2次予選の小林愛実さん、今日は椅子の高さでのいざこざはなく、椅子に腰掛けると、高さや座り心地を実感して鍵盤に向かいます。
一曲目の幻想ポロネーズ、冒頭からスローなテンポで音を響かせ、じわりじわりと聴く人を引きずり込んで行きます。これはポロネーズではないのか、と疑問に思いながら聴いていると、ピアニストの「幻想」に巻き込まれてしまったのか、眠ってしまいました。
コンサート中は滅多に眠らない私が眠ってしまう時は、文字通り本当に眠い時と、演奏スタイルが好きではない時。
目が覚めたら、全てのプログラムが終わっていたので、録画演奏を後から聴くことに。
演奏後の本人のコメントで、幻想ポロネーズは、晩年のショパンの苦しみと自分の26年の人生を重ね合わせ表現したといいますが、私には個性が強くて、あまりショパンを感じませんでした。
技術的にも卓越しているし、聴衆を魅了する表現力も素晴らしいですが、コンクールでここまで自由に表現してよいのかと疑問に思っています。
この演奏スタイルでふと思い出したのが、ショパンコンクールで個性的な演奏をして予選落ちしたポゴレリッチ。
その審査結果に不満を持った当時の審査員のアルゲリッチは、審査を途中で放棄して帰国してしまったというエピソードがありますが、そのアルゲリッチは、今回、友人の審査員が病気で辞退したことに同調して、審査員を辞退したので不在。
時代は変わりましたので、今では受け入れられるかもしれませんが、ショパンに対して伝統的なスタイルを好む音楽家もいるでしょうから、審査員達がどのように審査したのか、とても気になります。
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