轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

ダイハツ・ムーヴ

2013-02-22 18:51:09 | DAIHATSU
助手 「ムーヴがビッグマイナーで自動ブレーキを採用してきましたね。」

所長 「らしいの。」

助手 「価格差が5万円ってコトですけど、凄いですね。」

所長 「じゃな。フォルクスワーゲンのup!もそうじゃけど、新しい装備を安い値段でいち早く採用するコトで、一気に普及するコトにつながるし、いいコトじゃと思うぞ。」

助手 「ですね。軽で付くようになると、それ以上のクルマは付いてないと売りにくくなるでしょうしね。」

所長 「じゃろうな。モデルチェンジのタイミングでみんな付けてくるじゃろうな。」

助手 「あと感心したのが、一番安いグレードでも選べるんですよね。」

所長 「これはダイハツの英断じゃと思うぞ。」

助手 「ま、5万円で抑えるために、レーザーレーダー式を採用してるんで検知距離が短いらしいですね。20キロ以下で完全停止、30キロ以下で衝突を軽減、それ以上だと機能しないっていうのが、ちょっとひっかかりますけどね。」

所長 「うーん、考え方次第じゃないかの。そりゃスバルのアイサイトやボルボのようにヒトに反応するのと比べると、劣っとるのは間違いないじゃろ。じゃがそもそも自動ブレーキが付いとらんクルマしか選べんかったワケじゃし、あるだけで十分有難い話じゃと思うぞ。」

助手 「それもそうですね。付いてないクルマに毎日平気で乗ってるのに、30キロ以上では使えないって聞いて、不安に思う方がどうかしてますよね。」

所長 「そういうコトじゃ。もちろん機能はいいに越したコトはないんじゃが、何十万もするようでは、普及させるのは難しいし、付いてないクルマが市場に出回るというコトは、全てのクルマに付くようになるまで、それだけ余計に時間が掛かるってコトじゃからの。」

助手 「ですね。機能は年々良くなるでしょうし、出だしは全てに満足出来なくっても、まず付いてるコトが大事なのかもしれませんね。」

所長 「そういうコトじゃ。じゃから今度のはダイハツの英断じゃというとるんじゃ。ま、今のところムーヴだけじゃし、他のクルマにも早く載せんとイカンじゃろ。モデルチェンジまで待たんでも今年中にどの車種で選べるようにするとかすれば、文句はないんじゃがな。」

助手 「もしホントにそう出来れば、販売台数の上位をダイハツで独占するコトになるかもしれませんよ。それだけユーザーの関心が大きい装備ですからね。」

所長 「ま、もっともそうなれば他社も黙っとらんじゃろうけどな。そうなると国産車は付いてて当たり前って状態になるワケじゃし、何年か後には事故数が激減しとるかもしれんの。」

助手 「低速での追突の割合って多いらしいですし、それがなくなると凄いですね。リモコンキーが普及して閉じ込みキーが減ったのとおんなじ状態になるかもしれませんよ。」

所長 「自動ブレーキもまだまだ進化するじゃろうし、ヒトや障害物への対応とか、高速走行時の被害の低減とか、これから各メーカーが開発を競うじゃろうし、どんどん高性能になって値段も安くなるじゃろ。そのための一歩として、スバルやup!、今回のムーヴの役割りは大きいと思うぞ。」

助手 「ですね。あとムーヴですけど、マイナーチェンジとは思えないぐらい他にも盛りだくさんですよね。燃費なんて29キロまで来ましたよ。2年前にデビューしたときは、10・15モードで27キロだったのが、去年の改良でJC08モードで同じく27キロ、10・15だと30キロですよ。それが今度のマイナーでJC08で29キロでしょ。」

所長 「ワゴンRが28.8キロを叩き出しとるし、それを超えんとイカンから必死なんじゃろうな。」

助手 「そうなんですけど、あれだけ騒がれたミライースとたったの1キロしか変わらないんですよ。同じイーステクノロジーを採用してるんでしょうけど、ミラ・イースはボディからして燃費スペシャルに開発してますし、そもそも重量が違いますしね。」

所長 「ま、ムーヴが良くなったというコトは、その分ミラ・イースも伸びしろが出来たってコトじゃし、時間の問題で改良してくるじゃろ。」

助手 「そう言えば、アルトエコが33キロまで伸ばしたようですね。まさかのプリウス超えですよ。」

所長 「スズキは『エネチャージ』でサブバッテリーを積んで回生ブレーキを電装品に使って燃費を稼いで、ダイハツは『サーモマネージメント』って言うCVTを暖める機能をつけたそうじゃな。いろいろと考え付くモンじゃのぉ。」

助手 「他にもアイドルストップが、これまでの時速7キロから9キロでエンジンが止まるようになりましたしね。」

所長 「にしてもライバルがいるとどんどん進化していくし、お客にとっては有難いのぉ。」

助手 「ですね。あと走りもNワンに対抗して、全車種にフロントスタビライザーを採用したり、カスタムとおんなじローダウンサスで引き締めたそうですよ。」

所長 「やれるコトは全部やったって感じじゃの。」

助手 「ホント、ダイハツの集大成って感じですよね。これまでイマイチ存在感が薄かったムーヴですけど、一気に軽の中心に躍り出るんじゃないですか。」

所長 「そう言えば、前にもそんなコト言うとったのぉ。影が薄いとかなんとか。」

助手 「だって実際そうだったじゃないですか。販売台数を見ても明らかですけど、現行が出た一昨年はタントを抜いてダイハツの一番手に返り咲きましたけど、去年はまたタントに抜かれてしまいましたしね。しかもタントってモデル末期もいいトコでしょ。」

