所長 「アルトが新しいのに変わったのぉ。」
助手 「ですね。少々期待はずれでしたけど。」
所長 「ま、確かにあんまり魅力的とは思えんのぉ。」
助手 「インドでつくってる海外向けアルトと共通のデザインモチーフですけど、正直変な顔ですよね。」
所長 「向こうのアルトの方が幅がある分、格好はいいじゃろ。横から見たトコなんか欧州Aセグメントに相応しい、スポーティーな佇まいじゃしの。」
助手 「軽自動車の規格に合わせないといけませんし、致し方ないと言ったところでしょうね。でもボクが期待はずれだと言ってるのはソコじゃないんですよ。」
所長 「ん、じゃあドコじゃ。」
助手 「価格ですよ、価格。アルトってスズキの中でも一番底辺を受け持つクルマじゃないですか。ここんトコの不況で減税や安いクルマに需要が集まってますから、思い切った価格設定を期待してたんですよ。さすがにタタのように28万円は無理でしょうけど。」
所長 「それで。」
助手 「出てきたクルマを見たら従来とほぼ変わらない価格設定じゃないですか。もちろん新しいプラットフォームに変わってたり、3速のオートマが4速に、4速がCVTになってたりと進化してますし、コストの上昇分を考えると実質的には安くなってるんですけどね。」
所長 「そうじゃな。」
助手 「もっと抜本的に見直して10万、20万規模で安くしないと新興国に対抗出来ないんじゃないですか。」
所長 「国内専用の軽自動車で対抗する必要はないじゃろうけど、今の需要を見とると低価格車はこれから取り組まんとイカン分野じゃろうな。じゃが日本の法規制と今のお客の要望を満たそうとすると、そう変えられんじゃろ。」
助手 「・・・・。」
所長 「例えばインドのタタのように、オートバイの代わりと考えればエアバックなんかの安全装備がなくても問題ないじゃろうし、エアコンやパワーウィンドウなんかの快適装備がなくても十分満足できるじゃろ。じゃが、今の日本で売ろうと考えると何が削れるんじゃ。カップホルダーやあり余っとる収納ボックスぐらいしかないんじゃないか。」
助手 「・・・かもしれませんね。じゃあ、いっそのこと前のアルトのまんまでモデルチェンジしないってのはどうですか。開発費や型代なんかもペイ出来てるでしょうし、大幅に安く出来るかもしれませんよ。」
所長 「確かにその手はあるじゃろうな。実際先代のプリウスも随分と安く出しとるしの。」
助手 「でしょ。」
所長 「じゃが先代の3速オートマのままじゃったら、エコカー減税の対象にならんから、売れ行きがよくなるとは思えんがの。」
助手 「あ、そうか。じゃあマイナーチェンジでオートマを4速に載せ替えればいいんじゃないですか。」
所長 「それじゃったら、安く出来んじゃろうが。」
助手 「でも全部新しくするよりは安いでしょ。」
所長 「どうじゃろうな。」
助手 「どうしてですか。」
所長 「軽自動車って生産効率を高めてようやく儲かるぐらいの利益しかないんじゃ。」
助手 「ま、そうでしょうね。」
所長 「ワゴンR、いやパレットからか、新しいプラットフォームが採用されとって、準じそれに切り替わっていっとるんじゃ。それを古いプラットフォームと両方生産するのは効率が悪くなるんじゃないのかのぉ。それに今どきの軽自動車のプラットフォームって、コスト削減やスペース効率の追求のために、一種類のエンジン専用に開発しとるって聞いたことがあるんじゃ。つまりコンパクトカーのように複数の排気量や新型エンジンに載せ替えるとかを想定して設計しとらんということじゃ。」
助手 「そうなんですか。」
所長 「いや、聞いた話じゃから実際はどうか知らんが、そうやって生産効率を高めて安い価格や広い室内スペースを実現しとるんじゃと思うぞ。じゃから設計時に想定しとらんトランスミッションを載せようとすると改良が必要になるのかもしれん。」
助手 「うーん、結構難しいんですね。」
所長 「その代わり同じプラットフォームやエンジンを使って新しい車種は比較的つくり易いのかもしれんがの。じゃから長い期間おなじクルマをつくるんじゃなくって、おんなじベースで色んなクルマをたくさんつくって短期間で償却するのが今のやり方なんじゃろ。」
助手 「そういうことかもしれませんね。」
