が建て、左官が、竹を組み、地元の土をこねて壁を作りそのうえに真っ白な漆喰が・・・けっこうしゃれてると思うんだけど、いかんせん自然住宅は高いんですよね「スローハウス」運動でもして、漆喰や土壁などの自然素材をつかう住宅がもっとふえたら安くなるのかなぁ?とか考えますね。

 話は変わって今日ですが、午前中やっとこ、模型の土台組みが終了しました、火打土台の墨付けが、皆さん難儀してたようですけど、大体組みあがったようです。
 構造の名称も作っていくうちに自然と覚えているようです、根がらみとか、床束とか、大引きとか結構覚える単語がたくさんあります。

 大引きは洋室と和室の段差解消(バリアフリーの為)、少し土台より下げて取り付けます(これも自分たちで計算して考えてもらいました)

 今日から福祉住環境コーディネーターの勉強も始まるので、バリアフリーやユニバーサルデザインのことをはじめ「ノーマライゼーション」と難しい用語の説明もこの際とばかりにしました。中でもマズローの5段階の欲求(←クリックすると説明)の話をしたら、中卒の子などがいつもは眠そうに話を聞くのに、

「福祉という漢字には、ともに幸せという意味があります、究極の幸せは自己実現、自分らしく生きること」っていうとけっこう真剣に聞いていました。

やっぱり、最近の若い子は自分の目標や、やりたいことを見つけられず、将来が不安なんやなぁとふと感じ、どうしたらいいか少し考えました。でも僕自身もやりたいことや目標が明確にぴんと来ないわけだから、彼らに見つけろというのも酷なものでしょう。

「まぁ、わけーうちは、自分のやりたいこと腹いっぱい、しときゃいいよ」ていうと「OK!」てうれしそうな顔で返事をしてました、無限の可能性を秘めた若者達(時にバカ者)何とかなるでしょ。

彼らが、「センセー俺大工になる!」って言ってくれるのを楽しみにしている。
TOM-Pさんでした。

                      おしまい
 
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
先生よろしくお願いします。 (アル)
2006-06-07 22:07:12
先生の仕事は立派っす。

その考え方を次世代の職人に教えられている。

素晴らしい事です。
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ありがとうございます (TOM-P)
2006-06-08 10:28:17
 アルさん遅くまで大変ですね。お疲れ様です。



そのように、いわれるとうれしいけど照れちゃいますね。

 ところで熊本に「球磨工業高校」ってありますよね。

 そこの建築科の先生とお会いしたときの影響が強いですね、あそこの卒業生が地元で活躍していくと、どんどんハウスメーカに負けない住宅がふえるかな?と期待してます。



 それにしても建築っていい仕事ですよね、(大変だけど・・・)

お互い頑張りましょう。

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