所長 「うーん、別にムーヴが売れんかってタントに抜かれたワケじゃないじゃろ。タントがよぉ売れた結果じゃ。大方、去年Nボックスがバカみたいに売れたから、対抗してタントの値引きを頑張ったんじゃろ。」

助手 「あっ、そうか。」

所長 「ま、ダイハツとしてはどっちが売れても問題はないんじゃろうけどな。ムーヴ、タント、ミラと月に1万台以上出るタマが3つもあるんじゃし、ホンダが攻勢を掛けてきとるがダイハツの牙城はなかなか崩せんじゃろな。」

助手 「ですね。」

所長 「ま、ムーヴの影が薄く感じるのもわからんでもないんじゃけどな。」

助手 「どういうコトですか。」

所長 「ムーヴの先代と現行って、そう大きく変わっとらんじゃろ。」

助手 「いわゆるキープコンセプトってヤツですよね。」

所長 「じゃが、その割にはマイナーチェンジごとに顔をちょこちょこと変えてきとるじゃろ。」

助手 「そう言えば今回も、顔つきが大きく変わりましたね。なんでもカスタムはここんトコ高級志向に走り過ぎてて、本来の『裏ムーヴ』的な不良っぽさが失われてしまってるってコトで、今回のは原点回帰で存在感を際立たせたそうですよ。」

所長 「ふーん、そうか。ワシが言いたいのは、先代と現行で2世代、マイナーで顔を変えとるから4タイプ、それぞれに標準モデルとカスタムがあるから、合計8パターンも違う顔つきのクルマがあるわけじゃ。」

助手 「ま、先代と現行を一緒くたにすれば、そういうコトになりますね。」

所長 「じゃがどれもカタチ自体は似たようなモンじゃし、どれもムーヴとしてちゃんと認識出来るじゃろ。」

助手 「もちろんその範疇でデザインをしてるワケですから。」

所長 「それがマイナスに作用しとるような気がするんじゃ。」

助手 「どういうコトですか。」

所長 「つまりじゃな、いろんな顔のムーヴが街中を走り回っとるせいで、これがムーヴの顔ってモンが出来上がってないんじゃないかのぉ。」

助手 「えっ、仰る意味がよくわからないんですけど。」

所長 「うーん、どう言えばいいのかのぉ。そうじゃなぁ、例えばなんにも見んとムーヴの絵を描くとするじゃろ。スマンがワシには描ける気がせんのじゃ。」

助手 「それは所長に絵心がないって話ではないですよね。」

所長 「上手い下手の話じゃないわ。これがワゴンRやNボックスなら下手なりに描けそうな気がするんじゃがの。」


参考資料
ダイハツ・ムーヴ(ダイハツ工業株式会社)
ダイハツ・ムーヴカスタム(ダイハツ工業株式会社)
ダイハツ・ムーヴ(前期型)(轟クルマ文化研究所)
ダイハツ・ムーヴ(先代)(轟クルマ文化研究所)

Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« トヨタ・クラウン | トップ | メルセデスベンツ Aクラス »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ひでゆ)
2013-03-03 08:46:03
 「低燃費だけじゃない」とCMでは言ってますが
結局「低燃費と自動ブレーキだけ」でしたね。(笑)

 それはともかく、その自動ブレーキ、スバルへのOEMの関係上
てっきり「アイサイト」を搭載しているモンだと思ってましたが
どうも違うっぽいですね。

 でもスバルもVWもダイハツも、一般視聴者からみたら
どれも同じ効果があるだろうと思ってしまいます。
(これはある意味、スバルの罪ですね。)
返信する
Unknown (宇垂)
2013-03-04 18:49:20
ひでゆきさん(ですよね)

> 「低燃費だけじゃない」とCMでは言ってますが
>結局「低燃費と自動ブレーキだけ」でしたね。(笑)

いやいや走行性能に価格も売りですよ。

> それはともかく、その自動ブレーキ、スバルへのOEMの関係上
>てっきり「アイサイト」を搭載しているモンだと思ってましたが
>どうも違うっぽいですね。

アイサイトはスバルの懐刀なんで、そう簡単に他社には出さないでしょう。
(トヨタ自身、他社の技術は使いたくないってのもあるんでしょうけど。)
スバルでムーヴをOEM販売(ステラ)してますけど、どういう売り方をしてるのか気になるところですね。
やっぱりアイサイトよりも劣るっていうのを強調するんでしょうか。

> でもスバルもVWもダイハツも、一般視聴者からみたら
>どれも同じ効果があるだろうと思ってしまいます。
>(これはある意味、スバルの罪ですね。)

この辺は販売する方がきっちり説明をしとかないと、揉めそうですね。
止まらなかったせいで撥ねてしまったって、文句をいいにくるユーザーが出てこないといいのですが。
返信する

コメントを投稿

DAIHATSU」カテゴリの最新記事