轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

ホンダ CR-V

2018-10-19 18:39:18 | HONDA
助手 「所長、ホンダのCR-Vってどう思われます。」

所長 「ああ、復活したとか言っとったのぉ。」

助手 「あんまり売れそうな気がしないんですけど、所長はどう思われますか。」

所長 「詳しいコトはよぉ知らんが、あんまり売れそうな気はせんのぉ。」

助手 「ですよねぇ。正直、なんで復活させたのか不思議でしょうがないですね。」

所長 「それはわからんでもないじゃろ。」

助手 「どういうコトですが。」

所長 「ここんトコのSUVブームで欲が出たんじゃろ。」

助手 「それぐらいはボクでもわかりますよ。でも先代のCR-Vが日本市場から撤退したのが2年前ですよ。すでにSUVブームの真っ只中だったじゃないですか。それでも売れないから撤退したワケでしょ。」

所長 「海外を重視するあまり日本のお客にそっぽ向かれたんじゃろうな。で、その頃とは事情が変わったってコトじゃろ。」

助手 「どう変わったんですか。」

所長 「エクストレイルを筆頭に、CX-5やフォレスターなんかがちゃんと商売として成り立っとるし、3列シートのCX-8が出たのも大きいじゃろうな。」

助手 「どこのメーカーもこのクラスのタマは持ってますし、ホンダだけないっていうのもおかしな話ではありますね。」

所長 「マツダがミニバンから撤退して、3列シートのCX-8を後釜に据えたのが話題になったじゃろ。」

助手 「ミニバンの代わりになるとは思えませんけどね。」

所長 「ま、機能的に問題があるにしても、取り合えず多人数の乗車が可能っていう存在には違いないじゃろ。」

助手 「そんなに需要があるとは思えませんけどね。」

所長 「販売台数が落ちてきとると言ってもホンダのオデッセイやステップワゴンの保有台数って相当なモンじゃろ。」

助手 「今でも初代や2代目のステップワゴンってよく見かけますし、オデッセイも3代目辺りは相当あるんじゃないですか。」

所長 「それらのクルマのユーザーがじゃな、時流に乗って次はSUVにってケースは想像に難しくないわな。」

助手 「ですね。」

所長 「クルマのサイズや価格帯を考えるとヴェゼルではちょっとってお客もおるじゃろうし、3列シートの利便性を捨てれんモンもおるじゃろう。」

助手 「それはありそうですね。」

所長 「そういうお客を今まで逃しとったんじゃないかのぉ。エクストレイルやCX-8、あとアウトランダーにも3列シートがあったはずじゃ。」

助手 「そう考えればホンダにはCR-Vがあるのに日本で売らない手はないですよね。」

所長 「じゃろ。案外、販売店からの要望が大きかったのかもしれんの。」

助手 「かもしれませんね。でも価格がいくらなんでも高すぎだと思いますけどね。」

所長 「そんなに高いのか。」

助手 「一番安いのでも323万円もするんですよ。」

所長 「300万超えかぁ。」

助手 「この間のフォレスターが280万で高くなったってぼやいてましたけど、CR-Vと比べたら可愛いモンですよ。」

所長 「もうワシら庶民にはおいそれと手が出ん存在になってしもとるの。」

助手 「一番高いのだと430万もしますし、もはや高級車の部類ですね。」

所長 「他のクルマも似たような価格帯になっとるのか。」

助手 「いや、そんなコトないですよ。エクストレイルなら220万から310万ですし、フォレスターで280万から310万、CX-5で250万から350万、アウトランダーで270万から330万、あとじゃっかんクラスが違うハリアーが300万から500万ってトコですね。」

所長 「エクストレイルの安さが際立っとるの。売れて当然って感じじゃな。にしてもCR-Vのスタート価格がエクストレイルやフォレスターの一番上よりも高いっていうのはどうなんじゃろうな。」

助手 「でしょ。それでいてガソリンモデルは1.5リットルのダウンサイジングターボでしょ。いくら2.4リットル並みの性能って言われても、320万もするクルマが1.5リットルエンジンって、どうも割が悪いように感じますよね。」

所長 「性能的には問題なくっても、イメージ的に不利じゃろうな。」

助手 「正直、あんまり売る気があるようには思えませんね。」

所長 「うーん、価格に関しては今どきのクルマじゃとこれぐらいして当然なのかもしれんがな。安さが目立つエクストレイルにしても次期モデルでは似たような価格にならんとも言い切れんじゃろ。」

