not uncommon but indescribable (photographs)

趣味で撮った写真など、徒然なるままに投稿しております。

【 2つの写真展 】

2010年11月22日 | 出来事

週末を利用し、東京の親戚を訪ねるついでに
足利市立美術館砂町文化センターへ行った。

前者は白石ちえこ氏のオリジナルプリントを見てみたかったし
尾仲浩二氏や小林のりお氏の作品にも関心があった。
どれも期待通り(=想像していたそのままとも言えるが)の作品であった。
いずれも、それぞれの個性が生かされたものだったが、一通り見て得た結論は、
つまるところ「自分の作品は自分のやり方でいくしかない」ということだった。

後者は、江東区砂町に長く住んだ石田波郷の
俳句や身辺日常を撮り続けていた写真に関連して、
大西みつぐ氏が浅草や江東近辺で長年にわたり
撮り続けてきた作品群からの抜粋である。
25年前に太陽賞を受賞した「河口の町」も展示されていたが、
1970年代に撮影された「江東ある日」が特に秀逸であった。
氏自身は「町のたたずまいや暮らしぶりなどを正確に記録するといった視点が
わたしになかった」と謙遜されているが、なかなかどうして、
下町写真の偉大なる先達である木村伊兵衛のスナップを彷彿とさせる、
いや、もっと自然でさりげないカメラワークで、当時の江東の町の雰囲気や
人々の息遣いが写し取られている。「巨匠」の貫禄さえある作品群である。
氏も言うとおり、そこにうつされたものは、もはや返らぬ懐かしい風景であるとともに、
今にも生き続ける町の持ち味でもあることが、砂町銀座商店街などを
歩いてみて感じられた。印刷物の刊行が待たれるところである。

そういえば道中、小名木川を渡ったが、ここは大辻清司氏が
かってアサヒカメラに連載した「実験室」で、生まれ故郷を訪ねる企画の中で
撮影した場所ではなかったかと、橋の上からの風景を見て思い出した。

事前にもう少し調べていけば良かったかな~(← 後の祭り)


この2日間、天気がよかったこともあって、ずいぶんフィルムを消費した。
傑作が撮れたとは思わないが、何か次の創作につながっていけば、と思う。


コメント
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