轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

アウディ A5

2008-03-07 19:07:44 | Audi
所長 「アウディのA5ってどう思う。」

助手 「ああ、この間出た新しいヤツですね。まだ見てないんでなんとも言えませんけど。」

所長 「ワシもまだ写真でしか見とらんが、よぉわからんのじゃ。」

助手 「何がわからないんです。」

所長 「うーん、なんて言うんかのぉ、このクルマの魅力とか良さがじゃ。」

助手 「そうですか。ボクにはわかりますけどね。まず今度出る新しいA4をベースにしたクーペでしょ。で、このクルマの一番の売りはやっぱりこの流麗なボディでしょ。」

所長 「で。」

助手 「えっ、でってそれだけでしょ。」

所長 「そんなモン、言われんでもわかっとるわ。ワシが言いたいのは、そのボディがそれほど魅力的とは思えんということじゃ。」

助手 「そうですかぁ。ボクはいいと思いますけどね。シングルフレームグリルもこのクルマなら似合うと思いますし。今までのA4と違ってボディ全体が流れるようなフォルムになってるじゃないですか、やっとアウディのやりたかったことがわかったような気がしましたよ。」

所長 「そんなにいいとは思えんのじゃがな。」

助手 「いいに決まってるじゃないですか。ショルダーラインがフェンダーアーチのとこで波打ってるとこなんて、今までのアウディにはなかったテイストですし、セダンとは違うクーペならではのエレガントな感じなんて素晴らしいじゃないですか。日本人のデザインだそうですし、誇らしく思いますよ。」

所長 「その割には顔つきやリアのデザインなんかはセダンとたいして変わらんじゃろ。」

助手 「それはアウディのファミリーフェイスですし、わざとおんなじにしてるんじゃないですか。」

所長 「そんなモンかのぉ。なんか中途半端な気がするんじゃがな。」

助手 「そんなことないですって。このデザインにケチをつけてるのって所長ぐらいのモンですよ。雑誌なんかでもベタ褒めですよ。」

所長 「うーん、なんて言うんかのぉ、ここ十年ぐらいのアウディのデザインはホントに素晴らしかったし、業界への影響も大きかったと思うんじゃ。じゃがそれはあくまでもこれまでのことであって、これから先のことはわからんじゃろ。じゃがアウディが出すなら間違いない、という風潮になっとるような気がするんじゃがな。」

助手 「それは所長の思い過ごしでしょ。」

所長 「例えばこの間のマツダのアテンザと比べたら、贔屓目なしにアテンザのデザインの方がいいと思うんじゃ。ただA5にはアウディのバッジが付いとってアテンザにはマツダのバッジが付いとるせいで、世間ではそう見てもらえんだけのような気がするんじゃがな。」

助手 「確かにアテンザのデザインはボクもいいと思いますけど、A5とは比べられないでしょ、そもそもジャンルが違いますしね。」

所長 「そうかぁ、アテンザのクーペなんてあったらさぞかし格好いいと思うんじゃがな。ま、全長とホイールベースは縮めんとバランスがとれんじゃろうけど。」

助手 「確かにカッコいいかもしれませんね。でもそんな絵空事は置いといて、アウディの話に戻しましょ。」

所長 「おぉ、そうじゃったな。どこまで話したかのぉ。」

助手 「中途半端な気がする、ってとこじゃなかったですか。」

所長 「おぉ、そうじゃった。セダンをベースにしたクーペってふた通りのやり方があると思うんじゃ。ひとつはBMWの3シリーズのようにセダンのボディを2ドアにしてスポーツ性を高めたモンじゃ。現行モデルでは顔つきを変えてきたんじゃが、先代まではハッチバックの3ドアと5ドアとの関係みたいなモンじゃったじゃろ。」

助手 「そうでしたね。E36の318iSなんて、かなりそそられるモデルでしたね。マニュアルもありましたし。」

所長 「じゃろ。4ドアより走りに対してピュアなイメージじゃったじゃろ。初代インプレッサの2ドアのWRCなんかも同様じゃな。で、もう一つはベンツのCLKのように独立したモデルとして違うデザインを纏ったクルマじゃ。スカイライン・クーペやプジョーの406クーペなんかのようにセダンと共通のイメージを残しながらよりエレガントなボディを被せたモンじゃ。」

助手 「こっちもいいですね。まさに大人のクルマって感じで。」

所長 「で、アウディのA5なんじゃけど、どっちかというとCLKよりのクルマじゃと思うんじゃ。名前もA4クーペじゃなくって独立したモンにしとるしの。」

助手 「そうですね。」

所長 「そう考えてみるともっとデザインを変えてもよかったと思うんじゃ。せっかくのクーペボディなんじゃからフロントなんかももっと低く構えるとか出来たと思うんじゃ。」

助手 「言われてみればそうですね。ブランニューのモデルとして考えれば他のモデルから大きく変わってないかもしれませんね。」

所長 「ワシが思うに制約が大きくていじれるところが限定されとったんじゃないかと思うんじゃ。」

助手 「うーん、スポーツ性を高めればTTなんかと被ってしまいますしね。」

所長 「それにアウディ・クワトロをモチーフにしたとか言っとるけど、あの頃とはアウディのイメージが大幅に変わっとるからのぉ。ブリスターフェンダーを模した波打ったプレスラインや折れ曲がったCピラーぐらいしか表現出来んかったんじゃろ。」

助手 「そういうことですか。」

所長 「これがA4クーペとして出とったらまだわかるんじゃけどな。ま、その場合、3.2Lだけじゃなくって1.8か2Lの廉価版も欲しいとこじゃけどな。」

助手 「そうですね。695万円と言われれば引きますよね。」

所長 「もっともターゲット顧客は年収1500万以上らしいからワシらは端っから相手にされとらんのじゃがな。」

助手 「ですね。」

所長 「ま、なんにしろまだ実車を見とらんからわからんからのぉ。実車を見たらコロッと変わるかもしれんし。」

助手 「これだけ偉そうに言っといてコロッと変わるのはどうかと思いますけどね。」


参考資料
アウディ A5(アウディ ジャパン株式会社)
アウディ A4(轟クルマ文化研究所)
マツダ・アテンザ(轟クルマ文化研究所)
BMW 3シリーズ(ビー・エム・ダブリュー株式会社)
メルセデスベンツ CLK(メルセデス・ベンツ日本株式会社)

Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所



最新の画像もっと見る

コメントを投稿