轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

ホンダ・フィット その2

2007-11-09 18:03:44 | HONDA
助手 「所長、新しいフィット見てきましたよ。」

所長 「ほぉー。で、どうじゃった。」

助手 「それが、なんていうか、・・・完璧っていうしかないですね。」

所長 「エライ褒めようじゃのぉ。」

助手 「所長が言ってたように悪いとこなんて、どこにも見当たりませんでしたよ。」

所長 「最近のクルマじゃったら、悪いトコなんてそうそうないじゃろ。」

助手 「いや、海外向けの車種を無理やり出したようなクルマもあるじゃないですか、最近のトヨタなんか。でもフィットはケチのつけようがないと言うか、ホント売れて当然と言った感じですね。」

所長 「じゃからこの間もそう言っとったじゃろ。」

助手 「所長が言ってたのは欠点がないっていう話だったじゃないですか。そうじゃなくっていいところが山のようにあるんですよ。」

所長 「例えばどんなんじゃ。」

助手 「そうですね、まず外観が素晴らしいですよ。フロントウィンドウが前に出て、ほぼ完璧なワンモーションフォルムになってましたね。まるで初代のエスティマみたいですよ。フロントエンジンのコンパクトカーでこのフォルムは凄いと思いますよ。」

所長 「ふーん、それで。」

助手 「あと写真では先代とあんまり変わってないみたいに見えたんですけど、実物は全く違うデザインなんですよ。ただ要所要所に先代の特徴を上手く取り入れてるんで、先代のつくったイメージにつながってるっていう感じなんですよ。」

所長 「そうか。」

助手 「それと一番驚いたのがシートの座り心地なんですよ。ホンダ車とは思えない出来栄えですよ、これは。なんていうか、シートの幅といい沈みこみといい、包み込まれる感じといい、まさに欧州車顔負けって感じですよ。」

所長 「確かアコードのフレームを使っとるらしいのぉ。」

助手 「アコードには乗ったことがないんですけど、少なくともウチのステップワゴンの背筋矯正器のような姿勢で座らせるシートの何倍も乗り心地はよかったですね。」

所長 「それはいっぺん座ってみんといかんな。デュアリスやティーダなんかの日産の椅子もよかったし、国産車もシートの考え方を変えてきたのかもしれんのぉ。」

助手 「でしょ、でしょ。ぜひ一度座ってみて下さい。」

所長 「あとはどうじゃ。」

助手 「あとはですね、今までのフィットの強みをより強力にしたって感じですかね。例えば広かった室内がより広くなってますし、後部座席もワンタッチでダイブダウン出来るようになりましたし、ラゲッジルームの広さは先代でもライバル不在だったのがさらに広く深くなってますしね。」

所長 「正常進化、熟成といった感じじゃな。」

助手 「営業の方いわく、フィットって結構ファーストカーとして使われるケースが多いんですよ、ですから内装の質感や走行性能なんかも不満が出ないレベルになってるそうですしね。」

所長 「そうか。」

助手 「そうかって、こないだは所長も珍しく褒めてたのに、なんか冷めてますね。」

所長 「いや、いいクルマっていうのはわかっとるんじゃけどな。ただ・・・。」

助手 「ただ、なんですか。」

所長 「うーん、どう言うんじゃろ、こないだ話したあと考えたんじゃが、いいクルマっていうだけではダメなような気がしてきたんじゃ。」

助手 「どういうことですか。」

所長 「なんていうか、先代が出たときのようなインパクトが足りないんじゃな。」

助手 「そりゃそうでしょ。先代はロゴから思い切って変わりましたし、今回のフィットは先代からの正常進化な訳ですから。」

所長 「もちろん、それもわかっとるんじゃが・・・。なんて言うんかのぉ、先代をはじめて見たとき、びっくりしたんじゃ。燃料タンクの位置を変えることでこんなに広く出来るモンかと。多分フィットを見に行ったヒトはみんな驚いたんじゃないか。」

助手 「確かにそうでしたね。ボクもフィットのラゲッジルームの広さには愕然としましたしね。」

所長 「やっぱり大ヒットするクルマって何かしらそういう驚きというか、意外性のようなモンがあると思うんじゃ。そういう観点で見ると今度のフィットってよく出来てるんじゃけど、予想がつくというか想定内のクルマのような気がするんじゃ。」 

助手 「それは、そうかもしれませんね。」

所長 「特にホンダのクルマって、そういう部分を期待されとるような気がするんじゃ。オデッセイにしてもステップワゴンにしてもキープコンセプトの二代目が初代を超えられん理由は、そういう部分が欠けとるせいなんじゃないかと思えるんじゃ。」

助手 「でもそれだったら、モデルチェンジなんて無理なんじゃないですか。一代限りで見切って、新規投入した方がいいんじゃないですか。」

所長 「そんなことしても名前やカタチがちょっと変わるだけじゃろうが。」

助手 「じゃあ、どうしたらいいと言うんですか。」

所長 「どうしたらいいんじゃろうな。」

助手 「なんですか、それ。」

所長 「ようは、お客を驚かす仕掛けが出来ればそれいいんじゃ。じゃがそんなモンそうそう出来るモンでもないじゃろ。」

助手 「そりゃそうでしょ。」

所長 「じゃから、それが出来るまでは正常進化、熟成するしかないんじゃろうな。」

助手 「それでいいんじゃないですか。」

所長 「例えば、レガシィやワゴンRじゃったら、それでいいと思うんじゃ。お客がそれを望んどるんじゃし。じゃがホンダはそれだけじゃダメなような気がするんじゃ。」

助手 「そうなんですかね。」

所長 「今度のフィットもよく売れると思うんじゃが、1年、2年経つとその他大勢のコンパクトカーの中に埋もれてしまいそうな気がするんじゃ。」

助手 「・・・それはあるかもしれませんね。」

所長 「よくも悪くもホンダはそれだけ期待されとるということなんじゃろうけどな。」


参考資料
ホンダ・フィット(本田技研工業株式会社)
ホンダ・フィット(轟クルマ文化研究所)

Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所


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近年のホンダ (獅子丸)
2007-11-30 21:15:03
フィット、最近試乗して、その出来の良さに驚きましたが、なぜか「クルマ好き」の琴線に触れる部分が希薄なんですよねー。
・・・たとえば、昔の「初代ホンダシティ」あたりは、クルマとしての出来は未消化な部分が多々ありましたが、私が乗っても、面白く、愛着のわくクルマでした。ここ数年、ホンダからそのようなクルマが出てこないのが、とても残念です。
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Re:近年のホンダ (宇垂)
2007-12-01 16:46:57
獅子丸さん

フィット、いいクルマだし、買えばそれなりの満足感も味わえると思うんですよ。

でも単に優秀な機械であって、それ以上のモノを期待出来るかと言えば…、ですよね。

昔のクルマは今のクルマと比べるといろんな部分で劣ってると思いますが、もっとドライバーとの距離感が近かったような気がします。

ま、思い込みなんでしょうけど(笑)
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