轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

レクサス UX

2019-01-11 18:14:07 | LEXUS
助手 「レクサスのESに続いて発売されたUXはどうですか。」

所長 「うーん、あんまり興味が湧いてこんの。」

助手 「ボクも写真で見ただけですけど、あんまりいいと思いませんでしたね。」

所長 「ふーん。」

助手 「やたらとエッジが立ってて、それが直線ならまだいいんですが、カーブを描いて上がっていくのが、どうもうるさく感じるんですよ。」

所長 「斜め前から見たトコなんかは、サイズ感を感じさせない迫力があって、結構いいように思ったんじゃけどな。横から見ると確かに線が多すぎるの。マツダのデミオを無理やりグレさせたみたいじゃ。」

助手 「ハッハッ、窓のカタチなんか確かにデミオっぽいですよね。コンパクトクラスなんで、レクサスの中でも斬新な感じにしたかったんだと思いますけどね。」

所長 「そんな感じじゃな。」

助手 「ただ最近の傾向じゃ、エッジを無くして滑らかな面で表情を付ける方向に行ってるそうですよ。ベンツのSLSとかBMWのX2、あとこの間発表したマツダのアクセラの新しいヤツもそうですね。」

所長 「別にヨソに合わせんでもいいじゃろ。ようはレクサスのデザインがそれらを上回る魅力があるんじゃったらな。」

助手 「それはそうですね。」

所長 「その部分で今度のUXがそれほどいいとは思わんがの。」

助手 「ですね。」

所長 「これじゃったら姉妹車のC-HRの方がいいんじゃないかのぉ。」

助手 「ボクもC-HRのデザインの方が好きですけど、レクサスにはレクサスのカラーがありますからね。」

所長 「そのカラーが魅力的かどうかが問題じゃと思うがの。」

助手 「まぁ、あのデザインが魅力的だと思うヒトが多ければ問題ないんじゃないですかね。発売1か月の受注が8,800台で目標の10倍近くあったそうですよ。」

所長 「目標台数の900台が少なすぎるんじゃないかのぉ。C-HRは月に6,000台ぐらい売れとるんじゃろ。」

助手 「価格帯が違うでしょ。C-HRなら一番高いヤツでも100万円も安いですからね。プレミアムブランドのこのクラスのクルマで年間1万台売れてるのがないんで、そこからはじき出したんじゃないでしょうか。」

所長 「ふーん、そんなモンなのか。もっと売れとるモンじゃと思とったわ。」

助手 「確かにSUV流行りでよく売れてる印象がありますけど、そもそも車種が多いですし、1車種当たりの台数はそんなに多くないんじゃないですかね。」

所長 「それはあるかもしれんの。ベンツやBMWにアウディ、それぞれのメーカーが何車種も揃えとるしの。」

助手 「ですよね。一気に増えましたよね。それだけ大きい市場があるってコトなんでしょうけど。」

所長 「ま、日本で売っとるのはホンのおまけ程度じゃろ。世界中でSUVが持て囃されとるそうじゃし、十分採算が取れるんじゃろう。」

助手 「でしょうね。そこに遅ればせながらレクサスが参入したってコトなんですけど、どうなんでしょうね。」

所長 「何がじゃ。」

助手 「いや、そもそもこの手のクルマってトヨタのRAV4が元祖みたいなモンじゃないですか。」

所長 「まぁ、そうじゃな。」

助手 「RAV4が出たのが94年で、97年には高級ゾーンにハリアーを投入してるんですよね。」

所長 「今のレクサスのRXじゃな。」

助手 「同じ年にベンツがMLを発表してるんですけど、BMWのX5が出たのが2000年、アウディのQ7が出たのは2006年ですからね。」

所長 「そんなに遅かったかの。」

助手 「そうなんですよ。その時点ではレクサスがリードしてたんですよ。その後他のメーカーが矢継ぎ早にラインナップを揃えていくのに、レクサスの次のモデルが出たのが、2014年のNXですからね。17年も何をしてたんでしょうね。」