助手 「・・・そうですか。CR-Vって200万ちょっとってイメージだったんですけどね。」

所長 「いつの話をしとるんじゃ。」

助手 「えっ、そりゃ初代でしょ。正直、CR-Vって2代目以降あんまりパッとしたのってありませんよね。」

所長 「初代って確か95年とかじゃろ。20年以上も前のイメージに縛られとるワケじゃ。そりゃメーカーが気の毒じゃな。その頃とは車格も装備も大きく変わっとるし、価格も上がって当然なんじゃがな。」

助手 「それはわかりますけど。」

所長 「CR-Vの悲劇は初代が売れ過ぎたコトかもしれんの。確か最盛期には年間で10万台以上売れたって話じゃろ。」

助手 「あの頃は凄かったですよね。本家のRAV4を完全に圧倒してましたしね。」

所長 「CR-VにしてもRAV4にしても売れなくなったのは、その頃のイメージが強すぎるせいなんじゃないかのぉ。」

助手 「そういう側面もあるかもしれませんね。デカくなって高くなったって批判ばかりされますしね。」

所長 「日本市場に復帰するんじゃったら、いっそのコト名前を変えてしまった方が良かったんじゃないかのぉ。」

助手 「トヨタがネーミングの世界統一をって言ってますけど。」

所長 「ヨソはヨソじゃろ。ほれっ昔、北米仕様のオデッセイをラグレイトって名前で売ってたコトがあったじゃろ。」

助手 「ありましたけど、あれは普通のオデッセイと区別するためじゃないですか。」

所長 「そうなんじゃが、なんかちょっと上等な感じがしたじゃろ、オデッセイって言うより。」

助手 「クルマ自体もオデッセイより上級でしたしね。」

所長 「今度のCR-Vにしても、名前のイメージよりもずっと上等なクルマじゃし、ラグレイトなんか結構似合う気がするんじゃがな。」


参考資料
ホンダCR-V(本田技研工業株式会社)
ホンダCR-V(4代目)(轟クルマ文化研究所)
ホンダ CR-V(3代目)(轟クルマ文化研究所)
ホンダ CR-V(初代)(本田技研工業株式会社)

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10 コメント

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Unknown (Unknown)
2018-10-19 20:18:34
所長!想像に難くない(かたくない)でしょ
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Unknown (宇垂)
2018-10-22 19:52:35
Unknownさん


かたくないって読むんですね。
間違って覚えたみたいです。勉強になりました。
けど思い込みって怖いですね。「難くない」って書かれててもまったく気づかずに過ごしてきました。
ほかにもあるかもしれませんので、見つけたら教えて下さい。
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Unknown (ねこ丸)
2018-10-22 21:27:37
ヴェゼルもHR-Vだったら、今みたいに売れてなかったのかな。個人的には、日本仕様だけ名前つけるのは、あまり好きではないです。
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Unknown (宇垂)
2018-10-23 18:39:45
ねこ丸さん

>ヴェゼルもHR-Vだったら、今みたいに売れてなかったのかな。個人的には、日本仕様だけ名前つけるのは、あまり好きではないです。

どうでしょうね。ヴェゼルは需要をうまく掴んだので、ネーミングとは関係なく売れてたでしょうね。
元HR-Vオーナーとしては複雑な心境ですが。
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並んでましたが (元鏡屋)
2018-10-24 15:55:20
ぱっとみ旧型とかわりないような。
その横にクラリティがいたのでそちらに見いってしまいました。
にしても、軽四からレジェンドまでホンダのラインナップは他社と比べても幅広くて凄いなと。帰国子女も多いですが日産やトヨタみたいに整理整頓したい雰囲気がなく好きですね
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Re:並んでましたが (宇垂)
2018-10-25 18:40:23
元鏡屋さん

クラリティですか。
確かにホンダらしいぶっ飛んだクルマですよね。
ボクには理解不能ですが。

ホンダのラインナップは国内専売モデルとグローバルモデルで別のメーカーのクルマみたいですね。
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Unknown (llll)
2018-12-07 23:56:06
なんだかんだ言っても、世界販売台数ではクロスオーバーSUV部門を押さえているRAV4とCRV。
私にはどういう圧倒的な何かがあるのか分かりません。

