ヴァイオリン ~ 雑音ラプソディ ~

50代後半になって突然始めたヴァイオリン。
ヴァイオリンやピアノなど
音楽に関することを綴っていきます。

1/9 読響名曲シリーズ・ニューイヤーコンサート

2020-01-12 | クラシック音楽
1月9日 読売交響楽団の名曲シリーズのニューイヤーコンサートで、サントリーホールへ行ってきました。


毎回、ニューイヤーは、新春らしい曲目が盛りだくさんで楽しみです。
ストラビンスキーの「春の祭典」を好む指揮者もいますが、今回はこのような演目でした。
● J.シュトラウス2世 喜歌劇「こうもり」序曲
● サン=サーンス 序奏とロンド・カプリチオーソ
● マスネ タイスの瞑想曲
● サラサーテ ツィゴイネルワイゼン
● モーツァルト 交響曲第35番ニ長調K.385「ハフナー」
● ラヴェル ボレロ

指揮者は、ドイツの新鋭、エリアス・グランディ(Elias Grandy)氏。 ステージに登場した時のその容貌を見て、若い、と思いました。
グランディ氏は、2015年のショルティ国際指揮者コンクールで第2位(第1位該当者なし)を獲得しており、その当時35歳だったそうなので、若いと言っても現在39歳ですが、身のこなしは軽く、最初のシュトラウスの曲で言えば、タクトに勢いがあり、切れが良く、オケとの一体感を感じさせる指揮でした。 その指揮ぶりを見る限り、これから楽しみな指揮者です。

今回のソリストは、日本のヴァイオリニストの草分け、
前橋汀子さんです。
久しぶりに読響のプログラムに登場し、前からこの日を楽しみにしていました。
背中が開いた鮮やかな赤いフワフワのドレスで、大事なヴァイオリンをぶつけないように高く持ちながら、ゆっくりゆっくり歩いて登場しました。
サンサーンスのお馴染みの序奏とロンド・カプリチオーソ。グァルネリウスの美しい音色で始まります。
指揮者の若いスピード感のあるタクトを先に見た後なので、76歳の前橋さんはこの指揮者に合わせられるのだろうか、と心配してしまいましたが、余計なことでした。
指揮者がほんの数秒オケのテンポを遅くしている感がありましたが、前橋さんの演奏は、運指も弓の動きも正確、楽器を歌わせているような美しい演奏で、新春にふさわしい演奏者だと感じました。 パガニーニ等の速いテンポの曲のテクニックを前面に出すタイプのヴァイオリニストではないので、人によっては、好き嫌いはあるかもしれません。

ツィゴイネルワイゼンの第3部では、音を柔らかくするためにミュート(弱音器)をつけて演奏する、と今回、前橋さんが演奏途中でミュートを取り付けるのを見て初めて知ったのですが、今までツィゴイネルワイゼンの生演奏で、この動作を見たのは初めてです。 ミュートには、ヴァイオリンの駒の手前の弦に予め付けておいて、演奏する時に、それをずらして駒に取り付けるものがあり、それを使う演奏者が多いので、気が付かなかっただけだとわかりました。
前橋さんの使用していたものは、それではなかったようで、譜面台がないので、指揮者の台の上に置いておいて、3部の直前に、屈んでそこから拾って取り付けて3部を演奏し、テンポが速くなる4部が始まる前に、また台の上に戻していました。ちょっとアナログ的ですが、昔はそのようにしていたのでしょうかね。

客席は満席。ツィゴイネルワイゼン演奏後の観客の拍手が鳴りやみません。
最後に、無伴奏のバッハ・ソナタ第3番より「ラルゴ」 をアンコールに弾いてくれました。
年齢を感じさせない演奏でしたが、何よりも、背中の筋肉がたくましい。
きっと、体力維持に筋トレをやっているのでしょうね。



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