6月5日に鎌倉関谷スカイハイツで、大規模修繕工事見学会が開催された。単棟、55戸という小規模マンションにもかかわらず、熱意と理にかなった方法で、管理会社依存ではない管理組合主体の大規模修繕工事を実現し完成させつつある。
せめて管理会社の提案を精査したい
今回の大規模修繕工事は、築24年後の平成16年実施が以前から予定されていた。また、管理組合主体の工事を目指すことも、組合員にほぼ共通した考えであった。
14年9月の定期総会で修繕委員会立ち上げが確認され、11月に"修繕に関する方針"を配布すると共にアンケートを実施。この段階で広報体制かなり整備され、情報公開の姿勢が確立されたといえよう。12月の正式発足以後は、約10日毎に会合を重ね続けている。
まず、既に管理会社(長谷工)から受領している修繕予算内訳書の内容精査が急がれる。第三者の立場から専門的なアシストを受け、委員会で精査できないだろうか、と考え模索を続けていた。独立の設計事務所に設計・監理(コンサルタント)を依頼する工事形態の存在を知り、多方面に当たってみた。しかし、コンサルタントはなかなか見つからず苦労した。
委員全員で日住協へ出向いた
ふと日住協の存在を知り、まず二委員がどんな団体かを調査に出向いた。調査報告を基に討議し、無料相談会で相談してみようということになった。
15年2月15日、委員全員で相談に出向きアドバイスを受けた。相談を受けたのは八生設計事務所の近藤所長で、無料の割には大変有益で、委員の矢継ぎ早の質問にも積極的に回答されていた。好感触を受けたため、その場で一日建物診断を申し込んだ。日住協への入会も決め翌日申込書を発送した。
この無料相談会で、設計監理方式の採用が、目指す大規模修繕・改修を実現する途であることが確認された。 3月30日の総会に提案し、設計監理方式の採用とコンサルタント費用が承認された。
日住協は随時工事見学会を開催しているが、折良く当マンションと同規模のNICハイム西国立の見学会が四月で、参加した。管理会社依存を理事会主導に変えた同マンションの事例を聞き参考になった。工事現場で実際の施工方法などの説明を受け、少しずつ専門用語も理解できるようになってきた。
5月の1日建物診断報告会開催、6月の設計管理者決定(八生設計事務所)を経て、それ以降は設計事務所と仕様打合せを繰り返した。
ヒアリングには現場代理人も呼ぶ
9月に施工業者を募集し(アメニティ)、11月に応募9社から選ばれた4社に対し個別ヒアリングを行った。金額を決定者に加えて現場代理人の出席も要求し、ほぼ同列の4社の中から現場代理人の回答、提案が卓越していたヤマギシリフォーム工業を第一候補に選定した。翌々日に同代理人が前年に担当したマンションへ出向き、大規模修繕の出来映え等を見聞。その翌々日に条件を確認して同社を選定した。
施工開始後は、修繕委員が現場を見て廻り、設計監理者とほぼ毎日連絡を取り合っている。
<アメニティ新聞262号 2004年7月掲載>