3列シートの拡販効果はどれほどか。RAV4・ヴァンガートは止めたし、エクストレイルが人気なのは他の要因が強いだろうし、CX8は広さが全く違うし、アウトランダーは残念な台数だし。
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Unknown (宇垂)
2018-12-08 18:27:34
llllさん

>なんだかんだ言っても、世界販売台数ではクロスオーバーSUV部門を押さえているRAV4とCRV。
>私にはどういう圧倒的な何かがあるのか分かりません。

確かにRAV4とCR-Vの海外での売れっぷりは、日本にいるとさっぱり理解できないですね。

ブームのはるか前から浸透しているビッグネームだとか、マーケットでの信頼感とか、価格とか、いろいろあるんでしょうけど。

>3列シートの拡販効果はどれほどか。RAV4・ヴァンガートは止めたし、エクストレイルが人気なのは他の要因が強いだろうし、CX8は広さが全く違うし、アウトランダーは残念な台数だし。

この手のクルマで多人数乗車を期待して購入っていうのは少ないでしょうね。
その少ないユーザーを上乗せできればってトコなんでしょうけど。
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CR-Vの弱点はホンダの弱点を体現してると思う (high-rookie)
2019-01-18 21:46:57
CR-Vの先代に乗った時、「あれ?外観はそんなに悪くないのにこんなに安っぽい乗り味で良いのか?」と思いました。
なんとなくひょこひょこするというか300万円もするのに高級感がない。
値段以下の価値しかないように感じた。
それが面白い車だったり雪道やサーキットでは同クラスに絶対に負けないといったような個性もない。そう感じ始めると外観も内装もとても300万円台のくるまには見えなくなり、200万円切る位なら買ってもいいかな、と思ってしまった。
最近のホンダ車には総じてそのように感じるものが多い。いや昔からホンダ車は機能や走りを重視して内装や外装は二の次といった道具的なイメージが強い。そのため300万円も出すのであれば高級感とか機能が優れているとか走りが優れているとかを期待するけどどれもイマイチアピールできていない。オデッセイがせめてフリードやステップワゴンとの対比では上位感を出せているかな、というところだけどそれも他社の車と比べたらやはり負ける。

つまりホンダの弱点というのは300万円以上の車で勝負できないということ。200万円台ならまぁ、こんなもんかなと我慢できるけど200万円の車を少し大きくしただけの車に300万円以上出せない。
ヴェゼル位が妥当。ステップワゴンはハイブリッドなら。そしてアコードやシビック、グレイス買うんならフィットで十分と思われてしまうる。(Type-R除く)

繰り返しますがホンダの弱点は200万円までの車はよくできているけれどそれ以上の車に付加価値をつけるのが下手なのでコンパクトや軽の方が売れて大きめの車が売れないからますますコンパクト路線に行く、そしてますます高級車が下手になる、という循環になっている。
今度のCR-Vも200万円前半で出せばライバルを出し抜けるのにヴェゼルがあるからそれもできない。そしてデザインも機能の訴求力も弱いため競合に負ける。
なぜそこから脱することができないか?それは乗りやすさを重視するあまりホンダの一番の売りの走りに対するこだわりや道具感で勝負する部分と高級感を出す部分の方向性がイマイチ煮え切らず値段ばかり高くなるからだと思う。
高級感出すならアキュラ立ち上げてホンダ本体はは高級感出さずCPや機能性で勝負でしょ!と言いたくなる。
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Re:CR-Vの弱点はホンダの弱点を体現していると思う (宇垂)
2019-01-21 19:46:09
high-lookieさん

確かにホンダのクルマに300万円ってハードルが高いように思えます。
どうしても昔の200万円辺りの魅力的なクルマのイメージがよぎってしまいますよね。

ただ、これまでの装備の増加に対して価格を上げられなかった状況の弊害が出ているような気がします。
そのうえ、国内の販売が低迷しており、数が出ない状況が続いており、価格を抑えるのも限界にきているのでは、と想像します。

各社がどんどん値上げして300万円台が普通になれば、また見え方も変わってくるのかもしれませんが。

ま、そうなるとますます軽自動車ばかり売れる状態が加速するんでしょうけど。

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