所長 「確かに空きすぎじゃな。」

助手 「C-HRがベースのUXはともかくNXって4代目のRAV4がベースになってるんですけど、出す気になれば2代目、3代目のときにでも出せたはずでしょ。ヨソのメーカーはベースのSUVを持ってませんから、圧倒的にトヨタが有利なハズだと思うんですけどね。」

所長 「確かにそうじゃな。カッコだけじゃなくってランクルなんかの本格的なクルマもあるし、ノウハウを考えてもこの分野はトヨタの独壇場になってもおかしくないわな。」

助手 「でしょ。それがすっかり後手にまわってしまってるでしょ。」

所長 「言えとるの。ま、トヨタもこれだけ急激にSUVが世界を席巻するとは思っとらんかったんじゃろうな。初めは北米の局地的なモンじゃったし、デカいRXがあれば問題なかったんじゃろ。ヨーロッパなんかではまだまだニッチな市場じゃったしの。」

助手 「それにしても遅すぎるでしょ。BMWのX3なんてもう3世代目ですからね。」

所長 「ま、市場に特化したクルマを素早く出すのはトヨタブランドがあるし、レクサスはもっとじっくりとブランドをつくって行きたかったんじゃないかのぉ。」

助手 「でも結局、RAV4やC-HRをベースにしたクルマを出してきたワケでしょ。やるんならもっと早くやっとけば、それだけ市場を押さえるコトが出来たと思うんですけどね。」

所長 「言い方を変えれば、満を持して登場させたとも言えるじゃろ。レクサスって他のメーカーと比べて慎重にブランドをつくっていっとるように思えるんじゃ。目先の売上を追いかけてドンドン投入するんじゃなくって、レクサスとしてその市場にどういうクルマを当て込むかをじっくり構えて進めとるんじゃないかのぉ。」

助手 「確かにそういうところは感じますね。ま、トヨタ・ブランドがあってこその進め方なんでしょうけどね。」

所長 「ま、それにしても遅すぎるとは思うがの。」

助手 「ですね。で、重い腰を上げて送り出したUXが、市場でどう受け入れられるかで成果が問われるってところですね。」

所長 「そういうコトじゃな。」

助手 「所長はどう思われますか。」

所長 「満を持してってクルマには見えんの。結構な値段のクルマなんじゃが、それだけの値打ちがあるようには思えんし。」

助手 「4、5百万しますからね。」

所長 「もう少し安ければ、CTに代わるエントリークラスになれると思うんじゃがな。日本でのレクサスの販売ってRXやなんかの高いのが好調な割りに安いのがあんまり売れとらんからの。裾野を広げようと思うと安いのが台数を稼がんと苦しいじゃろ。」

助手 「ですね。」

所長 「少なくともお膝元の日本で、ベンツやBMWに台数で負けとるようじゃどうしょうもないわの。ラインナップが充実した分、車種が少ないって言いワケもできんじゃろうし。」

助手 「・・・・。」



参考資料
レクサスUX(トヨタ自動車株式会社)

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2 コメント

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バリエーション (元鏡屋)
2019-01-14 01:13:11
販売会社統合と車種統一が叫ばれる中にレクサスとsuvのバリエーション多展開と相反する要素がおおいですよね。他メーカーでは出来ないやり口なのでトヨタがどう切り抜くか見物ですが。
デザインは迷走を否めないです。中古の初代isやGSのほうがインテリを感じます
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Re:バリエーション (宇垂)
2019-01-15 18:51:33
元鏡屋さん

>販売会社統合と車種統一が叫ばれる中にレクサスとsuvのバリエーション多展開と相反する要素がおおいですよね。他メーカーでは出来ないやり口なのでトヨタがどう切り抜くか見物ですが。

トヨタの販売会社統合は、相当混乱しそうな気がしますね。

>デザインは迷走を否めないです。中古の初代isやGSのほうがインテリを感じます。

出たときはいいと思わなかったんですが、今から見ると日本開業当時のレクサスってどれもシンプルで好感が持てます。
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