所長 「じゃが従来のやり方ではこれからは通用せんじゃろうし、タタのナノのような低価格戦略のクルマや、ダイハツのe:Sのように燃費に特化したクルマに変わっていくじゃろうな。それが次のアルトなのか、それとも新規で出てくるのかわからんがの。」
助手 「ですね。」
所長 「それにしてもアルトってモデルチェンジの度にコロコロ変わるの。先代はトヨタのWiLLシリーズみたいなクルマじゃったし、その前のはデザインをするのを放棄したとしか思えんかったしの。」
助手 「あの型のワークスは凄かったですね。」
所長 「もうひとつ前の型が好きじゃったから、その変貌振りに落胆したモンじゃ。」
助手 「えーと、どんなカタチでしたっけ。」
所長 「ほれっ、新規格になる前のヤツで、フィアットのチンクェチェントやY10なんかに似た直線基調のヤツじゃ。」
助手 「ますますわからなくなりましたけど。」
所長 「あれの3ドアが欲しくて探しとったんじゃが、セルボモードのいい出物があったんでそっちにしたんじゃ。」
助手 「はぁ、そうですか。」
参考資料
スズキ・アルト(スズキ株式会社)
SUZUKI ALTO(海外仕様)(スズキ株式会社)
タタ・ナノ(Wikipedia ウィキメディア財団)
ダイハツ e:S(ダイハツ工業株式会社)
スズキ・アルト(4代目)(『GAZOO.COM』 トヨタ自動車株式会社)
Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所
助手 「ですね。少々期待はずれでしたけど。」
所長 「ま、確かにあんまり魅力的とは思えんのぉ。」
助手 「インドでつくってる海外向けアルトと共通のデザインモチーフですけど、正直変な顔ですよね。」
所長 「向こうのアルトの方が幅がある分、格好はいいじゃろ。横から見たトコなんか欧州Aセグメントに相応しい、スポーティーな佇まいじゃしの。」
助手 「軽自動車の規格に合わせないといけませんし、致し方ないと言ったところでしょうね。でもボクが期待はずれだと言ってるのはソコじゃないんですよ。」
所長 「ん、じゃあドコじゃ。」
助手 「価格ですよ、価格。アルトってスズキの中でも一番底辺を受け持つクルマじゃないですか。ここんトコの不況で減税や安いクルマに需要が集まってますから、思い切った価格設定を期待してたんですよ。さすがにタタのように28万円は無理でしょうけど。」
所長 「それで。」
助手 「出てきたクルマを見たら従来とほぼ変わらない価格設定じゃないですか。もちろん新しいプラットフォームに変わってたり、3速のオートマが4速に、4速がCVTになってたりと進化してますし、コストの上昇分を考えると実質的には安くなってるんですけどね。」
所長 「そうじゃな。」
助手 「もっと抜本的に見直して10万、20万規模で安くしないと新興国に対抗出来ないんじゃないですか。」
所長 「国内専用の軽自動車で対抗する必要はないじゃろうけど、今の需要を見とると低価格車はこれから取り組まんとイカン分野じゃろうな。じゃが日本の法規制と今のお客の要望を満たそうとすると、そう変えられんじゃろ。」
助手 「・・・・。」
所長 「例えばインドのタタのように、オートバイの代わりと考えればエアバックなんかの安全装備がなくても問題ないじゃろうし、エアコンやパワーウィンドウなんかの快適装備がなくても十分満足できるじゃろ。じゃが、今の日本で売ろうと考えると何が削れるんじゃ。カップホルダーやあり余っとる収納ボックスぐらいしかないんじゃないか。」
助手 「・・・かもしれませんね。じゃあ、いっそのこと前のアルトのまんまでモデルチェンジしないってのはどうですか。開発費や型代なんかもペイ出来てるでしょうし、大幅に安く出来るかもしれませんよ。」
所長 「確かにその手はあるじゃろうな。実際先代のプリウスも随分と安く出しとるしの。」
助手 「でしょ。」
所長 「じゃが先代の3速オートマのままじゃったら、エコカー減税の対象にならんから、売れ行きがよくなるとは思えんがの。」
助手 「あ、そうか。じゃあマイナーチェンジでオートマを4速に載せ替えればいいんじゃないですか。」
所長 「それじゃったら、安く出来んじゃろうが。」
助手 「でも全部新しくするよりは安いでしょ。」
