大工の学校 

築き人(きづきびと)を志す、職業能力開発校の徒然日記
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読書感想文4「半島を出よ 上・下」

2006年05月09日 | 読書感想文
さてさて、読書感想文です。

今回は「半島を出よ」 村上 龍著です。
ありきたりの表現しかないけど、村上龍は天才です。見た目は胡散臭いおっさんですが、参った、降参!と言う作品です。

大まかなスト-リーは、
舞台は近未来の、経済破綻した日本で北朝鮮の反乱軍を名乗る組織が、ホークス戦が行われている開幕戦で満員の福岡ドームを占拠し観客を人質にとり、その後次々と反乱軍が北朝鮮から増強され、手も足も出ない日本政府がついに、九州を日本から切り離すという展開になります。
 
その後の話は万が一興味のある人が、このブログを読むと面白くないので省略しますが、日本政府の無責任体質、国際的な孤立、ニートやホームレスなどなど、日々僕たちが、テレビで危機感をあおられている内容がまさに現実化したというような話です、いつこのような状況になってもおかしくないと思ってしまいます。
矛盾しますが、話の締めくくり方はあまり好きではありませんでした。だけど、あーでもしないと、しかたないかな?というような感想も少しはありました。(これは読んだ人は賛否両論でしょうね)
 
 とにかく、結構な厚みがある本ですが、文字を読む自分の集中力が最大でした。(大体、本はパラパラと読むタイプなのです)
 推理小説は3時間で読んでしまう僕が、一週間かけてじっくり読んだ結果、北朝鮮の特殊部隊に襲われる夢を3回も見たくらいです・・・(怖かったよ本当に)
 なぜなら、描写が半端ではないのです、何百という登場人物が事細かに書かれていますが、すべての人物像が濃いく描かれているので読んでいても「誰だこの人は?」とならないのです。
 それと、資料が半端ではありません、最後に記された、参考文献一覧を数えると、なんと250冊ほどありました。
 当然、すべてに作者が目を通したわけではないのでしょうけど「13歳からのハローワーク」を書いたときのスタッフで創られた作品といえば納得です、その調査能力には感服します。そういえば「13才からのハローワーク」も確かに感心したなぁ、絵本までだしてるし、何者ですかあなたは?
 とにかく、これは村上龍しかかけない作品でしょう、おそらく映画化は無理かな?というか政治問題に発展しかねないので、多分無理でしょうが、映画化されたら絶対見ます!ただし一人で・・・ 
 


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