木材について、考えて見ました・・・

さてさて、本日も「大工の学校」は木工所モードです。

　みんなで、せっせと木を製材したりしました。
　
　今年も材料は、近所のプレカット工場の端材を格安で分けてもらってます。
捨てられてしまう材料なので、自然にもやさしいし、結構長い部材もあり、大助かりなのです。

それはともかく真面目の話で、表題の木が２本あります、何の木かわかるでしょうか？

正解は両方とも「杉」です。
でも、こんなに色が違うのです、なぜかというと左の木は
「人工乾燥材」で右は何もしてない木なのです。

木材は含水率を３０％以下のものを使用することと基準があるんだけど、それをクリアするために、大きな窯で強制的に水分を抜くのです。

色もさることながら、においも強烈で「スッパ煙たい」においがします、とても木の香りは期待できません。
　それから、割くとわかるけど、中にはものすごい大きな亀裂がたくさん出てます、これでは強度も、木の粘りなども期待できません。

はっきり言って、人工乾燥の木は死んでしまってます。確かに含水率が高い生木みたいな材料を使われるのもいやですが、それ以上にこの木を家に使うのはいやだな～と思いました。

確かに、昔の人のように、ゆっくりと時間をかけ自然に乾燥させるということが難しい現実もわかるけど、だからといって短時間で一気に乾燥させてしまうとこんなことになるわけです。ひび割れが木の叫び声のように見えちゃうていうのは大げさでしょうか？　(割れて向こうが見えるのです、こんなのが何箇所も入ります）　　　　　　　　

これでは、グリーン材（生木）はだめで、ＫＤ材を使用することを、国などの基準に書いているけど一概にそうとも言えないようです、担当者は本当に木の事を理解している大工さんに意見を聞いたのかな？こういうことは学者さんでは駄目なのです。

かといって集成材も、接着剤や、耐用年数などにおいて、まだその信頼性もわからないし、僕はあんまり使いたいとも思いません。しかしほとんどの木造系のハウスメーカーが集成材を使用しており、無垢の木よりも強いと、あまり根拠が乏しいけどそのように説明します。

　「大工の学校」の訓練生は材料の授業もあります、だけど実際に手にとって臭いや手触りなど感じることが重要です。そういうところを作るときに感じて欲しいものです。

　経験豊かな、賢い施主さんは本当にいいものはわかるけど、これから家を建てようかな？という若い人などは、営業マンの巧みなトークと見かけや数値にだまされないようにして欲しいものですね～　　　　おしまい。