所長 「どうじゃろうな。」
助手 「どうしてですか。」
所長 「軽自動車って生産効率を高めてようやく儲かるぐらいの利益しかないんじゃ。」
助手 「ま、そうでしょうね。」
所長 「ワゴンR、いやパレットからか、新しいプラットフォームが採用されとって、準じそれに切り替わっていっとるんじゃ。それを古いプラットフォームと両方生産するのは効率が悪くなるんじゃないのかのぉ。それに今どきの軽自動車のプラットフォームって、コスト削減やスペース効率の追求のために、一種類のエンジン専用に開発しとるって聞いたことがあるんじゃ。つまりコンパクトカーのように複数の排気量や新型エンジンに載せ替えるとかを想定して設計しとらんということじゃ。」
助手 「そうなんですか。」
所長 「いや、聞いた話じゃから実際はどうか知らんが、そうやって生産効率を高めて安い価格や広い室内スペースを実現しとるんじゃと思うぞ。じゃから設計時に想定しとらんトランスミッションを載せようとすると改良が必要になるのかもしれん。」
助手 「うーん、結構難しいんですね。」
所長 「その代わり同じプラットフォームやエンジンを使って新しい車種は比較的つくり易いのかもしれんがの。じゃから長い期間おなじクルマをつくるんじゃなくって、おんなじベースで色んなクルマをたくさんつくって短期間で償却するのが今のやり方なんじゃろ。」
助手 「そういうことかもしれませんね。」
所長 「じゃが従来のやり方ではこれからは通用せんじゃろうし、タタのナノのような低価格戦略のクルマや、ダイハツのe:Sのように燃費に特化したクルマに変わっていくじゃろうな。それが次のアルトなのか、それとも新規で出てくるのかわからんがの。」
助手 「ですね。」
所長 「それにしてもアルトってモデルチェンジの度にコロコロ変わるの。先代はトヨタのWiLLシリーズみたいなクルマじゃったし、その前のはデザインをするのを放棄したとしか思えんかったしの。」
助手 「あの型のワークスは凄かったですね。」
所長 「もうひとつ前の型が好きじゃったから、その変貌振りに落胆したモンじゃ。」
助手 「えーと、どんなカタチでしたっけ。」
所長 「ほれっ、新規格になる前のヤツで、フィアットのチンクェチェントやY10なんかに似た直線基調のヤツじゃ。」
助手 「ますますわからなくなりましたけど。」
所長 「あれの3ドアが欲しくて探しとったんじゃが、セルボモードのいい出物があったんでそっちにしたんじゃ。」
助手 「はぁ、そうですか。」
参考資料
スズキ・アルト(スズキ株式会社)
SUZUKI ALTO(海外仕様)(スズキ株式会社)
タタ・ナノ(Wikipedia ウィキメディア財団)
ダイハツ e:S(ダイハツ工業株式会社)
スズキ・アルト(4代目)(『GAZOO.COM』 トヨタ自動車株式会社)
Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所
>ミラとミニカにはある3ドア車が無いのは採算が合わないんでしょうか。
そうなんですか。全く知識がなかったんで慌てて調べてきました。
アルトはMTがあるのでフロアシフトを採用したんでしょうね。
ミラもバンにはMTがあるんですが、ATはインパネシフト、MTはフロアシフトとつくり分けています。この辺りがダイハツとスズキとの考え方の違いなんでしょうね。
3ドア車がないのも安ければ5ドアだけでいいだろうというスズキの合理的な考え方に基づくモノでしょうね。
>ちょっと話それますが、MRワゴンってやっぱりスズキにしては珍しく一貫性が無いですね。
ですね。次期型はどんな手で来るか楽しみです。
ミラとミニカにはある3ドア車が無いのは採算が合わないんでしょうか。
ちょっと話それますが、MRワゴンってやっぱりスズキにしては珍しく一貫性が無いですね。
で、日本のアルトを見ると「なんだかなぁ」といった感じがするんですよ。
>実はけっこう気になるクルマで、近日見にいこうと思っています。
>MTの試乗車があれば、最高なんですが・・・
そうなんですか!
細かいところは見れてませんので、詳細な試乗記、楽しみにしてます。
実はけっこう気になるクルマで、近日見にいこうと思っています。
MTの試乗車があれば、最高なんですが・・・