マンション・メンテblog

集合住宅管理新聞「アメニティ」のブログです。工事業者募集やセミナーの案内などを随時掲載していきます。

管理組合の英知を集めた「未来志向型の全面撤去工法」

2004-12-10 09:00:00 | 屋上防水

多摩ニュータウン豊ケ丘2-1住宅(東京都・多摩市)



工事見学会屋上防水改修工事中の豊ケ丘2-1住宅において、11月20日NPO日住協東京支部主催による工事見学会が行われ、5管理組合9名の参加者があった。同住宅の工事は大変ユニークな取り組みにより着工しているので、工事経過を管理組合に執筆いただいた。



工事工法の検討


豊ケ丘2-1住宅



関係理事が勉強会や見学会に参加し、予備知識を蓄え、アスファルト防水、ゴムシート防水、塩ビシート防水、ウレタン防水について検討した結果、全面撤去のため、仮防水の確実なアスファルト防水を採用しました。



断熱工法「外断熱ブロック工法」と従来の「露出断熱工法」を比較検討し、一長一短があるため両工法で見積を依頼。



「外断熱ブロック工法」は、防水材(アスファルト)の上に断熱材をのせ、その上にコンクリートブロックを施すもので、防水材の劣化が少なく断熱効果が高い。しかし施工例が少なく、工事費がかさみます。一方の「露出断熱工法」は、まず断熱材を敷きつめその上に防水材をのせるもので、当団地も建設当初からこの工法によるものでした。ただ、夏場の屋上表面はおよそ75℃にも達するため、防水材の劣化が促進され、5~6年後に全面保護塗装工事が必要になります。



工事仕様書の作成



工事仕様書と見積様式は、外断熱ブロック工法と露出断熱工法の2種類を、管理組合で作成しました。工事の基本は10年保証付で請負業者の責任施工方式としました。



見積依頼と見積結果



6社(建設工事業者3社、防水専門業者3社)に依頼し、5社が見積に参加。現場説明会は、各社別に時間をかえて行いました。



見積結果は下記の通り。(いずれも税込金額)

























A社外断熱ブロック工法 80,850千円
露出断熱工法 65,415千円
B社外断熱ブロック工法 95,550千円
露出断熱工法 73,500千円
C社外断熱ブロック工法 100,047千円
露出断熱工法 61,236千円
D社外断熱ブロック工法 109,200千円
露出断熱工法 78,120千円
E社外断熱ブロック工法 85,050千円
露出断熱工法 72,450千円
管理組合外断熱ブロック工法 74,025千円
露出断熱工法 63,000千円

業者選定について



管理組合では、総合的に判断して、今回は従来通りの「露出断熱工法」に決定。同工法で6,000万円台の2社に絞り「ヒアリング」を実施。その結果、A社に内定、通常総会での承認を経て契約しました。



工事実施


施工計画書=計画書は、施工業者が作成しました。


住民説明会=契約後、本年9月の日曜日に2度行いました。


現場監理=日常監理は、4名が専任で、毎日2~3名が2回以上現場状況を確認して、その結果を日誌に記載。土曜日には、その他に担当理事等が4名加わります。


さらに、月2回、定例会議を行い、管理組合と工事業者双方が提案事項を検討し、議事録を作成します。


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豊ケ丘2-1住宅管理組合 理事長 西山博之


<豊ケ丘2-1住宅>所在地/多摩市豊ケ丘2丁目1番地築年月/昭和53年3月(築26年)分譲/旧住宅公団構造規模/5階建・RC造5棟130戸、PC造5棟140戸計画・監理/管理組合(田島ルーフィング(株)の指導を受ける)(前回の工事) 平成4年(築後14年)に、重ねトーチ工法による全面改修を行う。(過去の補修工事) 平成8年に保護塗装工事を行ったほか、部分補修工事を7回(工事予定期間) 平成16年9月1日~17年1月31日