マンション・メンテblog

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豊島区初の高置水槽方式から特例直圧給水方式へ切替え

2004-11-10 09:00:00 | 直接給水

藤和高田馬場コープ
藤和高田馬場コープ

 (東京・豊島区)



「特例直圧給水方式」と言われても、聞き慣れない言葉であろう。これまで一定規模のマンションでは、受水槽や高置水槽、その他付帯するポンプ類など必要であったが、平成16年6月1日より、一定の要件を満足していれば1戸建てと同様の水道直結が可能となった。つまり改修する場合に、給水圧力等一定の適用要件等満たす必要はあるが、受水槽や高置水槽などを撤去して給水できる特例の取扱いを受けることが可能になった。



改修工事の概要



藤和高田馬場コープでは、すでに給水管のエポキシライニング工事(更生工事)を実施しており、今回2回目の更生工事を検討していたが、将来的なメンテナンスコストを総合的に解析したところ、共用給水管をステンレス管で更新することに併せて給水方式の切替えを行うことになった。



また、雑排水管(排水用炭素鋼鋼管)のねじ部に腐食が烈しく、今後、漏水する可能性が懸念されたため、埋設部分を除く排水縦主管を耐火二層管で更新している。



給水管等更新改修の経緯



このマンションは、4階建てで30戸、築年数25年という小規模分譲マンションであり、昨年より給水管および排水管の改修を検討していた。高置水槽の耐震性に不安があることや将来的なメンテナンスコストを削減するため、当初は、配管の更新に併せて給水方式を高置水槽および受水槽が不要になる増圧直結給水方式で検討していた。おおむね改修の方針が決定していたところ、東京都では『「特例直圧給水」及び「3階までの受水タンク以下装置を直圧直結給水に切替える場合の例外」の取扱い』ができることを知り、早速その可能性を検討した。その結果、水頭圧等適用要件をクリアすることが分かり、改修方針を変更して給水管の更新および特例直圧給水方式での改修に切替えを行った。



高置水槽および鉄塔撤去前
高置水槽および鉄塔撤去前


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高置水槽および鉄塔撤去後


「特例直圧給水方式」の適用要件



対象となる建物は、4階または5階の小規模マンションに限られ、口径が20mm以上50mm以下で、動水圧、所要水量および末端給水栓の流量など一定の要件に該当しなければならない。詳細については、東京都水道局の所轄事業所に問い合わせ、事前調査申請を踏まえて「実施対象区分」に該当することを確認してから設計審査の申請に移行することになる。



当マンションは、建物の規模のほか、一部がワンルーム賃貸を併設した分譲マンションで戸数の割には所要水量が少ないことや、地理的に見て周辺よりも地盤が比較的低いため給水圧が十分にあったことが幸いした。通常のファミリータイプのマンションであれば、20戸程度が限度と思われる。水道使用量が少なく、小規模だからといって適用できるとは限らないが、将来的な保全費用削減の効果を期待できるため、一応は検討する価値があるものと思われる。



受水槽撤去前
受水槽撤去前


受水槽撤去後
受水槽撤去後


設計・監理
有限会社 鈴木哲夫設計事務所
鈴木哲夫



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<アメニティ新聞266号 2004年11月掲載>